南野拓実、左膝重傷で長期離脱の可能性　2026年W杯出場に暗雲

モナコに所属する日本代表MF南野拓実（30）が、12月21日に行われたクープ・ドゥ・フランス（フランスカップ）ラウンド32のオセール戦で左膝を負傷し、担架でピッチを後にした。現地メディアは前十字靱帯断裂の可能性を指摘しており、2026年6月に開幕する北中米ワールドカップへの出場に黄信号が灯っている。

試合中の負傷、両手で顔を覆う

モナコが2-1で勝利を収めた一戦で、南野は前半36分頃に相手のカウンター攻撃を阻止しようとした際、左膝を負傷した。痛みに苦しむ南野は両手で顔を覆いながら倒れ込み、自力での立ち上がりができず、担架で運ばれる事態となった。

試合後、セバスチャン・ポコニョーリ監督は記者会見で深刻な表情を見せた。「タキは病院に入院している。十字靱帯断裂の可能性もある。最初の検査結果は良くなかった」と述べ、重傷の可能性を示唆した。監督はさらに「深刻でないことを願っている。今年は残念ながら、こうしたことが繰り返されてしまっている」と語り、クラブ内で続く負傷者の多さへの懸念を表明した。

現地メディアが最悪の事態を懸念

フランスの主要メディアも南野の負傷を大きく報じている。スポーツ紙「レキップ」は「左膝に重傷を負った可能性がある」と指摘し、地元紙「ウェスト・フランス」は「最悪の事態が懸念されている」と報道した。前十字靱帯断裂の場合、通常6カ月から12カ月の離脱が必要とされ、選手キャリアに大きな影響を及ぼす重傷だ。

南野は今季、リーグ・アンで15試合に出場し3得点2アシスト、欧州チャンピオンズリーグでは5試合で1得点1アシストを記録するなど、モナコの攻撃陣で重要な役割を果たしてきた。公式戦21試合目となったこの試合が、年内最終戦となる見込みだ。

過去の負傷歴と今回の重症度

南野の負傷歴を振り返ると、これまでは主に筋肉系や腿の損傷が中心で、離脱期間は平均1週間程度と比較的短期間だった。2021年には筋肉損傷や腿損傷で数回離脱したが、いずれも2週間以内に復帰している。2017年8月には膝損傷で約1カ月半離脱したことがあるが、それ以降、膝に関する深刻な負傷はなかった。

今回の左膝負傷は、過去の軽度な損傷とは明らかに異なる重症度が疑われる。前十字靱帯断裂が確定すれば、30歳という年齢を考慮すると、復帰後のコンディション維持やパフォーマンスの回復に課題が残る可能性が高い。機動力に依存するミッドフィールダーやフォワードのポジションにおいて、膝の重傷は選手生命に直結する問題だ。

日本代表への影響は計り知れず

南野の長期離脱は、日本代表にとって大きな痛手となる。森保一監督体制において、南野は攻撃的ミッドフィールダーやフォワードとして重要なローテーション要員を務めてきた。2列目からの崩しや得点力において、南野の存在は欠かせないものだった。

2026年ワールドカップ北中米大会は6月11日に開幕する。前十字靱帯断裂の場合、回復に半年以上を要するため、大会までの復帰は極めて厳しい状況だ。仮に復帰が間に合ったとしても、実戦感覚を取り戻し、代表レベルでのパフォーマンスを発揮できるかは不透明だ。

南野の不在により、日本代表の戦術的な柔軟性が低下する懸念もある。代替として久保建英、三笘薫、浅野拓磨らが台頭する可能性はあるものの、南野が持つ経験値や試合を読む能力は簡単には補えない。特に大舞台での冷静な判断力は、長年の実績に裏打ちされたものだ。

詳細な診断結果の発表待たれる

12月22日午前10時時点で、南野の負傷に関する公式な診断結果や復帰時期の発表はまだ行われていない。モナコ公式や日本サッカー協会からの続報が待たれる状況だ。

南野は2017年の膝損傷を乗り越え、翌年のロシアワールドカップ出場を果たした経験がある。リバプール時代にはPK失敗などメンタル面での試練も経験したが、その都度復活してきた。今回も冷静に状況を見つめ直し、再起を図ることが期待される。

ただし、30歳という年齢と負傷の重症度を考えると、今回の復帰は過去の経験とは異なる困難が予想される。市場価値1170万ユーロ、2027年6月までの契約を持つ南野にとって、この負傷がキャリアに与える影響は計り知れない。

日本サッカー界にとって、南野拓実の一日も早い回復と復帰が望まれる。詳細な検査結果の発表を待ちたい。