【2026冬季五輪】女子ハーフパイプ決勝へ:工藤璃星が女王クロエ・キムに挑む、リビニョ頂上決戦
ニュース要約: 2026年ミラノ・コルティナ五輪スノーボード女子ハーフパイプは12日に決勝を迎えます。予選では絶対女王クロエ・キムが圧倒的な滑りで首位通過する中、日本の新星・工藤璃星や中国のベテラン蔡雪桐らが決勝進出を決めました。技術革新が進み、かつてないハイレベルな戦いが予想されるリビニョの地で、世代交代か女王の3連覇か、歴史的一戦が幕を開けます。
【リビニョ発】2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪は12日、スノーボード女子ハーフパイプ(U型场地技巧)の決勝がイタリア・ヴァルテッリーナ地区のリビニョ・スノーパークで行われる。前日11日の予選では、日本の新星・工藤璃星(くどう・りせ)が難易度の高い構成をまとめ上げ、堂々の決勝進出を決めた。絶対女王クロエ・キム(米国)が異次元の滑りを見せるなか、日本勢や中国勢がいかに「打倒クロエ」の壁に挑むか。氷壁の頂上決戦がいよいよ幕を開ける。
異次元の「女王」に挑む、日本・中国の精鋭たち
2月11日に行われた予選は、まさに「神々の争い」と呼ぶにふさわしいハイレベルな展開となった。24名が参加したこのステージで、ひときわ輝きを放ったのは北京五輪金メダリストのクロエ・キムだ。彼女は2本目に世界最高峰の高さと回転数を誇るルーティンを披露し、90.25点という圧倒的なスコアで首位通過。3連覇に向けて盤石の体制を見せつけた。
しかし、追うアジア勢の勢いも凄まじい。日本代表の工藤璃星は、予選2本目でさらにギアを上げた。空中でのグラブの正確さと、着実に難易度を上げたコンビネーションでジャッジを魅了し、上位での決勝進出を果たした。日本勢は村瀬心椛がすでに女子ビッグエアで金メダルを獲得しており、チームジャパン全体の士気は最高潮に達している。
一方、中国勢も厚い壁となって立ちはだかる。32歳の「五輪5大会出場」という鉄人、蔡雪桐(ツァイ・シュエトン)は、ベテランらしい安定感を見せた。予選2本目で83.00点を叩き出し、4大会連続の決勝へ。同じく中国の武紹桐も決勝に駒を進めており、老練な技術と若手の勢いを組み合わせた中国チームの層の厚さが鮮明となった。
「ミラノ・周期」がもたらした技術の飛躍
今大会の女子ハーフパイプを語る上で欠かせないのが、この「ミラノ・コルティナ周期」でもたらされた圧倒的な難易度の向上だ。北京五輪からの4年間で、女子選手の技術革新は限界を突破した。予選において80点以上のハイスコアを記録した選手が8名に達した事実は、かつては「決勝レベル」とされた難易度が、今や「予選通過の最低条件」になりつつあることを物語っている。
特に注目されるのは、スイッチ1260(逆スタンスからの3回転半)や、高難度の縦回転を組み合わせた連続技だ。かつてはクロエ・キムの専売特許であった超大技を、今や日本、韓国、カナダ、スペインといった各国のトップランナーたちが次々と自身のルーティンに組み込んでいる。
また、戦いの舞台となるイタリア・リビニョの会場コンディションも勝負を左右する。標高約1,800メートルに位置するこのスノーパークは、吸い込まれるような青空が広がる一方で、高地特有の急激な天候変化や強風が懸念される。12日の決勝当日、選手たちがいかに「山の呼吸」を読み、その急峻な氷の壁を手なずけるかが金メダルの行方を握るだろう。
世代交代か、それとも女王の君臨か
12日に行われる決勝は、スノーボード界の歴史を塗り替える一戦となる。
「絶対女王」として君臨し続けるクロエ・キムが歴史的な3連覇を達成し、自らのレジェンドを決定づけるのか。あるいは、工藤璃星に代表される日本の新世代が、持ち前の繊細なボードコントロールと大胆なエアで世代交代を告げるのか。はたまた、5度目の正直を狙う中国の蔡雪桐が、悲願のメダルをその手に掴むのか。
リビニョの白銀の壁に刻まれるシュプールは、勝者たちの誇りとなって歴史に刻まれる。女子スノーボード界の「新時代」を告げる瞬間は、すぐそこまで来ている。(経済部・冬季五輪特別取材班)
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