上井邦浩が激闘のダンロップフェニックス制覇!宮崎経済に4億円超の波及効果
ニュース要約: 「ダンロップフェニックストーナメント」で上井邦浩が通算2アンダーで激戦を制し優勝を果たした。松山英樹やニック・ダンラップら世界トップ選手が参戦し、青木功氏監修の新コースでドラマを展開。この伝統大会は、地域経済に約4億円超の観光収入をもたらし、スポーツ振興と地域活性化に大きく貢献した。
上井邦浩が激戦制す ダンロップフェニックストーナメント、地域経済にも大きな波及効果
宮崎発 国内男子ゴルフツアー屈指のビッグイベント「ダンロップフェニックストーナメント」が11月20日から23日まで、宮崎県のフェニックスカントリークラブで開催された。賞金総額2億円、優勝賞金4000万円という国内最高峰の舞台で、上井邦浩が通算2アンダーで優勝を飾った。1974年の第1回大会から続く伝統の大会は、今年も多くのゴルフファンを魅了し、宮崎県の観光経済にも大きな効果をもたらした。
接戦の最終日、上井が栄冠つかむ
最終日、上井邦浩は1アンダー・単独首位でスタート。イーブンパー・2位タイには、吉田泰基、石川遼、生源寺龍憲らが続き、一打の重みが増す緊張感あふれる展開となった。序盤から安定したプレーを続けた上井は、中盤以降もミスを最小限に抑え首位をキープ。追う吉田と石川はバーディチャンスを掴みながらも決定的な一打が届かず、差を縮めることができなかった。
最終ホールで上井がバーディパットを沈めると、ギャラリーから大きな歓声が上がった。優勝副賞として贈られた宮崎県知事賞の宮崎牛とともに、上井は感慨深げに優勝カップを掲げた。大会全日程はGAORA SPORTSとMBS発JNN24局ネットで生中継され、全国のゴルフファンが最終日のドラマをリアルタイムで楽しんだ。
世界トップレベルの84名が参戦
今大会には、海外招待選手5名を含む84名が参戦した。2021年マスターズ王者でパリ五輪銅メダリストの松山英樹が3年連続11回目の出場を果たし、11年ぶり2度目の優勝を目指した。昨年、大会新記録となる通算22アンダーで初優勝を飾った米国のマックス・マクグリービーも連覇に挑んだ。
米国下部ツアーで2勝を挙げ来季PGAツアー昇格を決めたニール・シプリー、2024年1月にPGAツアーで33年ぶりのアマチュア優勝を飾った21歳のニック・ダンラップら、世界的な注目を集める若手も招待された。日本勢では、賞金ランキング1位の生源寺龍憲、日本ゴルフツアー選手権で史上最年少の日本タイトル三冠を達成した蟬川泰果ら、勢いのある選手たちが集結した。
青木功監修、戦略性高まるコース改良
今大会の舞台となったフェニックスカントリークラブは、青木功氏監修のもと大幅な改造が施された。全体で約75ヤード延長され、4番ホールはパー5からパー4に変更。トータルパーは70となり、距離だけでなく戦略性も大きく向上した。
海風の影響を受けるシーサイドコースの特性に加え、フェードやスライスボールの使い分け、刻む戦略と攻撃的な2オン狙いの判断など、多様な技術と判断力が求められるコース設定となった。終盤の15番パー4や17番パー3は特に難度が高く、ここでのスコアメイクがトーナメントの結果を左右した。選手たちは風の読み、ピンポジション、バンカー配置を考慮しながら、状況に応じた柔軟な攻略法を展開した。
宮崎経済に約4億円超の効果
ダンロップフェニックストーナメントは、スポーツイベントとしてだけでなく、地域経済活性化の起爆剤としても重要な役割を果たしている。大規模ゴルフトーナメントの試算によれば、直接的な経済効果は約3~5億円の観光収入が見込まれ、宿泊費、飲食費、みやげ品購入などを通じて地域に大きく貢献する。
参考事例では、直接的な経済効果が約4億2千万円、テレビや新聞などメディア露出効果が約25億円相当に上り、長期的な観光誘客効果も年間約1億5千万円と試算されている。県外からの来訪者による1人当たりの観光消費額は宿泊費9,216円、交通費5,292円など合計で約2万円近くとなり、地域経済への波及効果は大きい。
宮崎市は「スポーツランドみやざき」の推進として、プロゴルファーの合宿支援やゴルフパック商品の充実を図っており、ダンロップフェニックストーナメントは「ゴルファーなら一度は行きたい聖地」としてのブランド形成に貢献している。
伝統継承と未来への期待
1974年の開幕以来、ダンロップフェニックストーナメントは数々の名勝負を生み出してきた。1991年には青木功、セベ・バレステロスら4名の同率優勝という異例の展開もあった。今年の大会も、上井邦浩の優勝というドラマを通じて、大会の伝統と歴史を次世代へとつなげる一ページを刻んだ。スポーツの感動と地域振興を両立させる本大会の価値は、今後もますます高まっていくだろう。