美川憲一(79)、難病パーキンソン病と闘う現在地 盟友・神田うのの支えでステージ復帰へ
ニュース要約: 国民的歌手の美川憲一氏(79)が、難病パーキンソン病の診断を公表後、懸命なリハビリを続けている。回復度は60%ながら、ステージへの強い執念を燃やし、12月のディナーショーでの復帰を計画中。盟友・神田うの氏らの献身的なサポートを受け、「生きる」を社会に問いかける美川氏の挑戦を詳報する。
難病公表の歌い手、美川憲一氏(79) ステージ復帰へ「生きる」を問う挑戦
盟友・神田うのも支えに、パーキンソン病と闘う現在地
(2025年12月11日 日本経済新聞/共同通信社)
国民的歌手として長年第一線で活躍してきた美川憲一氏(79)が、難病指定されているパーキンソン病と、心疾患である洞不全症候群を公表してから約1カ月が経過した。心臓にペースメーカーを埋め込む手術と、それに伴う約1カ月半の入院生活を経て、現在、美川氏は懸命なリハビリに取り組んでいる。公の場で活動を再開する意欲を示す美川氏の「美川憲一 現在」の状況と、深い親交を持つタレント、神田うの氏ら周囲の支援体制について、最新の取材に基づき詳報する。
闘病の公表、回復度「60%」の現実
美川氏が自身の健康状態について詳細を明かしたのは、2025年11月の会見においてである。洞不全症候群の治療のための手術後、リハビリ中に体の異変を感じ、精密検査を受けた結果、美川憲一 パーキンソン病の診断が下された。
パーキンソン病は、脳内の神経伝達物質であるドーパミンの不足により、手足の震え、動作の緩慢、姿勢の不安定さなどを引き起こす進行性の疾患である。美川氏自身も「ずっと立っているとふらつく」といった症状を抱え、闘病の厳しさをにじませている。
入院前は70キロあった体重は62キロまで減少。本人は現在の回復度を「約60%」と控えめに報告している。特に足の筋肉が細くなっていることが課題であり、日々、理学療法士の指導のもと、筋肉増強のためのリハビリを続けている状況だ。歩行の難しさから、医師からは車椅子の使用も勧められているが、美川氏は「なるべく自分の足で動く」ことにこだわり、根気強く訓練に励んでいるという。
ステージへの強い執念と師走の復帰計画
難病を抱えながらも、美川氏の仕事に対する意欲は衰えを知らない。「美川憲一 現在」の最大の目標は、再びステージに立つことである。
美川氏は退院後の会見で、「働いて、働いて、働いてまいります」と、力強いコメントを残した。この言葉は、単なる仕事復帰ではなく、病と向き合いながら生きる自身の姿勢を社会に示す決意表明とも受け取れる。
具体的な復帰計画も着実に進行している。薬物治療とリハビリを並行して行いながら、12月上旬にはディナーショーを控えるほか、ものまねタレントのコロッケ氏との合同コンサートが本格的な復帰の舞台となる予定だ。美川氏は、自身の持ち味である華やかさと歌唱力を維持するため、痛みをこらえてトレーニングに励んでおり、年末の多忙な時期に向けて、精力的に準備を進めている。
専門家は、パーキンソン病の治療において、薬物療法に加え、ステージ活動のような「目標を持った身体活動」が精神的な安定と症状の進行抑制に寄与する可能性を指摘しており、美川氏の強い意志が回復を後押しすることが期待される。
盟友・神田うのの献身的なサポート
美川氏の闘病生活を精神的に支えているのが、長年の盟友であり、家族ぐるみの付き合いがあるタレントの神田うの氏(50)である。
美川氏の退院後、神田氏は自身の公式インスタグラムにて、美川氏との2ショット写真を公開し、退院を心から祝福した。投稿には、「憲ちゃんが歌う歌にもありますが『生きる』をいつも教えてくれる」と、美川氏への深い感謝と尊敬の念が綴られていた。彼女は、美川氏が病を公表した後も、常に寄り添い、温かいメッセージを送り続けている。
神田うの氏のこうした献身的なサポートは、著名人が難病と闘う際の精神的な支えの重要性を示す事例と言えるだろう。神田氏自身も、近年、美容メンテナンスとして高額な美容施術を公言するなど、自己プロデュースへのこだわりが注目されているが、公私にわたる美川氏との強い絆は、彼女の人間性を映し出している。
難病への理解を深める公表
美川氏の今回の公表は、高齢化社会が進む日本において、パーキンソン病をはじめとする難病への社会的な理解を深める上で、極めて重要な意義を持つ。79歳という高齢でありながら、病に屈せず、ステージ復帰を目指す美川氏の姿は、多くの人々に勇気と希望を与えている。
美川氏は、今後も根気強くリハビリを継続し、歌手としての活動を続ける意向だ。病との共存という新たなフェーズに入った美川憲一氏の挑戦は、「美川憲一 現在」の生き様として、社会に強いメッセージを発信し続けるだろう。