【F1】角田裕毅、正念場の2026年シート争い：新日程と早期開催の日本GP

ニュース要約: F1ドライバー角田裕毅選手は、2026年シーズンのシート確保が極めて厳しい状況に直面している。レッドブル本隊での評価が難航し、限られた選択肢の中で若手らと競争中だ。また、2026年F1日程が発表され、日本GPは例年より早い3月に開催されることが決定。角田選手のキャリアを左右する正念場となる。

岐路に立つ角田裕毅、2026年F1シート争いの行方と新シーズン日程の全貌

【ロンドン・ドーハ・鈴鹿発】 モータースポーツの最高峰、F1において、日本人ドライバー角田裕毅選手（レッドブル・レーシング）が、キャリアの重大な岐路に立たされている。2025年シーズンは、レッドブル本隊に昇格したものの、期待されたパフォーマンスを発揮しきれず、2026年シーズンのシート確保は極めて厳しい状況にある。契約の決着は間近と見られる中、彼の去就は、来季のF1 日程を彩るグランプリの行方にも大きな影響を与える。

厳しい生存競争：レッドブル系譜内の限られた選択肢

現在、角田選手の2026年シーズンに向けた契約状況は未発表だが、情報筋によれば、レッドブルF1チームの最終判断が焦点となっている。2025年シーズン途中に本隊へ昇格した角田選手だが、現時点での評価は芳しくなく、来季のシート確保は難航。移籍市場における選択肢は極めて限定されており、レッドブル系のレーシングブルズに戻る可能性は低く、アストンマーティンなど他チームへの移籍も事実上不可能とされている。

残されたシートは、レッドブルグループ内の計3席（レーシングブルズ2席、レッドブル本隊1席）のみ。角田選手は、若手のイサック・ハジャーを含む有力候補らと共に、この限られたパイを争う状況に直面している。一部ではハースのリザーブドライバー候補として名前が浮上するなど、その立場は流動的だ。チーム内外では角田選手の残留に関して意見が分かれているものの、全体的な評価は厳しく、来季の去就は残りシーズンの結果次第で大きく左右されると見られている。

2025年シーズンの評価：安定性の向上と「カタールGP」での輝き

角田選手の2025年シーズンは、必ずしも表彰台や優勝には至らなかったが、「基盤の強化と安定性の向上」が専門家から高く評価されている。ドライバーズランキングは17位、獲得ポイントは28ポイントと振るわなかったものの、中団での有能なドライバーとしての地位を確立した。

特に注目すべきは、予選での安定感だ。ベルギーGP以降、スプリント開催を除いてほぼ全戦でQ3進出を果たすなど、コンスタントに上位進出を狙える実力を証明した。そのハイライトの一つが、シーズン終盤のカタールGPだ。ルサイル・インターナショナル・サーキットで行われたスプリント予選では、チームメイトである絶対王者マックス・フェルスタッペンをわずか0.009秒上回り、5番手を獲得する快挙を成し遂げた。これは、角田選手が持つ潜在能力と一瞬の集中力の高さを象徴する瞬間であった。

レース中の走行技術においても、終盤での順位上げを得意とする傾向が見られ、シーズンを通じて6度のポイント獲得フィニッシュを記録した。しかし、チームメイトとの比較では予選、決勝ともに敗北数が上回っており、更なるパフォーマンスの引き上げが短期的な課題として残る。