TWICEチェヨンが活動休止「迷走神経性失神」診断 K-POP界の過密スケジュール負荷を問う

TWICEチェヨン、活動休止へ 「迷走神経性失神」診断 K-POP界に問われる過密スケジュールの負荷

【ソウル＝共同】

世界的K-POPグループTWICEのメンバー、チェヨン（26）が「迷走神経性失神」と診断され、当面の間、活動を中断することが2025年11月20日、所属事務所JYPエンタテインメントを通じて公式に発表された。この決定は、チェヨン twiceの健康を最優先とするための措置であり、年末までの治療と十分な休養を目標としている。しかし、トップアイドルであるTWICE チェヨンの突然の休養は、多忙を極めるK-POP業界全体が抱える構造的な問題、特に過密な国際スケジュールの負荷を改めて浮き彫りにしている。

I. 診断名と年末までの休養体制

JYPエンタテインメントの発表によると、チェヨンは最近、体調不良を感じ、精密検査の結果、「迷走神経性失神」との診断を受けた。専門医との慎重な協議の結果、さらなる回復期間が必要と判断され、当面の間、全てのスケジュールを控え、治療と安静に専念することが決定した。

事務所側は「アーティストの健康を最優先する」という姿勢を強調しており、今後予定されている日本国内を含むスケジュールについても、TWICE チェヨンの参加は最小限に留めるか、やむを得ず不参加となる可能性があるという。ファンコミュニティ「ONCE」に対しては、早期回復を願い、温かく見守ってほしいと理解を求めている。

II. 迷走神経性失神が示すストレスの蓄積

迷走神経性失神とは、自律神経系の一つである迷走神経が過剰に反応することで、血圧と心拍数が急激に低下し、脳への血流が一時的に不足して意識を失う状態を指す。専門医によると、この症状は、長時間の立位、脱水、不眠、そして何よりも精神的・肉体的な極度のストレスや疲労の蓄積が主な誘因となる。

K-POPアイドル、特にTWICEのように世界中を飛び回り、レコーディング、プロモーション、ライブツアー、バラエティ出演などを年間を通じてこなすアーティストは、時差や睡眠不足、精神的なプレッシャーに常に晒されている。迷走神経性失神 チェヨンの事例は、華やかな舞台の裏側で、いかに過酷な健康リスクを抱えているかを物語っている。

III. 繰り返される体調不良：業界の構造的課題

近年、韓国芸能界では、トップアイドルたちが体調不良やパニック障害、不安障害などにより活動を休止するケースが相次いでいる。これは、K-POPのグローバル化が加速し、要求される活動量が飛躍的に増大した結果と言える。

大手事務所は、専属の医療スタッフやカウンセラーを配置し、アイドルのメンタルヘルスケアにも注力し始めている。しかし、市場の要求と収益性が優先されるビジネスモデルの中で、アイドルの「休養」がイメージダウンや収益減につながることを恐れ、抜本的なスケジュール見直しに踏み切れない事務所も少なくないのが現状だ。

チェヨン twiceの休養発表は、マネジメント側が早期の決断を下した点では評価できるものの、根本的な「過労」や「ストレス」の発生源を断つことが、業界全体の喫緊の課題となっている。現在、韓国国内では、アイドルが健康を害することなく活動できるよう「アイドル労働環境改善法」の議論が進められており、今回の件がその議論を加速させる可能性もある。

IV. ファンの声と持続可能な活動の模索

休養のニュースを受け、SNS上ではファンから「無理せず休んで」「健康が最優先」といった温かいメッセージが殺到している。ファンの多くは、アーティストが長く健康に活動を続けることを望んでおり、事務所に対しては、一時的な措置ではなく、持続可能な活動体制の構築を強く求めている。

TWICE チェヨンが安心して回復に専念できる環境づくりは、JYPエンタテインメントだけでなく、K-POP業界全体が取り組むべきテーマである。アイドルたちの心身の健康を尊重し、才能を最大限に発揮できる環境整備こそが、今後のK-POPの持続的な成功に不可欠となるだろう。（了）