【プレミア大一番】リヴァプール危機突破の試金石:ウェストハム戦、タイトルレースの行方を占う
ニュース要約: 首位リヴァプールが公式戦3連敗の危機に直面する中、好調ウェストハムとの大一番に挑む。スロット監督の戦術の持続性が問われるこの試合は、守護神アリソンらの復帰や、サラーとパケタのキープレイヤー対決が鍵。タイトルレースの行方を左右する激戦の行方は?
プレミアリーグ大一番:ウェストハム 対 リヴァプール、首位独走か、連敗脱出の狼煙か
【ロンドン発】 2025年11月30日(日本時間12月1日未明)、イングランド・プレミアリーグ第13節において、首位を走るリヴァプールFCが、ロンドン・スタジアムでウェストハム・ユナイテッドFCとの大一番に臨む。現在、リヴァプールは公式戦3連敗という深刻な危機に直面しており、このウェストハム 対 リヴァプール戦は、単なる勝ち点3の争いを超え、タイトルレースの行方、そしてアルネ・スロット監督(リヴァプール)の戦術の持続可能性を占う、極めて重要な試金石となる。(記者:田中 健太郎)
危機のリヴァプールと勢いに乗るウェストハム
リヴァプールは現在、リーグ首位を独走しているものの、直近の成績は低迷している。特に、前任者ユルゲン・クロップ氏の「ヘヴィーメタル・フットボール」から、スロット監督が目指す「デュエル重視の持続可能な戦術」への移行期において、選手への負荷と結果のバランスが崩れ始めているとの指摘もある。
しかし、この重要な一戦を前に、朗報も届いた。守護神アリソン・ベッカーと、中盤の要であるフロリアン・ウィルツが体調を回復し、先発メンバーに復帰。彼らの存在は、守備組織の安定化と攻撃の創造性を取り戻す上で不可欠だ。
一方、ホームで迎え撃つウェストハムは、11月に入りプレミアリーグで好調を維持。直近のホーム2試合で連勝を収めており、最下位から2位へと順位を急浮上させるなど、チームには大きな自信がみなぎっている。歴史的に見れば、リヴァプールは過去18試合でウェストハムに14勝を挙げており、圧倒的な優位性を持つが、現在の勢いはその歴史的データを覆す可能性を秘めている。
戦術の対比:組織か、柔軟性か
このウェストハム 対 リヴァプール戦は、現代フットボールにおける戦術アプローチの対比としても注目される。
ヌーノ・サント監督率いるウェストハムは、1-3-4-2-1フォーメーションを基軸とした、統制された組織力を最大の武器とする。ボール保持時には斜めのパスワークで相手のプレスを回避し、守備時には全選手がハードワークを惜しまず、自陣ゴール前では5-4-1の堅固なブロックを形成する。この徹底した構造化された守備が、リヴァプールの破壊的な攻撃陣をどこまで封じ込められるかが焦点となる。
対するスロット監督のリヴァプールは、グアルディオラ監督からも影響を受けたボール保持を重視しつつ、必要に応じてクロップ時代の激しいプレスや、イーブンボールからの素早い攻撃を取り入れる柔軟性が特徴だ。特にスロット監督が全選手に強く要求する「デュエル(1対1の競り合い)での勝利」が、ウェストハムの堅守を崩す鍵となる。
試合の鍵を握る「歴代最多得点者」と「創造性の中心」
試合の流れを左右するキープレイヤーの存在感も大きい。
リヴァプールにとって、最も頼れる存在は、ウェストハム戦で全大会通算13ゴールを記録している「歴代最多得点者」、モハメド・サラーだ。彼の卓越した決定力と、試合終盤での勝負強さは、連敗中のチームに活力を注入する。また、コーディ・ガクポも攻撃の起点として重要な役割を担うことになる。守備面では、ミスが目立つシーズンを送るヴィルジル・ファン・ダイクが、パケタやボーエンといった相手エースを抑え込めるかが、勝敗を分ける。
一方、ウェストハムの攻撃の心臓は、ルーカス・パケタが握る。彼の中盤でのボール支配と創造性が、ウェストハムの攻撃のテンポを生み出す。さらに、ジャロッド・ボーエンの高速ドリブルと、チーム最多4ゴールを記録するカラム・ウィルソンの決定力が、リヴァプール守備陣にとって最大の脅威だ。ウェストハムがリヴァプール相手に金星を挙げるためには、この3人の連携が不可欠である。
タイトルレースへの影響
このウェストハム 対 リヴァプール戦の結果は、単に勝ち点3の行方を決めるだけでなく、今季のプレミアリーグのタイトルレースと欧州大会出場権争いに大きな影響を与える。
リヴァプールが勝利すれば、首位の座をより強固にし、連敗の流れを断ち切ることでタイトルへの優位を確立できる。逆に、ウェストハムが勝利を収めれば、欧州出場権争いにおいて重要な勝ち点を獲得し、上位に食い込む大きな後押しとなるだろう。
ロンドン・スタジアムで行われるこの一戦は、リヴァプールの復調か、ウェストハムの「ジャイアントキリング」か。現代プレミアリーグの深淵な戦術と、スター選手たちの個人技が激しくぶつかり合う、目が離せない90分となる。