有楽町線が豊洲〜住吉へ延伸工事着手:2030年代半ば開業、東武線直通で首都圏ネットワーク飛躍
ニュース要約: 東京メトロ有楽町線の豊洲〜住吉間延伸工事が着手され、2030年代半ばの開業を目指す。約4.8kmに3駅を新設し、最大の目玉は東武線との相互直通運転。これにより、埼玉・栃木方面へのアクセスが大幅に改善し、広域ネットワークが飛躍的に進化する。新型車両導入など快適性向上も図られている。
東京メトロ有楽町線、大動脈延伸へ:豊洲〜住吉間工事着手、2030年代半ば開業で広域ネットワークが飛躍的進化
【東京】 東京メトロ有楽町線の豊洲駅と住吉駅を結ぶ延伸計画が、2030年代半ばの開業を目指し、着実に進行している。総建設費約2,690億円を投じる本プロジェクトは、臨海副都心と東京東部、さらには埼玉・栃木方面を結ぶ大動脈を構築し、首都圏の交通利便性を飛躍的に向上させるものとして注目を集めている。
2025年11月26日現在、本延伸計画は2024年11月に工事が着手され、2025年6月17日には都市計画変更が正式に告示されるなど、法的な整備も完了した。これは、約4.8kmの区間に3つの新駅を設置し、東西線や都営新宿線との乗り換えを容易にする、江東区を縦断する一大事業となる。
東武線との相互直通合意で変わる「埼玉・栃木アクセス」
今回の延伸計画の最大のハイライトは、2025年4月に東京メトロと東武鉄道との間で基本合意に至った、半蔵門線経由での相互直通運転である。これにより、有楽町線は住吉駅から半蔵門線を経由し、東武スカイツリーライン、伊勢崎線、日光線への直通が可能となる。
この直通運転の実現は、単なる路線延長に留まらない広域的な効果をもたらす。例えば、豊洲から春日部までの所要時間は、現在の約61分から約53分へと約8分短縮される見込みだ。また、豊洲から住吉間はわずか約9分で結ばれ、江東区内の移動時間が大幅に短縮される。
臨海部の国際拠点と、東京スカイツリーなどの観光拠点、そして埼玉東部の住宅地域が直結することで、人の流れが多様化し、地域経済の活性化が期待されている。特に、新駅周辺では再開発や商業施設の誘致が進む見通しで、新たな鉄道需要の創出にも繋がる。
利用者に寄り添う安全性と快適性の追求
延伸による利便性向上に加え、既存の有楽町線においても、利用者の安全と快適性を高めるための投資が継続されている。
2021年2月からは、旧型車両7000系を置き換える新型車両「17000系」の運行が順次開始された。新型車両は、消臭・抗菌・抗ウイルス加工を施した座席表地を採用し、感染症対策と清潔感の向上を図っている。また、各車両にフリースペースを設置し、車いすやベビーカー利用者へのユニバーサルデザインを徹底。さらに、総合指令所からのリアルタイムモニタリングシステムや脱線検知装置を搭載するなど、高度な安全技術が導入されている。
運行状況については、2025年冬も基本的に平常運転が維持されており、局所的な遅延は車両点検や急病人救護による短時間にとどまっている。東京メトロは、高頻度運転や車両増強に加え、時間差乗車を促進するための情報提供やポイント制度の検討など、多角的な混雑緩和策を推進している。
「住みやすさ」で選ばれる沿線駅の魅力
有楽町線沿線は、都心アクセスと生活コストのバランスの良さから、特に居住地として高い評価を得ている。
家賃相場が比較的安く、治安が良いとされるエリアでは、始発駅である和光市駅(急行停車)や、副都心線との乗り換えが便利な小竹向原駅、東武東上線との接続を持つ地下鉄成増駅が、特に単身者や子育て世帯から人気を集めている。これらの駅は、都心への通勤利便性を確保しつつ、静かな住環境と充実した生活インフラを兼ね備えている点が強みだ。
一方、都心寄りの池袋駅や豊洲駅は、利便性や商業施設の充実に優れ、多少家賃が高くとも根強い人気を誇る。
秋深まる有楽町:グルメと文化の拠点
週末の沿線観光においては、路線名の由来ともなった有楽町駅周辺が、秋の行楽シーズンに賑わいを見せている。
有楽町・日比谷エリアは、映画館、歌舞伎座、美術館など文化施設が集積する「芸術の秋」に最適なスポットだ。また、食のイベントも充実しており、日比谷公園では11月下旬に魚介グルメを中心とした「SAKANA&JAPAN FESTIVAL 2025」が開催されるなど、秋の味覚を堪能できる機会も多い。銀座や丸の内にも近く、高級カフェにおける和栗や黒ごまを使った秋限定スイーツも注目を集めている。
有楽町線は、新型車両による快適性の向上と、2030年代半ばを見据えた広域ネットワークの構築によって、今後も首都圏の重要な社会インフラとしての役割を拡大していく。(了)