悲運のドラ1左腕・濵口遥大、難病と戦力外を乗り越え現役続行への強い覚悟
ニュース要約: 元DeNAのドラフト1位左腕、濵口遥大投手(30)がソフトバンク移籍からわずか1年で戦力外通告を受けた。今季は国指定の難病「胸椎黄色靱帯骨化症」と左肘の手術を受け、一軍登板はゼロ。厳しい現実を受け止めながらも、「やれるうちはやりたい」と現役続行への強い意志を表明。難病を克服し、トライアウトを経て再びプロのマウンドを目指す彼の決意に注目が集まる。
悲運のドラフト1位左腕、濵口遥大が直面する試練:難病と戦力外通告、現役続行への強い覚悟
2025年11月11日、プロ野球界に一つの厳しい現実が横たわっている。昨オフ、横浜DeNAベイスターズから福岡ソフトバンクホークスへトレードで加入し、新たなキャリアをスタートさせたはずの左腕、濵口遥大投手(30歳)が、わずか1年で戦力外通告を受けたのだ。
ドラフト1位でプロ入りし、DeNA時代には「ハマのハマちゃん」としてファンから愛された濵口投手。その激動の2025年シーズンを振り返るとともに、難病との闘いを経て、再びマウンドを目指す彼の現在地に迫る。
鷹で迎えた試練の1年
濵口投手は2016年ドラフト1位でDeNAに入団。ルーキーイヤーから10勝を挙げるなど、早くから先発ローテーションに定着し、2022年には交流戦で藤川球児氏(当時阪神)以来15年ぶりとなる負けなし7連勝を記録するなど、安定した実績を残してきた。
しかし、新天地であるソフトバンクで迎えた2025年シーズンは、彼の野球人生の中でも特に過酷なものとなった。
移籍直後の春、濵口投手を襲ったのは、国指定の難病である「胸椎黄色靱帯骨化症」だった。この病は背骨周辺の靱帯が分厚くなり、神経を圧迫するもので、アスリートにとっては致命的となり得る。彼は4月にこの難病の手術を決断。さらに同時期に左肘関節のクリーニング手術も受けた。
この度重なる手術の影響で、濵口投手はシーズンを通してソフトバンクの一軍マウンドに立つことは一度も叶わなかった。
覚悟していた戦力外通告
懸命なリハビリを続けたものの、チームの戦力構想は待ってはくれなかった。10月下旬、ソフトバンク球団は濵口投手に対し、来季の支配下選手契約を結ばない旨を通告した。
トレード加入からわずか1年での戦力外という厳しい現実。しかし、彼はこの通告を静かに受け止めていたという。「なかなか1年間いいパフォーマンスを出せなかったので、仕方ないかなと」とコメントを残していることから、故障で貢献できなかった現状を冷静に分析していたことが窺える。
プロの世界は常に結果が求められる。特に大型補強を続けるソフトバンクにおいて、故障で一軍登板ゼロの投手に対する判断は、非情でありながらもプロの論理と言えるだろう。
専門家が評価する「威風堂々」のスタイル
濵口遥大という投手は、単なる左腕ではない。専門家や球評家は、彼を「威風堂々」としたスタイルと評価する。最速151km/hのストレートと、腕をしっかりと振って投じる緩急を活かしたチェンジアップが最大の武器だ。荒れ球気味でありながらも、時に打者を圧倒する攻撃的なピッチングは、DeNA時代、今永昇太投手や東克樹投手らとともに「左腕カルテット」として、チームを支えてきた実績がある。
それだけに、彼の才能がこのまま埋もれてしまうことは惜しまれる。
現役続行への強い決意
戦力外通告を受けた現在、濵口投手は現役続行への強い意志を示している。難病と肘の手術から復帰までには3~4か月の見込みとされているが、彼は「シーズン終盤にかけて自分のいい形というか、勝負できそうなボールは増えてきていた」と手応えを感じている。
「やれるうちはやりたいなというのはある。でも必要とされるっていうのが一番野球選手として大事なこと。そういう声がなければ、その時は辞めるつもりでいる」
この言葉には、プロ野球選手としての矜持と、他球団からのオファーを待つ覚悟が滲む。
2025年12月にはトライアウトの季節がやってくる。難病を乗り越え、不本意な形で鷹のユニフォームを脱ぐことになった濵口遥大投手が、再び「必要とされる」場所を見つけ、あの力強い投球をマウンドで披露する姿を、多くのファンは心待ちにしているはずだ。