【卓球】混合団体W杯、日本が銅メダル確定！張本兄妹とエースペアが牽引、五輪新種目へ弾み

【卓球】混合団体ワールドカップ卓球、日本が銅メダル確定。張本兄妹、早田・戸上ペアが牽引—五輪新種目への戦略的挑戦

中国・成都で開催されている国際卓球大会「ITTF混合団体ワールドカップ卓球 2025」において、日本代表が総合成績3位に入り、銅メダルを確定させた。2028年ロサンゼルス五輪で正式種目となる「卓球混合団体」競技の試金石として注目される今大会で、日本は張本智和・張本美和の兄妹、そして早田ひな・戸上隼輔のエースペアなど、男女のトップ選手を結集した「ワンチーム」体制で臨み、世界の強豪相手に確かな実力を示した。

初戦快勝から見えた日本の総合力

卓球混合団体ワールドカップ 2025は、11月30日から12月7日にかけて開催され、男女混合で計5試合を行い、先に8ゲームを先取したチームが勝利となる特殊なルールが採用されている。この新しい団体戦形式への適応力が、勝敗を分ける重要な要素となる。

日本代表はグループ2に配置され、初戦でオーストラリアと対戦。会場が完全なアウェー環境となる中、日本は実力の差を見せつけ8対1で快勝し、順調な滑り出しを見せた。

特に、チームの勢いを決定づけたのは、最初の混合ダブルスに登場した戸上隼輔（井村屋グループ）・早田ひな（日本生命）組だ。国際大会での実績も豊富なこのペアは、相手を寄せ付けず3対0でストレート勝ちを収めた。この安定したゲーム獲得が、チーム全体の勝利戦略の基盤となった。

続く女子シングルスでは、17歳の張本美和（木下グループ）が圧巻のパフォーマンスを披露し、こちらも3対0で勝利。兄の張本智和（トヨタ自動車）も男子シングルスで確実にポイントを重ね、日本は危なげなく初戦勝利を飾った。

張本兄妹の「進化した連携」が鍵に

今大会、日本チームの戦術的な核となっているのが、張本智和・張本美和の兄妹の存在だ。彼らは、個々の高い技術力に加え、団体戦での連携プレーを高度化させており、チームの精神的支柱としての役割も担っている。

特に、五輪新種目として期待される卓球 混合団体 2025では、男女のトップ選手が一体となり、個人の力だけでなく、チーム全体の戦略や起用法が問われる。張本兄妹は、未来の日本卓球を担う世代として、その強力なコンビネーションを武器に、世界の頂点を目指す日本の挑戦を牽引している。

また、早田ひなと戸上隼輔の混合ダブルスは、日本の勝利に不可欠な「エースペア」として機能しており、彼らが安定して3ゲームを確保できるかどうかが、その後の試合展開を大きく左右する。

8ゲーム先取制への戦略的アップデート

日本が銅メダルを確定し、国際競争力を示した一方で、今後の課題も見えてきている。この卓球混合団体戦の最大の特徴は、「8ゲーム先取制」である。従来の団体戦のようにマッチの勝敗でなく、どれだけ多くのゲーム数を稼げるかが重要となるため、3-0での勝利を徹底する「ゲーム数最大化」の戦略が不可欠だ。

日本チームは、張本智和、張本美和、早田ひなに加え、伊藤美誠選手、松島輝空選手らトップ選手を揃えている。この強力な布陣を最大限に活かすためには、選手起用の柔軟性、そして試合順を戦況に応じて見極める高度なリスク管理が求められる。特に、3ゲーム制のマッチで、2-1勝利よりも3-0勝利の価値を重視した戦術的判断が、次なる大会や五輪での金メダル獲得への鍵となる。

卓球混合団体ワールドカップ 2025での経験は、日本代表にとって、2026年以降の強化、そしてロサンゼルス五輪を見据えた戦術的成熟を図るための貴重な布石となる。銅メダルを手に、日本卓球界はさらなる高みを目指し、戦略のアップデートを続けていく。