【巨人】V奪回へ!左右リリーフ強化戦略:板東湧梧&北浦竜次を獲得
ニュース要約: 巨人はV奪回に向けたリリーフ強化の「第一弾」として、板東湧梧投手(育成契約)と北浦竜次投手(支配下契約)の獲得を発表した。左腕の北浦には即戦力、実績十分の右腕・板東には育成からの早期支配下を期待。左右のスペシャリスト獲得で、ブルペン再建を図る。
ジャイアンツ、V奪回への「再起」補強:板東湧梧と北浦竜次が示す左右のリリーフ強化戦略
2025年11月14日、読売ジャイアンツは来季に向けた戦力強化の「第一弾」として、日本ハムから自由契約となっていた北浦竜次投手(25)と、ソフトバンクから戦力外通告を受けていた板東湧梧投手(29)の獲得を正式に発表した。
阿部慎之助監督が就任2年目となる来季、2年ぶりのリーグ優勝、そして14年ぶりの日本一を目指す上で、リリーフ陣の整備は喫緊の課題とされてきた。今回の両投手の獲得は、その課題解決に向けた明確なメッセージと言えるだろう。特に注目すべきは、両投手の契約形態の違いと、そこに込められたチームの戦略である。
左右のスペシャリスト:異なる契約が示す期待値
今回獲得された両投手のうち、左腕の北浦投手は支配下選手契約(背番号56)での入団となった。一方、右腕の板東投手は育成選手契約(背番号050)での再出発となる。
北浦投手は、2017年ドラフト5位で日本ハムに入団した左腕だ。プロ通算では実績こそ少ないものの、直近の2024年シーズンは12試合に登板し、4ホールドを記録。さらに今季(2025年)のイースタン・リーグでは中継ぎとして防御率2.89と安定感を見せている。巨人が補強ポイントとしていた「左のリリーバー」として、即戦力での活躍を期待されているのは明らかだ。推定年俸850万円という数字も、支配下契約としての期待の大きさを物語る。
対照的に、板東投手は、ソフトバンク時代に通算114試合に登板、10勝11敗、防御率2.91という確かな実績を持つ右腕である。特に2025年シーズンは、ファームで10勝を挙げるなど、安定した投球内容で防御率2.48を記録。即戦力としての力は十分に残っている。それにもかかわらず育成契約となった背景には、過去の怪我やコンディション面での評価が含まれている可能性もある。しかし、この実績を持つ投手が育成契約からスタートするという事実は、彼が早期に支配下登録を勝ち取り、一軍の戦力となることへの強い期待、あるいは「ハングリー精神」を再燃させるための戦略とも解釈できる。
再起をかける両投手のオフの取り組み
現役続行に強い意志を示す両投手は、来季に向けた自主トレで明確な目標を設定している。
板東投手は、育成契約という立場をバネに「1軍定着」を最大の目標とする。ソフトバンク時代、中継ぎや先発として柔軟に対応してきた経験を活かし、再び一軍で安定した投球を見せることが求められる。自主トレでは、近年課題とされた球速の安定化と制球力の向上、そして長期的な登板に耐えうる持久力の強化に重点を置く見込みだ。
一方、支配下契約で入団した北浦投手は、巨人での「1軍初登板」と「プロ初勝利」が最優先目標となる。彼に期待されているのは、左腕としての貴重な役割、すなわち左打者へのワンポイント、あるいはイニングを跨ぐセットアッパーとしての活躍だ。自主トレでは、左投手特有のリリースの安定化と、変化球の精度向上に注力し、阿部監督にアピールできる状態を作り上げることが鍵となる。
巨人のリリーフ戦略の成否を握る二人
今回の補強は、実績のある右腕(板東)を育成枠から這い上がらせることで競争意識を高め、一方、将来性のある左腕(北浦)を支配下枠で即座に起用できる体制を整えるという、緻密な戦略が見て取れる。
北浦投手が左のリリーフとして定着し、板東投手が早期に支配下登録を果たして一軍の戦力に加えられるならば、巨人のブルペンは一気に厚みを増すことになるだろう。
両投手は、2026年1月上旬から始まる巨人の新人合同自主トレに参加する予定であり、彼らの「再起」が巨人のV奪回への大きな鍵となることは間違いない。ファンとしては、実績十分の板東、そして伸びしろ十分の北浦が、新たな環境でどのような輝きを放つのか、期待が高まるばかりだ。2026年シーズン、彼らの投球が東京ドームを熱狂させることを心待ちにしたい。