【天皇杯】町田ゼルビア、J1昇格元年に初の決勝進出!歴史的快挙で初タイトルへ王手
ニュース要約: 2025年11月16日、天皇杯準決勝でFC町田ゼルビアがFC東京を2-0で破り、クラブ史上初の決勝進出を達成した。J1昇格元年にしてこの歴史的快挙は、「小さなクラブ」の夢を体現。延長戦の死闘を黒田イズムで制し、悲願の初タイトル獲得へ王手をかけた。決勝は11月22日、ヴィッセル神戸と激突する。
【天皇杯深度】「小さなクラブ」の歴史的転換点:町田ゼルビア、J1昇格元年に掴んだ悲願の初決勝進出
2025年11月16日、サッカー天皇杯 JFA 第105回全日本サッカー選手権大会準決勝が行われ、J1昇格元年であるFC町田ゼルビアが、激戦の末にFC東京を2-0で破り、クラブ史上初の決勝進出という歴史的快挙を成し遂げた。この勝利は、単なる一勝に留まらず、地域密着を掲げ地道に歩んできた「小さなクラブ」が、日本のトップシーンでその存在感を決定づけた瞬間として、多くのサッカーファンに感動を与えている。
延長戦の死闘を制した「黒田イズム」
準決勝の舞台は国立競技場。FC東京との「東京ダービー」として注目を集めた一戦は、互いに堅い守備で譲らず、90分間スコアレスのまま延長戦へと突入した。リーグ戦では直近で敗北を喫していた町田だったが、この準決勝では、延長戦で驚異的な集中力と決定力を発揮した。
均衡を破ったのは、延長前半103分、MF林幸多郎の鮮やかなループシュートだった。6月以来の公式戦出場ながら、絶妙なタイミングで飛び出し、DFのプレッシャーを受けながらも冷静にゴールネットを揺らした一撃は、まさに試合の流れを一気に町田に引き寄せた。
さらに延長後半109分、左サイドを突破した相馬勇紀のヒールパスをFWオ・セフンが冷静に流し込み、決定的な2点目を奪取。この失点を機にFC東京は崩れ、町田はそのままクリーンシートで試合を締めくくった。
特筆すべきは、町田の堅守だ。DF望月ヘンリー海輝を中心とした守備陣は、FC東京の攻撃を徹底的に封じ込み、90分を通じて相手に決定的なチャンスを与えなかった。黒田剛監督が徹底してきた「フィジカルと集中力」が、延長戦という極限状態で結実した形と言えるだろう。
J1昇格元年の「偉業」が持つ意味
FC町田ゼルビアにとって、2025年シーズンはJ1昇格元年。にもかかわらず、リーグ戦で好成績を収めるだけでなく、ルヴァンカップ、そして天皇杯の「3大タイトル」すべてで優勝争いに加わるという、驚異的な躍進を見せている。天皇杯決勝進出は、クラブ創設以来初の快挙であり、これは「悲願の初タイトル」に王手をかけたことを意味する。
町田の快進撃は、単なる戦術の成功だけでなく、地域との一体感の賜物でもある。長年、地域密着型クラブとして歩んできたゼルビアは、今回の決勝進出によって、地元・町田市にこれ以上ないほどの歓喜と期待をもたらした。まさに「小さなクラブの大きな夢」が、国立競技場という大舞台で実現しようとしているのだ。
決勝の相手は王者ヴィッセル神戸
運命の決勝戦は、11月22日(土)14:00、再び国立競技場で行われる。相手は、準決勝で快勝し、2年連続3度目の優勝を狙う強豪、ヴィッセル神戸だ。
経験豊富なイニエスタ擁する2024年王者・神戸に対し、町田はチャレンジャーとして挑むことになる。町田の勢いと、神戸の勝負強さが激突するこの一戦は、予想が難しい。町田としては、準決勝で決勝点に絡んだ相馬勇紀の突破力や、精神的支柱としてチームを引っ張る長友佑都(準決勝での出場機会は少なかったが、チームの象徴として欠かせない存在)の存在感が重要となるだろう。
チケットは既に販売されており、国立競技場での注目のダービーを経て、決勝への期待感は最高潮に達している。この歴史的な一戦は、NHK総合やDAZNなどで生中継される予定であり、全国のサッカーファンが固唾をのんで見守ることになる。
J1昇格元年に初タイトル獲得という、サッカー界の歴史を塗り替える可能性を秘めたFC町田ゼルビア。彼らが11月22日、国立のピッチで歓喜の瞬間を迎え、地域にトロフィーを持ち帰ることができるのか、その結末に大きな注目が集まっている。