山陽道で連鎖的多重事故、21人負傷 東広島、高速道路の安全対策に警鐘
ニュース要約: 2025年11月23日、山陽自動車道上り線(東広島市)で1時間足らずの間に2件の多重衝突事故が相次ぎ発生し、計21人が負傷した。約4時間にわたる通行止めで交通麻痺が発生。警察は渋滞中の車間距離不保持などを主要因として究明を進めており、高速道路における多重事故のリスクと安全対策が改めて問われている。
山陽自動車道、連鎖する多重事故の衝撃:東広島で21人負傷、問われる高速道路の安全対策
【東広島】 2025年11月23日午前、広島県東広島市の山陽自動車道上り線で、わずか1時間足らずの間に2件の多重衝突事故が相次いで発生した。この連鎖的な事故により、計21人が負傷するという重大な事態となり、行楽シーズンの交通に甚大な影響を及ぼした。負傷者には5歳未満の子ども4人が含まれており、幸いにも死者は免れたものの、高速道路における多重衝突の危険性が改めて浮き彫りとなった。
警察は現在、事故の詳細な原因究明を進めているが、渋滞中の車間距離不保持や前方不注意が主要な要因として指摘されており、山陽道 事故に関する社会的な関心が高まっている。
わずか50分の間に発生した二つの惨事
最初の事故は23日午前10時30分頃、東広島市内の小谷サービスエリア付近の上り線で発生した。乗用車3台が絡む追突事故で、8人が軽傷を負った。この事故により現場付近で交通規制が敷かれ、上り線では急速に渋滞が発生し始めた。
その約50分後の午前11時20分頃、最初の事故現場から約5キロメートル離れた同市高町の最上インターチェンジ(IC)付近で、さらに大規模な多重衝突が発生した。こちらは乗用車やトラックを含む計7台が絡む玉突き事故となった。警察や消防によると、この2件目の事故で1人が重傷、5人が軽傷を負い、2件の事故による負傷者の総数は21人に上った。
負傷者は直ちに病院に搬送されたが、多くの被害者が軽傷で済んだ背景には、早期の救助活動と、車両の安全性向上があるものの、一歩間違えば大惨事となりかねない状況であった。
4時間に及ぶ大動脈の遮断
今回の山陽自動車道 事故がもたらした交通への影響は深刻であった。事故発生を受け、午前11時半頃から上り線の西条ICから高屋ジャンクション(JCT)間が全面的に通行止めとなった。
連休中の帰省や行楽で交通量が集中する時間帯に、高速道路の主要区間が約4時間にもわたり閉鎖されたことで、広範囲で交通麻痺が発生した。通行止めは午後3時半頃に解除されたが、その間、ドライバーは迂回ルートの利用を余儀なくされた。
代替ルートとして利用が集中した国道2号線(山陽本線)や周辺の一般道は、東広島市から西条市にかけて大規模な渋滞を引き起こし、物流や地域住民の生活にも影響が及んだ。NEXCO西日本はリアルタイムでの情報提供に努めたが、突発的な事故による影響の大きさを再認識させる結果となった。
繰り返される「渋滞末尾」の追突リスク
警察は、7台が絡んだ2件目の事故について、渋滞で停車または減速していた車両の列に、後続車が十分に減速せずに追突した可能性が高いと見て、事故原因の特定を急いでいる。
高速道路での多重事故の多くは、渋滞末尾での追突がきっかけとなるケースが頻繁に見られる。特に山陽道は、交通量が非常に多く、速度域が高い区間が続くため、運転者のわずかな前方不注意や車間距離の不保持が、瞬く間に大規模な玉突き事故へと発展する危険性を内包している。
専門家は、今回の事故が最初の事故による渋滞発生直後に、その渋滞末尾で発生した点に着目し、渋滞情報の伝達速度や、ドライバーが持つ危機意識の欠如が事故連鎖の遠因となった可能性を指摘する。
過去の教訓と今後の安全対策
山陽自動車道は、過去にも重大事故が頻発している区間として知られている。特に2025年3月に同路線の八本松トンネルで発生した多重衝突炎上事故は、死者も出す悲惨な結果となり、多重事故対策の強化が叫ばれていた。
今回の事故は、場所こそ異なるものの、多重衝突による被害の拡大という共通の構造的課題を改めて浮き彫りにした。過去の教訓を踏まえ、NEXCO西日本は、カーブや勾配が多い区間での視覚的な注意喚起や、リアルタイムの渋滞情報提供を強化してきた。
しかし、今回の事故は、ハード面での対策に加え、ドライバー個々人の安全意識の向上が不可欠であることを示唆している。高速道路を走行する際には、常に十分な車間距離を確保し、特に渋滞発生時には「いつ追突されてもおかしくない」という危機意識を持つことが求められる。
警察は、今回の事故の教訓を活かし、今後の交通安全対策に反映させるため、ドライブレコーダーの映像解析なども含め、徹底した原因究明を進める方針だ。(共同通信提携記事)