セレッソ大阪:10位からの逆襲へ。パパス新監督が挑む「守備の再構築」とACL出場権奪還
ニュース要約: セレッソ大阪は2025年J1を10位で終了。ハットン選手の得点力に対し、守備の不安定さが課題となった。来季へ向け、パパス新体制が始動し、北野颯太の移籍に伴い、クールズら大型守備補強を敢行。天皇杯制覇とACL出場権奪還を目指す。
激動の2025年を越えて:セレッソ大阪、パパス新体制が挑む「守備の再構築」と「ACL出場権」奪還
J1リーグ10位で終戦、得点力と守備の不均衡が浮き彫りに
2025年11月30日
セレッソ大阪は、2025年のJ1リーグを10位(勝ち点52)で終えた。序盤戦こそガンバ大阪に大勝を収めるなど好スタートを切ったものの、シーズンを通じて上位陣とのポイント差を詰められず、目標としていたACL出場権獲得には届かなかった。攻撃面では、エースストライカーのラファエル ハットン選手がリーグ2位となる17得点を挙げるなど、爆発的な得点力を示した一方、失点数の多さが最終順位に大きく影響した。クラブは既に新監督アーサー・パパス監督体制へと移行しており、激動の移籍市場を経て、来季のトップ4復帰に向けたチームの再構築が急務となっている。
攻撃の光と守備の影:J1リーグ戦の総括
2025年シーズンを振り返ると、セレッソ大阪の戦績は「攻撃力」と「守備の安定性」の不均衡が顕著だった。特にハットン選手の決定力はリーグトップクラスであり、ヴィッセル神戸戦での勝利(1-3)や清水戦での快勝(4-2)など、随所でその破壊力が発揮された。しかし、シーズン終盤の清水戦での大敗(1-4)に見られるように、堅守を誇る上位チーム相手に守備組織が崩れる場面が目立ち、鹿島アントラーズ(64pt)やヴィッセル神戸(60pt)といった上位チームとの差は埋まらなかった。
ACL出場権はJ1リーグの上位4チームに与えられるのが通例であり、10位という順位はクラブの期待値を大きく下回る結果となった。来季へ向け、ハットン選手を中心とした得点力を維持しつつ、いかにしてチーム全体の守備強度を高め、一貫したパフォーマンスを発揮できるかが、パパス新体制の最重要課題となる。
パパス新監督の就任とJリーグ経験値への期待
クラブは巻き返しを図るべく、2024年12月17日に新指揮官としてアーサー・パパス監督(44、オーストラリア出身)の就任を正式に発表した。パパス監督は、横浜F・マリノスでヘッドコーチを務めた経験や、鹿児島ユナイテッドFCでの監督経験を持ち、Jリーグの戦術や文化に対する理解が深い。
新体制では、ヘッドコーチのラファエル・ナポリ氏をはじめとする新たなコーチングスタッフが編成され、監督の戦術を浸透させるための基盤作りが進められている。Jリーグへの復帰となるパパス監督には、過去の経験を活かし、チームに新たな規律と攻撃的なスタイルを融合させることが求められる。1月8日にはトップチームの選手背番号も発表されており、新シーズンへの準備は着々と進行している。
激動の移籍市場:北野颯太の欧州挑戦と守備陣の大型補強
シーズン中盤からオフにかけてのセレッソ大阪の移籍市場は、大きな動きが相次いだ。特に注目を集めたのは、若き才能、FW北野颯太の欧州挑戦だ。北野選手は2025年夏の移籍市場でオーストリアの強豪レッドブル・ザルツブルクへ完全移籍。推定200万ユーロ(約3億4000万円)という高額な移籍金は、クラブの育成力と将来性を世界に示した形となったが、貴重な得点源を失ったことは否めない。
この主力流出に対し、クラブは守備陣の大型補強で対抗した。タイのブリーラム・ユナイテッドから東南アジア屈指のセンターバック、ディオン・クールズを獲得。さらに浦和レッズからJリーグ屈指の左サイドバック井上黎生人、ベルギーから欧州経験を持つ若手CB大畑歩夢らを迎え入れ、懸案事項であった守備のテコ入れを徹底的に図った。
また、Kリーグで実績を積んだMF吉野恭平の獲得や、スペインのレアル・ソシエダユースからMF久保瑛史の昇格など、即戦力と将来性をバランス良く補強している。一方、西川潤選手ら有望株を育成型期限付き移籍に出し、実戦経験を積ませる育成戦略も継続しており、世代交代の波がクラブ全体を覆っている。
天皇杯に残されたタイトルへの道
セレッソ大阪はJ1リーグでは目標を達成できなかったものの、天皇杯では順調に勝ち進んでおり、2025年シーズンにおけるタイトル獲得の可能性を残している。
クラブは2017年に天皇杯を制覇し、ルヴァンカップとのダブルタイトルを達成した実績を持つ。トーナメント戦を勝ち抜く経験値と、ハットン選手を中心とした攻撃力が機能している現状を鑑みると、天皇杯での躍進は十分に期待できる。
来季、セレッソ大阪が再びACL出場権を目指すためには、パパス監督がいかにして新加入の守備陣を組織に組み込み、チーム全体の安定性を高めるかに懸かっている。激動の2025年シーズンを糧に、真の「常勝クラブ」への進化が期待される。(共同通信社)