CM女王・川口春奈の2025年：『アンサンブル』で演技開花、FENDIアンバサダーで国際舞台へ

川口春奈、2025年の軌跡：CM女王から演技派への深化　国際舞台と『アンサンブル』が示す新境地

導入：多角的な活躍で「時代の顔」へ

女優・川口春奈（29）は、2025年を通じて、そのキャリアを新たなステージへと押し上げた。テレビドラマ、映画、そして国際的なファッションシーンに至るまで、その活躍は多岐にわたり、名実ともに「時代の顔」として不動の地位を築いている。特に、29社と契約を結ぶ「CM女王」としての圧倒的な経済的影響力に加え、演技力の深化が見られたことが、この一年の大きな特徴だ。

本稿では、川口春奈が主演を務めた2025年冬季ドラマ『アンサンブル』での評価と、彼女がファッションアイコンとして世界で発揮する影響力、そして今後のキャリア展望について、多角的に分析する。

演技の深層：現実主義の弁護士に挑んだ『アンサンブル』

2025年1月から日本テレビ系「土ドラ10」枠で放送された『アンサンブル』は、川口にとってキャリアの分岐点となり得る作品となった。彼女が演じたのは、恋愛トラブル専門の女性弁護士・小山瀬奈。恋愛を「コスパ・タイパが悪い」と切り捨てる現実主義者という、従来の等身大のヒロイン像とは一線を画す、複雑な役柄だ。

視聴者からは、この「現実主義者」という難しい役柄を、川口が「自然かつ等身大に演じている」と高い評価を得た。特に、過去の代表作『silent』で魅せた繊細な表現力と比較され、「しっかり者なのにどこか寂しげな雰囲気がぴったり」という声が多数寄せられた。放送当初は視聴率に関する一部報道もあったものの、ドラマ自体が持つ切ない恋物語と、恋愛トラブルという共感性の高いテーマが相まって、結果的に視聴者の支持を広げた。

『アンサンブル』での挑戦は、彼女が「無難な女優」の枠を超え、「演技派」としてキャリアをシフトさせる可能性を示唆している。現実と理想の間で揺れる弁護士というプロフェッショナルな役柄をこなしたことは、今後の映像作品における役柄の幅を大きく広げるだろう。

経済を動かす「CM女王」の圧倒的な影響力

川口春奈の2025年の活動を語る上で欠かせないのが、その経済的な影響力だ。現在、彼女は29社もの企業とCM契約を結び、「CM女王」の座を確固たるものにしている。推定される年間CM出演料は10億円を超えるとされ、その需要の高さは群を抜いている。

企業が彼女を起用する背景には、親しみやすいキャラクターと、YouTubeチャンネル「はーちゃんねる」（登録者数195万人超）で培った高い発信力がある。ナチュラルで飾らない美しさが支持され、「&be（アンドビー）」の新CMでは、タイのリゾート地で披露した素肌デニム姿や自然体の表情が大きな話題を呼んだ。

さらに、その影響力は国内に留まらない。2025年9月、川口春奈はフェンディ（FENDI）のジャパンブランドアンバサダーとして、ミラノで開催された2026年春夏コレクションに登場。胸元に「FENDI ROMA」のロゴが入ったエレガントなトータルルックを纏い、国際的なファッションシーンで存在感を発揮した。これは、彼女が単なる人気女優ではなく、グローバルなファッションアイコンへと進化したことを示している。

キャリア展望：マルチタレントから国際舞台へ

2025年は、川口春奈にとって多忙を極めた一年であった。過密スケジュールの中、SNSで「やっぱり私には向いてないなぁ」と自身の心情を吐露するなど、仕事とのバランスに葛藤する姿も垣間見えた。しかし、この人間的な側面こそが、彼女の「庶民派コーデ」や親しみやすいキャラクターを支え、幅広い世代からの好感度を維持している要因でもある。

今後は、時代劇『身代わり忠臣蔵』や社会派ドラマ『スキャンダルイブ』など、多様なジャンルへの挑戦を続けていくと見られている。特に、FENDIのアンバサダーとしての活動や、国際的なファッション誌での露出が増加していることから、海外進出や国際的な作品への出演も視野に入れている可能性が高い。

川口春奈は、圧倒的なCM契約数という太い柱を持ちながら、女優として着実に演技の幅を広げている。2025年の活躍は、彼女のキャリアがまさに「アンサンブル」（調和）を奏で始め、マルチタレントとしてさらに大きなスケールで輝きを放つ未来を予感させるものだ。