【独占】前田健太、楽天入団へ最終調整 2年4億円超で低迷する投手陣の「再建の柱」に

前田健太、楽天入団へ最終調整 2年4億円超 マエケンが担う「再建の柱」 投手陣崩壊のrakutennに光明

【仙台発】 東北楽天ゴールデンイーグルスが、長年の課題であった先発投手陣の柱を確立するため、元MLB投手の前田健太（37）の獲得に向けた最終調整に入っていることが21日、複数の関係者への取材で明らかになった。rakutenn側は、日米通算165勝の実績を持つベテランに対し、2年契約で総額4億円を超える破格の好条件を提示。出来高払いを含むこの大型契約は、低迷が続くチームの再建をマエケンに託すという、球団の強い決意の表れである。

前田投手は、今年に入りSNS等を通じて日本球界での選手生活続行を明言しており、複数球団による激しい争奪戦が繰り広げられていた。しかし、楽天が提示した複数年契約と、その経験と実力に見合った高額なインセンティブを含む報酬が決め手となり、交渉は最終局面を迎えている。

深刻な投手陣の穴、マエケンは必然の補強

楽天がこれほどまでに前田投手の獲得に熱意を注ぐ背景には、2025年シーズンに露呈した投手陣の深刻な崩壊がある。昨シーズン、楽天の先発防御率はリーグ最下位の3.72に沈み、規定投球回に到達した投手、さらには二桁勝利を達成した投手もゼロという、未曽有の危機的状況に直面した。

エース級の離脱や不振が相次ぎ、若手投手陣の台頭も遅れる中、中継ぎ陣に過度な負担がかかる悪循環がチーム全体の低迷を招いていた。2013年以来遠ざかっているリーグ優勝を再び目指すためには、まず先発ローテーションの安定化が喫緊の課題だった。

球団幹部は「単なる戦力補強ではない。我々には、若手を引っ張り、精神的な支柱となり得る経験豊富なリーダーが必要だ」と語る。前田健太投手に期待されるのは、ただ勝利数を稼ぐ「イニングイーター」としての役割だけではない。メジャーリーグで培ったプロ意識と、沢村賞2回、最多勝2回など、NPB時代に築いた確固たる実績は、低迷する楽天イーグルスのブランド価値向上と、チーム全体の士気向上に直結すると見られている。

争奪戦を制した楽天の戦略

前田投手の獲得競争は熾烈を極め、特に読売巨人軍などが獲得に動いていたと報じられている。そうした中で楽天が優位に立てたのは、その交渉戦略にあった。

関係者によれば、巨人が1年契約提示に留まったのに対し、楽天は37歳という年齢を考慮しつつも、2年という複数年契約で安定性を提供。さらに、彼のコンディション維持と活躍を促す高額な出来高払いを組み込むことで、条件面での誠意を最大限に示した。

前田投手はメジャーで9年間プレーし、2025年はマイナー契約ながらもコンディションに自信を深めて帰国した経緯がある。楽天側は、単に高額な報酬を提示するだけでなく、「2026年シーズンこそ優勝を狙う」というチームのビジョンと、その中心にマエケンを据えたいという熱意を直接伝え、信頼関係を構築したことが、最終的な決断を後押ししたと分析される。

再建への期待と残された課題

前田健太投手が先発ローテーションの筆頭に加わることで、2026年シーズンの楽天投手陣は劇的な変化が予想される。リーグ最下位だった先発防御率は大幅に改善し、エースの存在によって若手投手も高いレベルでの競争と成長を強いられることになるだろう。特に、則本昂大投手が抜けた後の絶対的な柱として、チームを牽引することが期待される。

しかし、彼の加入をもってすべての課題が解決するわけではない。長期的視点に立てば、前田投手の指導を受けながら、若手投手がどれだけ早く独り立ちできるかが重要となる。また、前田投手の経験を最大限に活かすためには、バッテリーを組む捕手陣の強化や、得点力を支える中軸打者の補強も引き続き必要だ。

rakutennにとって、マエケン獲得は「黄金期」再建に向けた重要な第一歩である。日米のトップレベルを知る稀代の右腕が、杜の都の野球にどのような化学変化をもたらすのか。今後の正式発表と、来シーズンに向けたチームの動きに、全国の野球ファン、そして東北の熱狂的なファンは熱い視線を送っている。