長野駅の「今」:185億円再開発と粉雪に沸く冬の経済圏
ニュース要約: 2025年冬の長野県は、良質な雪に恵まれたスキー観光が好調。一方、交通の要衝である長野駅前では総事業費約185億円の大規模再開発が本格始動し、街の未来像を描く。しかし、強い寒波による大雪・路面凍結のリスクが高まっており、県は冬季移動の安全対策徹底を呼びかけている。
躍動するターミナル、長野駅の「今」:再開発と雪の恵みが織りなす冬の経済圏
(2025年12月9日、長野発)
2025年冬、長野県は観光シーズンと大規模な都市機能更新が同時に進行する、活発な局面を迎えている。県内各地のスキー場が良質な雪質に恵まれ順次オープンする一方、交通の要衝である長野駅周辺では、中心市街地の未来を担う再開発プロジェクトが本格始動。しかし、季節の変わり目特有の強い寒波の襲来は、交通インフラと安全対策に厳重な警戒を促している。
乾雪・粉雪に沸くスキー場、長野駅は観光の玄関口
長野県の冬の観光経済を牽引するスキー場は、12月初旬から順調に営業を開始している。白馬八方尾根(積雪72cm)、つがいけマウンテンリゾート(積雪86cm)、志賀高原焼額山(積雪50cm)など、主要なリゾート地は総じて「乾雪」や「粉雪」といった良好なコンディションを保ち、滑走可能なコースが拡大。県内全体で積雪量は40cmから86cmに達しており、国内外からのスキーヤーやスノーボーダーの誘致に弾みがついている。
特に長野駅は、北陸新幹線や在来線、高速バスネットワークの結節点として、各スキー場へのアクセスを担う重要なハブ機能を果たしている。この冬季の好調な滑り出しは、地域経済に大きな波及効果をもたらすことが期待される。ただし、年末年始(12月29日から1月3日頃)は例年通り激しい混雑が予想されており、スキー場側は早めの予約や分散利用を呼びかけている。
185億円プロジェクト始動、長野駅前再開発の課題
観光の賑わいと並行して、長野駅前では長野市の将来像を左右する大規模な都市再生事業が動き出している。「長野駅前B-1地区第一種市街地再開発事業」は、総事業費約185億円を投じ、2025年度に既存建物の解体に着手、2029年度の完成を目指す。
このプロジェクトでは、老朽化した建物を一新し、タワーマンションを核とした商業、オフィス、住宅の複合施設を建設する計画だ。長野市は、この再開発を通じて中心市街地の都市機能集積と賑わいの創出を図り、地域経済の活性化を狙う。多額の公金(国・県・市から約52.3億円)が投入されることから、市民や地権者の意見を反映させた合意形成が重要視されている。
しかし、課題も山積する。一つは景観への懸念だ。地権者間では高さを100m未満に抑える方向で調整が進められているが、歴史的な景観と最新の都市機能の調和が求められる。また、長野市が直面する人口減少や郊外流出といった構造的な問題に対し、再開発がどこまで有効な歯止めとなるか、その効果が注視されている。善光寺口周辺の「もんぜんぷら座」跡地の開発計画と合わせ、長野駅周辺の都市構造は今後大きく変貌を遂げる見込みだ。
寒波襲来と冬季移動の徹底した安全対策
一方、冬の長野県ならではの厳しい気象条件が、交通インフラに緊張感をもたらしている。2025年12月初旬から強い寒波が襲来し、県内各地で大雪警報が発令された。特に12月12日〜13日には、さらなる強い寒波の襲来が予想されており、積雪の急増や路面凍結、吹雪による視界不良が懸念されている。
JR東日本は、この冬のイベントや年末年始の需要に対応するため、2025年12月1日から2026年2月28日までの期間、北陸新幹線「かがやき」「はくたか」などで臨時列車を増発する冬期ダイヤを組んでいる。長野駅は主要な停車駅として機能するが、天候の影響によるダイヤの乱れや、年末年始の予約集中(早期予約推奨)への対応が不可欠となる。
長野県は、県民や来訪者に対し、雪道運転の安全対策を徹底するよう強く呼びかけている。スタッドレスタイヤの装着はもとより、タイヤチェーンの携行、さらに万が一の立ち往生に備えた防寒着、非常食、燃料の確認など、徹底した備えが求められている。
結び
活発なスキー観光、未来の都市像を描く長野駅前の再開発、そして厳冬期の安全確保。これら三つの要素が絡み合いながら、2025年冬の長野県はダイナミックに変化し続けている。地域経済の活性化と都市機能の強化を目指す中で、市民生活と観光客の安全をどう両立させるかが、今後の重要な焦点となる。