【2025年】アスレジャーが働き方を革新:サステナブル素材が牽引する1兆ドル市場の未来
ニュース要約: 運動と余暇を融合した「アスレジャー」が、2025年に市場規模4,500億ドル、将来的に1兆ドルを超える巨大市場へ成長中。リモートワーク定着による「スマートアスレジャー」の浸透と、ヘンプなどのサステナブル高機能素材の採用が市場拡大の鍵。ライフスタイルとビジネスウェアの概念を根本から変えつつある。
ライフスタイル革命の波に乗る「アスレジャー」:2025年、ビジネスとサステナビリティが牽引する新市場
導入:急成長するグローバル市場と日本国内の動向
運動(Athletics)と余暇(Leisure)を融合させたファッションスタイル、「アスレジャー」が、2025年現在、単なるブームを超え、アパレル市場の新たな主流として定着しつつある。グローバル市場規模は今年度中に4,500億ドルに達すると予測され、2032年までには1兆ドルを超える巨大市場へと変貌を遂げる見通しだ。
日本国内においても、アスレジャー市場は着実な成長を続けており、2024年の238億米ドル規模から、2033年には381億米ドルへの成長が見込まれている(年平均成長率5.4%)。この成長を支えているのは、コロナ禍を経て定着した人々の健康志向の高まりと、ライフスタイルそのものの変化である。特にZ世代やミレニアル世代は「健康的なライフスタイルを反映する服」を重視しており、機能性、快適性、そしてスタイリッシュさを兼ね備えたアスレジャーウェアがその象徴として支持されている。
働き方の変革がオフィスウェアを塗り替える
市場拡大の構造的な背景には、働き方の大きな変革がある。リモートワークやハイブリッド勤務が定着した結果、オフィスとプライベートの境界線が曖昧になり、ビジネスシーンにおいても機能的かつカジュアルな服装が求められるようになった。このニーズに応える形で、アスレジャーは従来の運動着の枠を超え、「スマートアスレジャー」としてビジネスカジュアルの新たなスタンダードを築き上げている。
例えば、韓国発のグローバルブランド「andar」が2025年9月に日本で展開を開始したメンズラインでは、「Urbanactive スラックス」や「Airy Fit ポロシャツ」など、見た目の洗練さと運動着のような快適さを両立させたアイテムを提案。シワや毛玉ができにくい高機能素材を採用し、出勤から退勤後の多様なライフシーンに対応する。
また、国内大手アパレル企業もこの流れを捉えている。AOKIが2025年10月に発売した「着回しクロススーツ」は、スーツとしての品格を保ちつつ、セパレートでの着用や、アスレジャーアイテムとの融合を可能にし、オフィスでの「動きやすさ」と「洗練された印象」の両立を実現した。
大人の着こなし術としても、ジョガーパンツやトラックパンツにテーラードジャケットやチェスターコートを合わせるなど、カジュアルとフォーマルを絶妙にミックスする「ビジネスカジュアル」スタイルが浸透しており、アスレジャーアイテムの汎用性の高さが再評価されている。
2026年春夏のトレンド:サステナビリティと高機能素材
アスレジャー市場の進化は、素材と技術の革新によってさらに加速している。特に2026年春夏シーズンでは、環境意識の高まりを受け、「サステナビリティ」が製品開発の最重要課題となっている。
主要ブランドは、オーガニックコットン、リサイクルポリエステル、竹繊維、そして特に注目を集めるヘンプなどの環境配慮型素材を積極的に採用している。ヘンプは農薬や大量の水を使わずに栽培でき、吸湿速乾性や抗菌性といった天然の機能性を持つため、次世代のアスレジャー素材として高い需要が見込まれている。
また、快適性を追求する技術も進化を続けている。デサントの「ZERO STYLEシリーズ」や、韓国ブランドXEXYMIXに見られるように、吸汗速乾性、抗菌性、消臭効果に加え、無縫製(シームレス)や3Dプリントといった未来的な技術が導入され、デザイン性と運動時のパフォーマンスが両立されている。NikeやLululemonといった市場リーダーも、持続可能な素材を用いた多機能ボディの強化を進めており、市場の競争は激化の一途を辿っている。
結論:ライフスタイルに根付くアスレジャー
アスレジャーは、単なるファッションのトレンドではなく、健康と快適性を追求する現代のライフスタイルに深く根付いた構造的な変化である。グローバル市場は今後もアジア太平洋地域が牽引し、特に可処分所得の増加とフィットネス文化の成長が見込まれる日本、中国、インドなどでさらなる拡大が見込まれる。
企業が市場での優位性を確保するためには、価格に敏感な消費者層への対応(ディスカウントストアの活用)と、若年層が強く求めるサステナビリティと機能性への継続的な投資が不可欠となる。アスレジャーは、今後もデジタル化や新技術を取り込みながら進化を続け、我々の日常着、そしてビジネスウェアの概念を根本から変えていく可能性を秘めている。(了)