免疫生物研究所(4570)が株価爆騰の衝撃:営業利益100%超急成長と米国特許取得の真実
ニュース要約: 東証グロース上場の免疫生物研究所(4570)が、中間決算で営業利益109%増を達成し、株価が連日ストップ高を記録。安定的な黒字化と急成長に加え、抗HIV抗体に関する米国特許取得が評価され、「小型バイオ×成長」の希少性から市場の熱狂を呼んでいる。
バイオベンチャー「免疫生物研究所」(4570)株価に「爆騰」の衝撃:営業利益100%超の急成長と米国特許取得で市場が熱狂
2025年11月、東証グロース市場に上場するバイオベンチャー、株式会社免疫生物研究所(4570)の株価が市場の耳目を集める異例の急騰を見せている。11月中旬以降、連日のストップ高を記録し、18日には年初来高値となる1,001円を達成した。これは、従来の小型バイオ株のイメージを覆す勢いであり、背景には、**「黒字化達成」「驚異的な成長率」「将来性を担保する新規特許」**という複数の強力なポジティブ材料が重なっていることが判明した。
日本のバイオセクターは、先行投資に伴う赤字が常態化しがちだが、同社は安定的な収益基盤を確立しつつ、成長を加速させるという、市場で極めて希少な存在へと変貌を遂げている。
営業利益が「倍増」した中間決算の衝撃
今回の株価暴騰の最大の起爆剤となったのは、11月13日に発表された2026年3月期中間決算だ。
発表された決算内容は、市場の予想を大きく上回る強烈な成長性を示した。売上高は前年同期比9.3%増の4.85億円にとどまったのに対し、営業利益は1.42億円と、前年同期比で109.0%増という驚異的な伸びを記録した。経常利益も133%増と、収益性が大幅に改善している。
この好調の主因は、同社のコア事業である抗体関連事業の本格化にある。退職に伴う保険解約返戻金などの一時的なプラス要因も寄与したものの、主力製品である医療研究用検査キット「ELISAキット」の需要拡大が持続的な成長を牽引している。
市場は、この「安定的な黒字化」と「急激な利益成長」という二つの要素が揃った点を高く評価。「小型バイオ×黒字×成長」という希少性に注目した投資家の強い買いが集中した結果、株価は一気に水準を切り上げた形だ。
成長を担保する「米国特許」と「海外市場」
好決算に加え、同社の将来性を担保する新たな材料が投下されたことも、株価を押し上げる強力な追い風となっている。
一つは、2025年11月に取得が公表された「抗HIV抗体及びその製造方法」に関する米国特許だ。抗体医薬分野における技術力の高さが改めて国際的に評価されたことで、今後の新薬開発への期待や、大手製薬会社との提携交渉への思惑が一気に高まった。バイオセクターにおいて、特許取得は将来の収益源を確保する上で極めて重要な要素であり、投資家の期待値を高めるには十分すぎる材料だったと言える。
さらに、成長のもう一つのエンジンとなっているのが、積極的な海外展開だ。同社の看板商品であるELISAキットは、特にアメリカ市場で急成長しており、2025年3月期には前年比33%増の売上を達成。診断試薬サービスの売上の約49%を海外市場が占めるまでに成長している。デジタルマーケティングを活用した情報戦略が奏功し、海外のCRO企業などからのバルク注文が増加していることも、安定的な収益拡大に寄与している。
アルツハイマー病テーマと「テンバガー」への期待
免疫生物研究所が持つ抗体技術は、がんや免疫疾患だけでなく、市場で最も関心の高いテーマの一つであるアルツハイマー病関連の研究・診断ニーズにも応用可能とみられている。このため、同社株は「テーマ株」としての性質も帯びており、関連分野への連想買いを呼び込んでいる。
連日のストップ高を受け、投資家掲示板やSNSでは「テンバガー(10倍株)候補」として注目が集まり、11月18日には出来高も400万株超と急増。流動性の高まりとともに、市場参加者の熱狂はピークに達している。
今後の展望と投資リスク
中長期的な視点に立てば、今回の好材料は同社の成長ステージが一段上がったことを示唆しており、2026年3月期も増収増益の継続が予想される。海外市場のさらなる拡大や、特許技術を活かしたライセンス事業の進展は、株価上昇の強力な追い風となるだろう。
しかし、株価が短期間で急騰したため、市場では短期的な過熱感が指摘されているのも事実だ。バイオ株特有の臨床試験の失敗リスクに加え、期待先行による急激な調整や、利益確定売りの圧力も高まっている。
投資家にとっては、同社の確かな技術力と安定した収益基盤を評価しつつも、短期的な値動きの激しさを考慮に入れた、冷静な投資判断が求められる局面だ。日本のバイオベンチャーが世界市場で存在感を高める中、免疫生物研究所の今後の動向から目が離せない。