日本電子材料(6855)株価急落の深層:利益下方修正とマクロリスク直撃でNISA組も動揺
ニュース要約: 半導体検査部品大手、日本電子材料(6855)の株価が急落。直近の決算で示された利益下方修正と、世界的なマクロリスク(米中経済の不透明感、高金利)が重なり、市場が収益性の鈍化に強く反応した。短期的には不安定だが、長期視点では割安感も出始めており、NISA投資家にとって成長株リスクを再認識させる事例となった。
利益下方修正とマクロリスクが直撃:日本電子材料(6855)株価急落の深層
半導体検査装置部品大手、4510円から急落 利益成長鈍化に市場警戒
【東京 2025年11月22日 記者:佐藤】
半導体検査用部品大手、日本電子材料(株)(証券コード:6855)の株価が急落し、市場に動揺が広がっている。同社株は11月4日の年初来高値4,510円を記録した後、調整局面に入り、特に21日には前日比で約9.7%の大幅な暴落を記録、終値は3,350円となった。この急激な調整の背景には、直近の決算で示された利益下方修正と、世界的なマクロ経済の不透明感がある。半導体市場の在庫調整が終盤を迎える中、投資家は売上高の成長よりも「利益の質」を厳しく見極める姿勢を強めており、日本電子材料(株) 株価の動向は、今後の半導体関連stocks全体の先行指標として注目される。
暴落要因(1):売上増も利益成長にブレーキ
6855の業績は、主力であるメモリー向けプローブカードの拡販が奏功し、2026年3月期第2四半期決算(中間期)では売上高は前年同期比で約25%増と好調を維持している。通期売上高予想も265億円(前期比11.2%増)と上方修正された。
しかし、市場が強く反応したのは、利益面の見通しだ。通期予想において、営業利益や純利益は改善傾向にあるものの、経常利益は前期比で減益予想となっており、利益成長の鈍化が懸念されている。
ある証券アナリストは「市場は売上高の拡大よりも、収益性の鈍化リスクに敏感に反応した。半導体市場が価格競争に晒される中、高付加価値製品に強みを持つ同社といえども、利益率維持の難しさが意識された」と指摘する。
加えて、一部機関投資家による株式保有比率の減少も売り圧力を強めた要因とみられる。
暴落要因(2):米中経済と高金利の重圧
**日本電子材料(株)**の事業は、世界の半導体製造サプライチェーンに深く組み込まれており、マクロ経済リスクの影響を避けられない。
現在の市場環境は、米国における高金利水準の継続、インフレ圧力、そして米国の通商政策が自動車産業を含む広範な産業に及ぼす影響、さらに中国経済の先行き不透明感といった複数の不確実性に覆われている。これらの複合的なリスク要因が、企業の設備投資意欲を抑制し、結果的に半導体検査装置・部品への需要回復を鈍らせるという懸念が、株価急落の背景にある。
2025年後半には半導体需要の本格回復が期待されていたものの、在庫調整の長期化と地政学的リスクの増大が、投資家のリスク回避姿勢を強めている。
週末の株価振り返りと来週の株価見通し
週末の株価振り返りを見ると、11月第3週は半導体セクター全体が調整局面に入ったが、6855は特に大きな下落幅となった。信用買残は依然として38万株台と高水準であり、調整局面ではさらなる売り圧力がかかる可能性が指摘される。
来週の株価見通しについては、市場は利益下方修正の影響を織り込みつつも、世界経済の不透明感が継続するため、不安定な展開が予想される。
市場関係者の間では、同社の理論株価(PBR基準)が3,435円前後と試算されており、21日の終値3,350円は、この水準を下回る割安感が出始めている。来週は3,300円台が重要なサポートラインとして機能するかどうかが焦点となる。また、同業他社の決算発表が集中する時期であり、半導体セクター全体の動向を注視する必要がある。
NISA投資家が直面する成長株の調整
日本電子材料(株)は、高い成長期待からNISA(少額投資非課税制度)枠を活用した個人投資家にも人気の高い中小型成長株である。今回の急落は、NISA投資家にとって、成長株投資のリスクを再認識させる事例となった。
長期投資を前提とするNISA投資家にとって、短期的な暴落は「パニック売り」を誘発しやすいが、冷静な分析が必要とされる。同社の財務体質は自己資本比率30%以上と安定しており、長期的な半導体需要の回復、特にAIや自動車向け高精度検査部品の需要拡大が見込まれれば、業績・株価ともに回復する余地は十分にある。
短期的には市場の需給とマクロリスクが重しとなるが、中長期的な視点では、現在の3,300円台はバリュー投資として魅力的な水準にあるとの見方も出ている。NISA枠を活用した分散投資や、ドルコスト平均法による積立投資の有効性が改めて問われる局面と言えるだろう。
投資判断を下す際には、今後の決算修正の有無や、米中経済の緊張緩和、世界的な金利動向など、マクロ環境の変化を継続的に注視することが不可欠である。