宇良、3場所連続勝ち越し達成!「戦略的相撲」と「居反り」が示す円熟の境地
ニュース要約: 西前頭3枚目の宇良が、大相撲九州場所で8勝6敗とし、3場所連続の勝ち越しを達成した。厳しい前頭上位の地位で、相手の心理を読む「戦略的相撲」と、代名詞である「居反り」などのアクロバティックな技術を融合させ、円熟した強さを見せつけた。この安定した成績により、33歳の宇良は小結復帰、さらには関脇昇進への足がかりを築いた。
宇良、円熟の3場所連続勝ち越し 九州場所で示した「戦略的相撲」と「居反り」の真価
【福岡発】 2025年11月23日、大相撲九州場所は熱戦の末、千秋楽を迎えた。西前頭3枚目の宇良(33歳、木瀬部屋)は、この日、東前頭3枚目の平戸海を寄り倒しで破り、8勝6敗の成績で今場所を終えた。名古屋場所から3場所連続となる勝ち越しを達成した宇良は、幕内上位の地位を固め、その独特な相撲スタイルが改めて相撲ファンや関係者の間で高い評価を得ている。
今場所、宇良は前頭上位という厳しい番付で、関脇・安青錦や小結・隆の勝、さらには大関経験者の高安といった強豪力士との対戦が組まれた。序盤は欧勝馬や王鵬といった若手に敗れるなどやや苦戦を強いられたものの、中盤以降は持ち前の粘り強さと戦略眼を発揮し、星を伸ばした。
特に注目されたのは、14日目に西前頭9枚目の翔猿を押し出しで破り、勝ち越しを確定させた一番だ。ABEMA大相撲中継で解説を務めた元横綱・若乃花(花田虎上氏)は、この時の宇良の相撲について、「翔猿は最後に引いたのが敗因。宇良には余裕がある。あれは誘い込んでいる形」と分析。単に身体能力に頼るだけでなく、相手の心理を読み、一瞬の隙を突く戦略的相撲が、円熟期に入った宇良の強さの秘訣として高く評価された。
「居反り」は基本の上に成り立つ 実戦的なアクロバット
宇良の相撲を語る上で欠かせないのが、そのアクロバティックな技術である。代名詞とも言える「居反り」は、後ろ向きに背中を反らす大技であり、十両以上の本場所で27年ぶりに決まった際には大きな話題となった。レスリングの経験を土台に持つ宇良の驚異的な運動能力が、この難度の高い技の成功を可能にしている。
しかし、彼の相撲が単なる「見せ技」で終わらないのは、その華麗な技術が「基本に忠実」な相撲の上に成り立っている点にある。力士としての基本的な型や攻める姿勢を崩さず、その上で土俵際での投げ技や前回しを使った寄り、そして居反りなどのアクロバティックな動きを融合させている。関係者は、彼の相撲を「相撲の伝統と革新の両面を体現している」と評しており、冷静な戦術眼と結びついた実戦的な価値が認められている。
土俵上で前方宙返り1回転を披露するなど、観客を沸かせる類稀なエンターテイナー性も持つ宇良だが、九州場所で西前頭3枚目として勝ち越しを決めた事実は、彼が幕内上位で戦い続けるための確固たる実力を有していることを証明している。
小結復帰へ視界良好 2026年1月場所の展望
33歳を迎え、力士として最も脂が乗った時期にある宇良は、今場所の安定した成績により、さらなる番付上昇が確実視されている。
2025年九州場所で前頭3枚目として8勝6敗という成績を残した結果、2026年1月場所(初場所)の番付は、概ね現状より上位となる可能性が高い。過去に小結の地位を経験している宇良にとって、今回の勝ち越しは小結復帰、さらには関脇昇進への足がかりとなる。競合力士の動向にもよるが、初場所では前頭上位または小結近辺への昇進が現実的な予測となっている。
宇良本人は、華麗な技への注目が集まる一方で、常に「一つでも上を目指す」という姿勢を崩していない。彼の戦略的相撲とアクロバティックな技術が、今後、上位陣をどこまで脅かすことができるのか。2026年1月場所は、相撲ファンにとって、宇良のさらなる躍進を期待させる場所となるだろう。彼の独特な存在感は、大相撲の土俵を常に盛り上げ続ける魅力的な武器であり続ける。