【ミラノ五輪】エース宮田将吾、予選で痛恨の暗転。肉体改造で挑んだ舞台に潜む「攻めの代償」と逆襲への誓い
ニュース要約: ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪のショートトラック競技で、日本男子のエース宮田将吾が1000mと混合リレーで予選敗退を喫しました。阪神タイガース元トレーナーとの肉体改造を経て万全の体制で臨んだものの、接触による失格や判断ミスが響く結果に。失意のスタートとなった若きエースが、得意種目の1500mで再起をかけ、メダル獲得へ挑む姿を追います。
【ミラノ五輪】ショートトラック宮田将吾、予選で痛恨の暗転 エースが直面した「攻めの代償」と再起への壁
【ミラノ=2026年2月13日】 イタリア・ミラノのアイススケートアリーナで熱戦が続くミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪。ショートトラックスピードスケート競技において、日本男子のエースとしてメダル獲得の期待を背負う宮田将吾(23=日本通運)が、試練の時を迎えている。
現地時間2月10日に行われた男子1000メートル予選、および混合リレー予選に出場した宮田。しかし、いずれの種目でも本来の輝きを放つことなく予選敗退を喫するという、まさかの結果に終わった。北京五輪から4年、肉体改造と精神面の成長を遂げて臨んだ舞台で、若きエースは何を感じ、どのような壁に突き当たったのか。
■一瞬の接触に消えた野望 混合リレーの明暗
波乱は混合リレー予選2組で起きた。金井莉佳、中島未莉、吉永一貴、そして宮田の4名で臨んだ日本代表。3番手走者としてリンクに入った宮田は、コーナー付近でフランスの選手と激しく接触し、転倒。会場が騒然とする中、レース後のビデオ判定により、宮田の動きが妨害行為(ペナルティー)と見なされた。
この判定により、日本チームは失格。予選での姿を消した。宮田はレース後、「攻めた結果、転倒してしまった。もう少し落ち着いて判断していれば良かった」と唇を噛み、自らの判断ミスを敗因に挙げた。
また、個人種目として期待された男子1000メートル予選でも、3組3着に沈んだ。1分26秒997というタイムは、世界のトップランナーと比較しても決して劣るものではなかったが、上位2名のみが勝ち上がるというショートトラック特有の「サバイバル」を勝ち抜くことはできなかった。今季のワールドツアー1500メートルで銀メダルを獲得し、名実ともにエースとして君臨してきた宮田にとって、屈辱的な敗戦といえる。
■阪神トレーナーと挑んだ「4年間の肉体改造」
今回の不本意な結果は、これまでの宮田の充実ぶりとはあまりにも対照的だ。2022年の北京五輪を10代で経験した宮田は、大会直後から「4年後のリベンジ」を誓い、抜本的な肉体改造に着手した。
そのパートナーとなったのが、プロ野球・阪神タイガースで15年間にわたりトップアスリートを支えてきたトレーナーの権田康徳氏だ。宮田は権田氏のもと、下半身はもとより、氷上の安定性を生む背筋などのフィジカルを徹底的に強化。体重を72キロから70キロに絞りつつ、筋肉量を2キロ増加させるという理想的なビルドアップに成功した。
「準備してきたことに自信を持ってスタートラインに立てる」。大会前の会見でそう語っていた宮田の表情はかつてないほど引き締まっていた。技術面でも、阪南大学スピードスケート部の杉尾憲一監督(日本代表強化コーチ)の指導のもと、パワーを活かした「外回りからの追い上げ」を武器に磨きをかけてきた。練習仲間の渡邊啓太らとともに「チーム阪南大」として一丸となり、28年ぶりのメダル獲得へ向けてコンディションは万全に見えた。
■「エースの重圧」とショートトラックの魔物
なぜ、仕上がり万全とされた宮田が、結果を残せなかったのか。関係者の分析によれば、一つは「五輪特有の高速化した氷への対応」だ。練習拠点としてきた国内のリンクに比べ、今回のミラノのリンクは高速コーナーでの安定性が問われる。外回りでの追い上げを武器とする宮田にとって、最高時速で旋回する際、他選手との距離感を誤れば命取りになる。今回露呈した「判断の焦り」は、エースとしての責任感からくる、わずかな「攻めすぎ」が招いた結果ともいえる。
ショートスケートは、時に「氷上の格闘技」と称されるほど、戦略とコンタクトが複雑に絡み合う。実力者が予選で姿を消すことは珍しくないが、宮田ほどの圧倒的な実力者が1000メートルとリレーの両方で結果を逃したのは、世界に衝撃を与えた。
■次走に懸ける「リベンジの意志」
宮田のミラノ五輪はまだ終わっていない。1000メートル予選と混合リレーこそ苦い結果に終わったが、彼には今季ワールドツアーで銀メダルを獲得し、世界ランクでも上位につける得意の1500メートルや、男子5000メートルリレーが控えている。
カナダ、中国、韓国といった強豪勢が立ちはだかる中、宮田が再び「世界基準」の滑りを取り戻せるか。敗北を受け止め、いかにしてメンタルを立て直すかが焦点となる。
「どの種目でも勝負を仕掛けていく」。その言葉の真意が問われるのはこれからだ。失意の予選から、日本のエースがどう立ち上がるか。ミラノの氷上を切り裂く、宮田将吾の逆襲に期待がかかっている。
参考情報源
関連コンテンツ
マイニュースへ
あなた専用のニュースレポートをチェックしましょう