アルテミス北海道「再生」への挑戦:全敗の屈辱からVリーグ最下位脱出を目指す物語
ニュース要約: V.LEAGUE WOMEN 2025-26シーズン、アルテミス北海道は「Reborn to Win」を掲げ、全敗を喫した前季からの再生に挑んでいます。現在12チーム中最下位と苦境が続く中、Wizによる経営体制刷新や地域密着型の集客施策、若手選手の育成を通じて着実な一歩を踏み出しています。決定力不足などの課題を抱えつつも、初勝利を糧に北海道の地で新たなバレーボール文化の構築を目指すチームの現在地を追います。
アルテミス北海道、再生への道のり続く 最下位から見据える未来への挑戦
「Reborn to Win」――勝つための再生を掲げ、北海道の地で奮闘を続けるバレーボールチーム、アルテミス北海道。V.LEAGUE WOMEN 2025-26シーズンは、前季の0勝28敗という屈辱から立ち上がるための重要な一年となっている。しかし、現実は依然として厳しい。
苦境に立つ現状と直近の戦績
2026年1月25日、田川市総合体育館で行われたレギュラーシーズン第9節のカノア戦。アルテミス北海道はアウェイの地で0-3のストレート負けを喫した。セットスコアは23-25、18-25と、要所での得点力不足が露呈する結果となった。
その一週間前の1月18日、ホームの北ガスアリーナ札幌46で迎えた倉敷アブレイズ戦も2-3の惜敗。11-25、25-17、27-25と一進一退の攻防を繰り広げたものの、勝利をつかむことはできなかった。青島賢司ヘッドコーチは試合後、「オフェンスに課題が残る。次戦まで2週間、ハードワークで改善を図りたい」とコメント。攻撃決定率26.4%という数字が、チームの現在地を物語っている。
現在の順位は12チーム中最下位。2勝16敗、勝率0.11という成績は、再生への道のりがいかに険しいかを示している。首位の信州ブリリアントアリーズが20勝無敗で独走する一方、アルテミス北海道は勝ち点を積み上げることに苦しんでいる。
新体制で挑む「再生」の意味
2025年7月1日、アルテミス北海道は新たな一歩を踏み出した。運営母体が株式会社アルテミス北海道へ移管され、代表取締役CEOには株式会社Wizの山崎俊氏が就任。IT総合商社としてDX推進事業を展開するWizは、Bリーグの鹿児島レブナイズとともに、日本初のバスケットボールとバレーボールのWオーナー体制を構築した。
ヘッドコーチには青島賢司氏を迎え、GM菅野達人、アシスタントコーチに工藤泰我、笠原佑斗、酒井彩花というスタッフ陣を整備。リガーレ仙台からミドルブロッカーの杉浦文香(27歳)を含む5選手が新加入し、平均年齢22.8歳という若いチームが形成された。
「経験豊富な選手からフレッシュな選手まで入団してくれた。プロチームとしての土台を作ってくれるのではないかと期待しています」。青島監督の言葉には、長期的な視点でチームを育てる覚悟がにじむ。
戦術の模索と光明
前季全敗という苦い経験を踏まえ、アルテミス北海道はディフェンスの継続強化を軸に据えている。サーブによるレシーブ崩しと組織的なブロックシステムを武器に、トランジション攻撃から得点を奪う戦術だ。倉敷戦では、この戦術が一定の効果を発揮し、接戦に持ち込むことができた。
一方で、決定力不足という課題も鮮明になっている。そこでチームは大胆な配置転換を敢行。主将・山田菜那光をオポジットからミドルブロッカーに変更し、攻撃のバリエーションを増やす試みを行った。2025年11月22日の福岡ギラソール戦では、この変更が功を奏し、3-1で勝利。久保選手が26得点を挙げる爆発的な活躍を見せ、チームに初白星をもたらした。
「点の取り方が今季のポイント」と青島監督が指摘するように、守備の安定を基盤としつつ、いかに効率的に得点を重ねるかが、チーム浮上のカギを握る。
地域密着と観客動員の成功
経営面では、新体制が目覚ましい成果を上げている。SNSの活用、ポッドキャストの配信、全道展開のホームゲーム、そして北海道民無料招待など、多彩な施策で観客動員を劇的に向上させた。札幌の北ガスアリーナ札幌46を本拠地としつつ、釧路のウインドヒルくしろスーパーアリーナでもホームゲームを開催。地域に根差した活動が、着実にファン層を広げている。
2026年2月13日から15日にかけて、北ガスアリーナ札幌46でホームゲームが予定されており、ボランティアスタッフを募集中だ。参加者にはピンクのTシャツがプレゼントされ、ファンとチームが一体となる場が創出されている。こうした地道な取り組みが、アルテミス北海道を支える基盤となっている。
また、北海道外在住者向けには招待席エリアの席を1,000円(税込)で提供し、中学生以下は無料とするなど、多くの人々に観戦機会を提供する工夫も光る。チケットはチケットぴあで販売され、当日券も全ホームゲーム会場で入手可能だ。
険しい道、それでも前へ
今後のスケジュールを見ると、第10節は仙台リガーレとのアウェイ戦、第11節はV三重とのホーム戦が控える。第12節では福岡ギラソールとの再戦がアウェイで予定されており、11月の勝利を再現できるかが注目される。
2勝16敗という成績は、プレーオフ進出という目標にはほど遠い。だが、天皇杯・皇后杯北海道ブロック大会での優勝、福岡戦での初勝利など、若いチームは確実に力をつけつつある。ユニフォームのデザイン変更も、選手が安心してプレーに集中できる環境を整えるための配慮だ。
「Reborn to Win」――このスローガンは、単なる勝利への渇望ではない。全敗という絶望から立ち上がり、北海道の地で新たなバレーボール文化を築こうとする決意の表明だ。株式会社Wizの支援のもと、経営基盤を固め、地域との絆を深め、若い選手たちを育てる。その先に見据えるのは、V.LEAGUE DIVISION1への昇格という大きな夢である。
敗北は続いている。しかし、アルテミス北海道の挑戦は止まらない。2週間後、再びコートに立つ彼女たちの姿に、北海道のファンは希望を託している。勝つための再生――その物語は、まだ序章に過ぎない。
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