【速報】名鉄百貨店本店が71年の歴史に幕。名古屋駅前の「顔」が閉店、2040年へ向けた大規模再開発が加速
ニュース要約: 名古屋駅前の象徴である名鉄百貨店本店が2026年2月28日、71年の歴史に幕を閉じました。リニア開業を見据えた再開発に伴う閉店ですが、外商事業の譲渡や跡地の複合ビル建設など、百貨店モデルからの脱却と「スーパーターミナル」への変貌を目指します。慣れ親しんだナナちゃん人形と共に、名古屋の街は新たな歴史の転換点を迎えました。
【経済リポート】名鉄百貨店本店、71年の歴史に幕 名古屋駅前の「顔」が消える日――再開発と百貨店モデルの終焉
【名古屋】2026年2月28日、名古屋駅前の象徴として親しまれてきた名鉄百貨店本店が、ついにその長い歴史に幕を下ろした。1954年の開業以来、71年間にわたり中部圏の商業を牽引してきた同店の閉店は、単なる一店舗の終了に留まらず、名古屋駅周辺の大規模再開発と、時代の転換点を象徴する出来事となった。
営業最終日、惜別の声溢れる「ナナちゃん」の前で
営業終了当日となった28日、名鉄百貨店周辺には多くの買い物客が詰めかけた。昨年11月から始まった「71年分の感謝祭」の締めくくりとなる「閉店売り尽くしセール」は、2月4日から最終日まで熱気を帯び、食品フロアや宝飾品売り場には名残を惜しむ市民の列が絶えなかった。
同店のシンボルであり、名古屋の待ち合わせ場所の定番である巨大マネキン「ナナちゃん人形」の前では、多くの人々が記念撮影に興じていた。長年、百貨店を利用してきた一宮市在住の70代女性は、「一宮店が2024年に閉店し、今日ついに本店までなくなってしまうのは本当に寂しい。名鉄百貨店は私たちの世代にとって、ハレの日の象徴だった」と、涙ながらに語った。
閉店の背景と加速する構造改革
名鉄百貨店 閉店の直接的な要因は、リニア中央新幹線開業を見据えた名古屋駅地区の再開発計画だが、その背景には百貨店業界が直面する厳しい経営環境がある。
かつて百貨店は「街の顔」として君臨していたが、近年はインターネット通販の台頭や、近隣の大型商業施設(イオンモール等)との競合激化により、その優位性が揺らいでいた。特に2024年1月に閉店した名鉄百貨店一宮店においては、売上低迷に加え、建物の老朽化が決定打となった。一宮店の跡地は現在、テナントビル「イチ*ビル」として再生され、百貨店から賃貸不動産事業へとモデルチェンジを果たしている。
本店においても、店舗営業としての形態は幕を閉じるが、名鉄グループは「百貨店」という枠組みを超えた生存戦略を模索している。外商事業は名鉄生活創研へ、建装事業は名鉄協商へそれぞれ譲渡され、これまで培ってきた顧客資産とノウハウの維持を図る構えだ。
「名鉄名古屋」の機能維持と今後の展望
閉店後の2026年3月1日からは、駅周辺の地下動線が大きく変更される。名鉄名古屋駅から地下鉄やJR、近鉄線への乗り換えルートは維持されるものの、メンズ館地下の通路閉鎖や周辺店舗の整理が行われる。名鉄グループは、建物の解体工事着手までの間、地下および低層階において暫定的な商業施設の運営を予定しており、駅利用者の利便性確保に努めるとしている。
再開発計画によれば、この地には2033年度に第1期竣工、2040年代前半には第2期竣工を目指す高層ビルが建設される予定だ。かつての百貨店一辺倒のビジネスモデルから脱却し、オフィス、ホテル、商業機能が高度に融合した「スーパーターミナル」へと変貌を遂げる。
記者の目:地方百貨店の終焉と「駅前空間」の再定義
名鉄百貨店の閉店は、日本の地方都市やターミナルにおける「鉄道会社系百貨店」の役割が終わりを迎えたことを示唆している。一宮店の「イチ*ビル」への転換事例が示す通り、今後は「モノを売る場所」から「サービスや体験を供給する拠点」へのシフトが加速するだろう。
71年分の感謝を掲げて幕を閉じた名鉄百貨店。その跡地にそびえ立つ新たなランドマークが、再び名古屋の誇りとなる日はいつになるのか。名鉄名古屋駅の地下動線が整理され、新しい街の形が見え始める明日から、この街の新しい歴史が始まる。
(経済部・名駅取材班)
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