35年の歴史に幕か？「明石家サンタ」2025年放送見送り さんま＆八木亜希子の名コンビ休止

年末の風物詩「明石家サンタ」2025年放送見送りへ—35年続いた明石家さんま・八木亜希子の名コンビに休止符

【東京】 例年、クリスマスイブの深夜を彩ってきたフジテレビ系の年末特番「明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー」（通称：明石家サンタ）が、2025年は放送見送りとなることが25日までにフジテレビから正式に発表された。1990年の放送開始以来、30年以上にわたり視聴者の「不幸話」に笑いと共感を与え続けてきたこの長寿番組の休止は、年末の風物詩の喪失として大きな波紋を広げている。

特に、番組開始当初から明石家さんま氏とコンビを組み、「亜希子サンタ」として親しまれてきた八木亜希子氏の不在は、多くのファンにとって寂しいクリスマス・イブとなるだろう。

スポンサー問題が直撃、代替は「向上委員会SP」

フジテレビが発表した2025年の年末年始番組編成によると、例年12月24日深夜に組まれていた「明石家サンタ」の枠は、『さんまのお笑い向上委員会 クリスマス生放送SP』に差し替えられる。

今回の放送見送りの背景には、番組の根幹を揺るがす経済的な事情があるとされる。報道によれば、番組の目玉である自動車や豪華旅行券などの高額プレゼントは主にスポンサー提供に依存していたが、特定のタレントを巡る問題に端を発した企業のCM出稿停止が影響し、協賛体制の維持が困難になったことが主因とみられている。

明石家さんま氏自身も、今年の3月にはラジオ番組で「放送見送りの可能性」に言及しており、水面下で調整が続けられていたことが伺える。代替番組はさんま氏を中心とした構成となるが、ハガキによる不幸話の応募募集は行われず、結果として八木亜希子氏の出演も予定されていない。

35年間、笑いと共感を支えた「亜希子サンタ」の役割

今回の休止で改めて注目されるのは、明石家さんま氏と八木亜希子氏による35年にわたるコンビネーションだ。八木氏はフジテレビ退社後もフリーアナウンサーとして唯一、「明石家サンタ」への出演を継続してきた。

さんま氏の鋭いツッコミと、不幸話に対する破天荒な笑いに対し、八木氏は常に冷静かつ温かい視点を保ち、視聴者の感情に寄り添う「聞き役」としての役割を担ってきた。彼女の存在は、番組が単なるお笑い番組に留まらず、応募者の真摯な不幸話を「笑いと共感」に変える上での「フェアさの象徴」であったと言える。

長年連れ添ったコンビは、強固な信頼関係によって成立しており、さんま氏が「八木がいなければ番組が成り立たない」と語るほど、彼女の存在は番組の「安定感」と「安心感」を担保してきた。特に、視聴者から「伝説の不幸話」として語り継がれる2018年の「カルロス・ゴーン」を巡るエピソードでは、八木氏の機知に富んだコメントが番組を大いに盛り上げた。

視聴者の喪失感と文化的な意義

「明石家サンタ」は、クリスマスの寂しさを笑いに変える「駆け込み寺」のような存在として、長きにわたり世代を超えて愛されてきた。放送見送りの報を受け、SNS上では「今年最大の不幸話ではないか」「八木亜希子さんなしでクリスマスを過ごせるとでも？」など、年末の風物詩の喪失に対する寂しさを訴える声が多数上がっている。

番組の魅力は、豪華プレゼントだけでなく、さんま氏と八木氏の絶妙な掛け合いを通じて、視聴者の日常の悲喜こもごもを昇華させる点にあった。この長寿番組の休止は、経済的な要因がコンテンツ制作に与える影響の大きさを改めて示している。

八木亜希子氏は現在もラジオ番組『LOVE & MELODY』などで活躍を続けており、その安定した語り口は健在だ。来年以降、明石家サンタと八木亜希子氏の「亜希子サンタ」が再び、視聴者の不幸話に耳を傾ける日が訪れることを、多くのファンが心待ちにしている。