演技派女優・瀬戸さおり、試練を越え『父と暮せば』で確固たる評価—2026年ケムリ研究室への挑戦
ニュース要約: 演技派女優・瀬戸さおりは、2025年に戦後80年公演『父と暮せば』でヒロインを熱演し、演技力を確立した。私生活での試練にもプロとして対応し、映像作品でも活躍。2026年にはケラリーノ・サンドロヴィッチ氏主宰の「ケムリ研究室no.5」への参加が決定しており、表現者としての新たな挑戦に注目が集まる。
演技派女優 瀬戸さおり、公私を超えた「表現者」の道——戦後80年『父と暮せば』、2026年ケムリ研究室への挑戦
【東京発】
モデルから女優へと華麗な転身を遂げた瀬戸さおり(37)が、近年、舞台を中心にその存在感を一層強めている。2025年は戦後80年の節目に上演されたこまつ座の名作『父と暮せば』でヒロインを演じきり、観客に強い感動を与えた。私生活では夫であるお笑い芸人・斉藤慎二氏(ジャングルポケット)の報道対応に追われるなど試練もあったが、プロの表現者として挑戦を続ける瀬戸さおりの現在地と、2026年に控えるケラリーノ・サンドロヴィッチ氏主宰のユニット公演への期待を探る。(文化部 演劇担当記者)
I. 舞台活動の深化と演技派としての評価
2025年の瀬戸さおりの活動は、井上ひさし作、鵜山仁演出によるこまつ座第154回公演『父と暮せば』が大きな柱となった。松角洋平と共演した本作は、広島の原爆投下から3年後の父娘の物語を、戦後80年という歴史的な節目に再演する意義深いものであった。瀬戸は、複雑な心情を抱える娘・美津江を繊細かつ力強く演じきり、演劇界における演技派女優としての評価を不動のものとしている。
東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAでの公演後も、地方公演を精力的に展開。特に2025年11月には、沖縄(那覇、宮古島)にて朗読版の特別公演を敢行した。平和への願いを込めたこの名作を、戦時下の記憶が色濃く残る沖縄で披露したことは、俳優としての社会的な責任感と、作品に対する深い理解を示すものだ。
瀬戸さおりはこれまでも演出家・栗山民也氏の作品に多く出演するなど、硬派なテーマに取り組む姿勢が目立っている。彼女の演技の基盤は、元『non-no』専属モデル(SAORI名義)として培った身体表現の美しさに裏打ちされており、小劇場から大規模な劇場まで幅広い役柄をこなす柔軟性を持つ。
II. モデルから女優へ、多才なキャリアの軌跡
瀬戸さおりは、元々美容師の国家資格を保有するという異色の経歴を持つ。2011年にファッション誌の専属モデルとしてデビューし、表現者としての土台を築いた。女優業への転身は2013年。俳優である兄、瀬戸康史氏の後押しもあり、2014年からは本名の瀬戸さおりとして女優業に専念し始めた。
デビュー以来、彼女は着実にキャリアを積み重ね、2018年には映画『愛の病』で初主演を飾った。近年では映像分野での活躍も目覚ましく、2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』への出演や、2025年のWOWOW「連続ドラマW 夜の道標 -ある容疑者を巡る記録-」、テレビ東京『笑ヴせぇるすまん』など、話題作への出演が続いている。特にNHK『ワタシってサバサバしてるから2』での藤森カオリ役など、コメディからシリアスまでこなす多彩な演技力は、低身長ながらも豊かな表現力を持つ彼女の大きな強みとなっている。
趣味の音楽鑑賞、ヨガ、特技のバスケットボールなど、多方面にわたる活動が、女優としての表現の幅を広げる糧となっていると言えるだろう。
III. 私生活の試練とプロフェッショナルな対応
女優として順調にキャリアを積み重ねる一方で、私生活では試練も経験した。2024年10月には夫である斉藤慎二氏が書類送検されるという報道があり、瀬戸さおり自身もインスタグラムを通じて一部報道の事実関係の相違について対応を迫られる事態となった。
しかし、彼女はこうした状況下にあっても、プロの表現者としての活動を止めることはなかった。夫が2025年4月から群馬県高崎市でバームクーヘン事業「バームSAITOU」を展開するという動きを見せる中、瀬戸さおりは舞台稽古やドラマ撮影に集中し、公私を明確に分けた活動を継続。この高いプロ意識が、彼女が演劇界で信頼を得ている大きな要因となっている。
IV. 2026年への新たな展望:ケムリ研究室への参画
瀬戸さおりの舞台への情熱は尽きることがない。2026年3月には、演劇界の鬼才ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏と緒川たまき氏によるユニット「ケムリ研究室no.5」への出演が決定した。東京・シアタートラムでの公演(2026年3月29日~4月19日)を皮切りに、各地での巡演も計画されている。
KERA作品は、独特の世界観と実験的な要素を持つことで知られており、この参画は、瀬戸さおりが持つ多彩な表現力が演劇界で高く評価されている証拠と言える。モデルとしての美しさ、そして女優としての深い洞察力を兼ね備えた彼女の今後の活躍は、日本の演劇界における大きな注目点となっている。2026年、新たな舞台でどのような化学反応を見せるのか、期待が高まる。