WOWOW、配信市場の激戦に挑む:独占スポーツ・音楽で貫くプレミアム戦略
ニュース要約: 有料放送のWOWOWは、VOD市場の競争に対応するため、WEB完結型の「WOWOWオンデマンド」を強化し、最大3台同時視聴可能な「トリプルプラン」を導入。無料期間を廃止し、NBAやUEFAチャンピオンズリーグ、独占音楽ライブといったプレミアムコンテンツに特化することで、高付加価値な独自路線を確立し、有料会員の囲い込みを図る。
プレミアムコンテンツの砦、WOWOWが挑む配信市場の激戦:オンデマンド強化と独占スポーツ、音楽で独自路線
【東京】 有料放送事業者のWOWOWは、2025年末から2026年にかけ、動画配信サービス(VOD)市場の競争激化に対応するため、サービスモデルの抜本的な見直しと、独占コンテンツのさらなる拡充を進めている。特に、ウェブ登録のみで視聴可能とした「WOWOWオンデマンド」の利便性向上、そして「トリプルプラン」の導入は、従来の放送事業の枠を超え、若年層やライトユーザーの取り込みを狙う戦略的な一手と見られる。
トリプルプラン導入で利便性を追求、有料特化へ舵
2024年10月に導入された「トリプルプラン」(月額3,960円・税込)は、最大3台のデバイスで同時視聴を可能にし、家族や複数人での利用ニーズに応えた。これは、NetflixやU-NEXTといった国内外の巨大配信プラットフォームが提供するサービス形態に並ぶものであり、テレビ受信機やB-CASカードを必要としないWEB完結型の登録システムと相まって、WOWOWのデジタルシフトを象徴する。
一方で、同社は2023年11月以降、無料トライアル期間の提供を終了している。これは、安価な競合サービスがひしめく中で、無料期間による一時的な流入よりも、スポーツや音楽といった独占性の高いプレミアムコンテンツに特化し、「真に価値を認める有料会員」を囲い込む戦略に転換したことを示唆する。
世界最高峰のスポーツと音楽ライブが牽引する独占性
WOWOWの最大の強みは、他のプラットフォームでは視聴できない独占コンテンツのラインナップにある。2025-26シーズンも、世界最高峰のバスケットボールリーグであるNBAのレギュラーシーズンからプレーオフ、そして欧州クラブサッカーの頂点を決めるUEFAチャンピオンズリーグなど、熱狂的なファンを持つ主要スポーツの生中継・配信を継続している。テニスにおいても、全米オープンテニス2025の連日生中継など、グランドスラムの興奮を視聴者に届ける体制を維持している。
また、年末年始に向けては、ライブエンタテインメントの強化が目覚ましい。人気グループWEST.が開催した初の野外フェス「WESSION FESTIVAL 2025」の9時間超にわたる独占放送・配信は、音楽ファンにとって大きな注目を集めている。さらに、国民的歌手である氷川きよしのファイナルコンサートや、作詞家・松本隆氏の50周年・55周年を記念した特別特集など、世代を超えた視聴者を惹きつける強力なコンテンツが続く。
ドラマ・映画においても、「闇金ウシジマくん」シリーズ全作品の一挙放送や、人気ミステリー映画の放送など、幅広いジャンルを網羅。これらの独占配信コンテンツの充実は、高価格帯である「トリプルプラン」の価値を裏付けるものとなる。
ドコモとの連携強化、市場再編を見据える
競争が激化するVOD市場において、WOWOWは独自の提携戦略も展開している。NTTドコモとの連携を強化し、「ドコモMAX」契約者向けにWOWOWオンデマンドを追加料金なしで利用できる特典を提供。また、2026年1月以降には、ドコモの配信サービスLeminoとの連携を通じて、音楽ライブコンテンツのさらなる配信拡大も予定されている。
この提携は、通信キャリアを巻き込んだコンテンツ競争が激化する中で、安定した顧客基盤の確保と、配信ネットワークの拡大を図る狙いがある。
プレミアム路線への挑戦
現在、WOWOWオンデマンドは、高画質・高音質の配信環境を維持しつつ、アニメやドキュメンタリーを含む多様なジャンルでコンテンツの幅を広げている。競合他社が低価格化や広告モデルの導入を進める中、WOWOWは敢えて高付加価値なプレミアム路線を堅持する。
2025年を迎え、WOWOWは、独占的な「ここでしか見られない」コンテンツを武器に、デジタル化と利便性を両立させたサービスモデルを確立しつつある。視聴者にとって、その価値が月額料金に見合うものとなるか、今後のコンテンツ戦略と会員数の推移が注目される。視聴者は公式サイトやX(旧Twitter)で最新情報を確認し、この年末年始の充実したラインナップに期待を寄せている。(了)