ダウ90000蓮見翔氏が岸田國士戯曲賞を受賞!『ロマンス』で演劇界の頂点へ
ニュース要約: 8人組ユニット「ダウ90000」を主宰する蓮見翔氏の作品『ロマンス』が、第70回岸田國士戯曲賞を受賞しました。お笑いと演劇の境界を溶かす圧倒的な台詞センスが評価され、三度目の候補入りで悲願を達成。伝統的な演劇界に新風を吹き込む蓮見氏の功績と、今後のダウ90000の展望を詳報します。
【独自】演劇界の「芥川賞」を射止めたダウ90000・蓮見翔。コントと戯曲の境界を溶かす「ロマンス」の魔法
2026年2月16日、日本の演劇界に新たな歴史が刻まれた。「演劇界の芥川賞」と称される第70回岸田國士戯曲賞(白水社主催)の選考会が開かれ、8人組ユニット「ダウ90000」を主宰する蓮見翔氏(28)の作品『ロマンス』が、大石恵美氏の『よだれ観覧車』とともに受賞作に選出された。
かつて「主題がない」と断じた選考委員に対し、「作品のエネルギーで人が動いたかが重要」と言い切った若き才能が、三度目の正直で頂点に立った。この受賞は、単なる一劇作家の栄誉にとどまらず、お笑いと演劇の境界線が完全に消失したことを象徴する出来事といえる。
■「第70回」の栄冠、タニノクロウ氏が絶賛した“魔法”
今回の受賞作『ロマンス』は、2025年にダウ90000の本公演として上演された作品だ。選考委員の一人であるタニノクロウ氏は、選評で「私たちは無数のロマンスに満ちた世界を歩いている。笑い笑われ、遊び遊ばれ、許し許される。その往復の中にロマンスは潜んでいる」と前置きし、日常の何気ない人間関係に光を当てる蓮見氏の手腕を「こんな魔法を待っていた」と最大級の賛辞で称えた。
蓮見氏は1997年生まれ。日本大学芸術学部在学中から頭角を現し、2020年にダウ90000を旗揚げ。M-1グランプリ準々決勝進出やABCお笑いグランプリ決勝進出など、お笑い界で華々しい実績を残す傍ら、劇作家としても異例のスピードで階段を駆け上がってきた。
第66回では『旅館じゃないんだからさ』、第68回では『また点滅に戻るだけ』で最終候補に選出。特に第68回の際には、一部の選考委員から「もっと大きな主題を扱ってほしい」との指摘を受け、自身の動画で「そういう賞はいらない」とまで言い切る一幕もあった。旧来の演劇的価値観に屈しないその姿勢は、SNSを中心に「最高のリアクション」と大きな反響を呼び、今回の第70回での受賞は、まさに若き才能が伝統的な権威を実力でねじ伏せた形となった。
■「三谷・クドカン」の系譜を継ぐ、圧倒的な台詞センス
蓮見氏の最大の武器は、緻密に計算された「台詞の面白さ」にある。過去の選評でも、野田秀樹氏ら演劇界の重鎮から「何このセリフの面白さは!」「状況に合った言葉選びがズバ抜けている」と絶賛されてきた。
その作風は、日常の繊細な心理描写をユーモアで包み込む「三谷幸喜的・宮藤官九郎的」な大衆性と、平田オリザ氏の流れを汲む現代口語演劇のリアリズムを融合させたものと評される。かつての岸田國士戯曲賞が重厚な社会構造や個人の疎外を描く作品を好んだのに対し、蓮見氏の作品は「ポストコロナ」の希薄ながらも愛おしい人間関係を軽やかに描き出す。
ダウ90000という「俳優志望のメンバーを含む8人組」という特異な形態も、彼の創作を支えている。コントユニットとしての即時的な笑いと、1時間を超える演劇としての構造美。この二つを高い解像度で両立させる蓮見氏の筆致は、もはや「コントか演劇か」という議論を無意味なものにしている。
■加速する「ダウ90000旋風」と今後の展望
今回の受賞を受け、ダウ90000を取り巻く環境はさらに過熱しそうだ。2026年7月からは10都市を巡る過去最大規模の単独ライブ『40000』の開催も控えており、チケット争奪戦は免れない。
授賞式は5月11日、東京・神保町の日本出版クラブで行われる。お笑いファンから演劇の専門層まで、幅広いファン層を抱える彼らにとって、今回の岸田國士戯曲賞受賞は「演劇界の異端児」から「新時代のスタンダード」へと脱皮する決定的な瞬間となるだろう。
「演劇は敷居が高い」――そんな既成概念を、劇場を揺らす爆笑と一筋の涙で塗り替えてきた蓮見翔。彼が紡ぐ『ロマンス』の魔法は、これからも日本のエンターテインメントの景色を変え続けていくに違いない。
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