元大関・御嶽海、九州場所7勝7敗で勝ち越しならず 大関復帰を阻む「三つの壁」
ニュース要約: 元大関の御嶽海は九州場所を7勝7敗と五分で終え、大関復帰への最低条件である勝ち越しを逃した。現在、冬巡業で調整を進めているが、「成績の安定化」「スタミナ不足」「稽古への姿勢」という三つの壁の克服が、再び上位を目指す上での喫緊の課題となっている。
御嶽海、再起への試練:九州場所7勝7敗で勝ち越しならず 元大関の重責と「三つの壁」
大相撲の元大関、御嶽海(33=出羽海部屋)が、大関復帰を目指す上で重要な一歩となるはずだった2025年九州場所を7勝7敗と五分の成績で終えた。終盤の土俵で粘りを見せ、辛うじて負け越しは免れたものの、復帰の最低条件である勝ち越し(8勝以上)には届かず、課題の残る結果となった。11月23日現在、御嶽海は冬巡業で懸命に調整を進めているが、かつての地位を取り戻すには、技術、体力、精神面で複合的な改革が急務となっている。
九州場所の総括:安定性欠き、勝ち越しに届かず
東前頭9枚目の地位で臨んだ御嶽海の今場所は、序盤こそ得意の突き押し相撲で力強さを見せたものの、星の取りこぼしが目立った。若手力士との対戦で苦戦する場面もあり、場所終盤の13日目時点では6勝7敗と、一時は負け越しが目前に迫る厳しい状況に追い込まれた。
21日の取組では東前頭9枚目の翠富士を押し出しで下し、勝利。この粘り強さで最終的に7勝7敗と五分に戻したが、目標であった「安定した勝ち越し」の達成は叶わなかった。
御嶽海は2022年に大関昇進を果たした実績を持つが、近年は成績が不安定であり、本年7月場所では4勝11敗と大きく負け越すなど、上位力士としての地位を確固たるものにできていない。今回の九州場所の成績は、元大関としての重圧と、現在の相撲内容との乖離を示していると言える。
大関復帰を阻む「三つの壁」:稽古、体力、メンタル
「御嶽海」が大関の座を再び射止めるためには、乗り越えるべき明確な課題が指摘されている。
一つ目は、成績の安定化である。大関復帰の足がかりとして、毎場所8勝以上をコンスタントに記録することが不可欠だ。7勝7敗では番付を上げることは難しく、上位陣との対戦機会も限られてしまう。
二つ目は、身体的な課題、特にスタミナ不足の克服だ。過去には左足親指のケガなどもあり、連戦に耐えうる体調管理が重要視されている。御嶽海は、冬巡業でも高安との三番稽古で4勝5敗と苦戦した際、自ら「スタミナ不足」を痛感したと報じられており、体力強化は喫緊の課題となっている。
そして三つ目は、精神面と稽古への姿勢だ。報道によれば、関係者からは「稽古嫌い」の克服が指摘されるなど、より積極的かつ真摯な取り組みが求められている。大関経験者としての自覚を持ち、攻めの姿勢と柔軟な戦術を身につけるためには、日々の地道な積み重ねが不可欠となる。
冬巡業で示す再起への執念
現在、御嶽海は冬巡業を通じて、再起を懸けた調整を進めている。巡業は、場所中に見えた課題を克服するための重要な期間だ。特にスタミナ不足の解消に重点を置き、ぶつかり稽古などを精力的にこなす姿は、元大関としての責任感と、再び上位を目指す強い意志の表れと言える。
御嶽海の持ち味は、真っ向から勝負する「突き押し相撲」であり、前に出続ける積極性にある。激しい気迫のある土俵際の勝負は彼の真骨頂だが、上位陣との対戦においては、勝ち越しを決定づける場面で勝ち切れないケースが散見される。通算対戦成績を見ても、優勝争いを左右する高安や貴景勝らとの激しい勝負は多いが、勝率はやや劣勢となっている。これは、体力面の消耗による勝負の後半戦での失速や、攻め一辺倒になりがちな戦術の幅の狭さに起因している可能性が高い。
今後の展望:技術、体力、精神の総合的強化が鍵
御嶽海は、7年の努力の末に大関昇進を果たした経験を持つ実力者であり、そのポテンシャルは疑いようがない。しかし、地位が下がった今、その実力を再び安定的に発揮できるかが問われている。
来場所以降、御嶽海が安定して8勝以上を記録し、上位力士を破っていくには、冬巡業での徹底的なフィジカル強化と、精神面の向上、そして柔軟な戦術の導入が不可欠だ。
元大関としてのプライドを力に変え、課題を一つ一つクリアしていくことで、再び優勝争いに絡み、大関復帰への道筋が見えてくるだろう。相撲ファンは、来年の春場所へ向け、かつての輝きを取り戻す「御嶽海」の雄姿を心待ちにしている。(了)