非通知電話
2025年11月12日

非通知着信から始まる特殊詐欺の脅威—警察装い詐欺が激増、2025年の防衛策

ニュース要約: 2025年、非通知着信を入り口とする特殊詐欺が深刻化。中でも警察官装い詐欺が急増し、被害は幅広い世代に拡大している。巧妙なIP電話や番号偽装に対抗するため、警察と主要キャリア4社は連携を強化。国民には、非通知拒否設定の活用や、金銭要求には絶対に応じず冷静に事実確認を行う自衛策の徹底が求められている。

「警察装う手口が激増」非通知着信が導く特殊詐欺の深層—2025年、巧妙化する電話犯罪と対抗策

2025年11月現在、我々の日常に忍び寄る「非通知電話」は、もはや単なる迷惑行為ではない。それは、手口が巧妙化の一途を辿る特殊詐欺の主要な入り口として、国民生活を脅かしている。警察庁の発表によれば、特殊詐欺の認知件数の半数以上が非通知または追跡が困難なIP電話経由であり、特に公的機関を装う「アポ電詐欺」の深刻化が浮き彫りとなっている。

警察官装い詐欺が急増—ターゲットは高齢者以外にも

非通知電話を利用した特殊詐欺のなかで、最も急速に被害が拡大しているのが、警察官や国税局職員を名乗る手口だ。警察官装い詐欺は、2023年にはわずか3件だったのに対し、2024年には806件に急増し、被害額は約70億円に迫る。さらに2025年に入っても勢いは止まらず、被害は拡大傾向にある。

詐欺グループは、綿密に準備された個人情報をもとに被害者の氏名を正確に言い当て、不安心理を煽る。その手口は技術的にも洗練されている。追跡を逃れるためにIP電話回線や偽装した通信局設備を駆使し、時には正規の警察署が使用する下4桁「0110」の番号を偽装表示させることで、被害者を信用させる。

かつて特殊詐欺の被害者は高齢者に集中していたが、最近では携帯電話への着信も多く、SNSでの報告を見ても20代から50代まで、幅広い世代に被害が拡大している点も見過ごせない。電話口で疑問を持たれると無言で通話を切断するなど、冷静な対応をさせないためのテクニックも駆使されている。

官民連携による「防衛線」の強化

こうした犯罪の技術的な巧妙化に対応するため、官民の連携体制が急速に強化されている。

一般の利用者が非通知の発信元を特定することは、プライバシー保護の観点から不可能である。しかし、犯罪性が認められた場合、警察の捜査が唯一の発信元解明の手段となる。この捜査スピードを向上させるため、警視庁とNTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの主要携帯キャリア4社は、2025年5月に特殊詐欺被害防止に向けた連携協定を締結した。

これにより、警察は詐欺や脅迫などの犯罪に関わる非通知着信について、キャリアから発信元情報や通話記録を迅速に入手できる体制が整備された。国際電話詐欺への対応も含め、キャリア各社も迷惑電話ブロックサービスを標準化し、システム的な防御を固めている。

国民一人ひとりに求められる「自衛策」の徹底

非通知着信による特殊詐欺の脅威が高まる今、最も重要となるのは、国民一人ひとりの「自衛策」の徹底である。警察庁は、固定電話にかかってくる知らない電話番号や非通知電話には出ないよう、強く呼びかけている。

具体的な防御策として、以下の手段が有効だ。

  1. 非通知拒否設定の利用:キャリア提供の「番号通知リクエストサービス」(au、ソフトバンク、ドコモの迷惑電話ブロックサービス)を活用し、非通知着信をブロックする。
  2. スマートフォンの設定活用
    • iPhoneでは標準機能の「不明な発信者を消音」をオンにする。ただしこれは完全拒否ではなく「消音」であるため、より強力なブロックには「Truecaller」などの第三者アプリの導入が推奨される。
    • Androidでは、機種によって標準の「不明な発信者をブロック」機能で、非通知着信を完全に拒否できることが多い。
  3. 冷静な対応の徹底:万が一、非通知電話に出てしまい、警察や金融機関を名乗られた場合でも、絶対に慌てて金銭の移動や送金要求に応じないこと。すぐに電話を切り、正規の警察署(局番なしの110番ではない)や家族に相談し、事実確認を行うことが最大の防御となる。

技術的な防御と警察・キャリアの連携が進む一方で、詐欺犯の手口は常に進化し続けている。我々は、非通知着信を「怪しい」と認識し、出ない・確認する習慣を身につけることが、この電話犯罪との戦いに勝利するための鍵となる。

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