【熱狂】築城基地航空祭2025：F-2戦闘機とブルーインパルスが魅せた空の祭典

躍動する国防の最前線――築城基地航空祭、ブルーインパルスとF-2が魅せる空の祭典

【築上】 令和7年度航空自衛隊築城基地航空祭が11月30日（日）、福岡県築上郡築上町に位置する航空自衛隊築城基地で開催された。日本の空の防衛を担う最前線の基地が一般に開放され、最大の目玉であるブルーインパルス（T-4練習機）の華麗な曲技飛行と、第8航空団の主力であるF-2支援戦闘機の迫力ある機動展示に、早朝から集まった大勢の来場者が熱狂した。

F-2戦闘機が示す防衛力、ブルーインパルスに歓声

築城基地は、南西方面の防衛体制において重要な役割を担う拠点で、航空祭はその防衛力を国民に直接示す貴重な機会となる。

飛行展示は午前8時30分のF-2戦闘機6機による連続離陸で幕を開けた。特に集客の焦点となったのは、午前10時15分からのF-2戦闘機2機による機動飛行と、午後1時40分からの模擬空対地爆撃展示だ。F-2戦闘機が繰り出す鋭い旋回と、地上すれすれを通過する低空飛行は、日本の技術が詰まった同機の高い戦闘能力を如実に示した。

また、F-15戦闘機による機動飛行や、U-125A救難機とUH-60J救難ヘリによる緊迫感あふれる救難展示も行われ、航空自衛隊の多岐にわたる任務遂行能力が披露された。民間の競技曲技飛行チーム「ウイスキーパパ」によるエクストラEA300の展示も、プログラムに華を添えた。

そして、午前11時35分から約1時間40分にわたり実施されたブルーインパルスの展示飛行では、6機のT-4練習機が編隊を組み、大空にハートや星を描く精密なアクロバットを展開。観客は一斉に空を見上げ、鮮烈なパフォーマンスに対して惜しみない拍手が送られた。

交通集中と経済効果：地域を巻き込む一大イベント

今回の築城基地航空祭は、前回（2024年）の約22,000人を超える来場者を見込んでおり、地域経済への波及効果も大きいと見られる。ブルーインパルスの参加が大きな集客要因となり、飲食・グッズ販売、交通・宿泊関連事業への収益増が期待される。

来場者の増加に伴い、基地周辺では大規模な交通規制が敷かれた。基地内には一般駐車場が設けられていないため、公共交通機関の利用が強く推奨された。JR九州は特急・快速の臨時停車や臨時列車を運行し、JR築城駅からのアクセスを強化した。

また、基地周辺には日産自動車九州(株)の敷地などを含む合計3,300台収容の臨時駐車場が設置され、西鉄バス北九州による臨時シャトルバスが基地との輸送を担った。しかし、開門時刻の午前8時前から入場口周辺は混雑し、特にブルーインパルスの飛行時間帯が近づくにつれ、築城基地航空祭周辺の道路は一時的な渋滞に見舞われた。

基地側は、当日の駐車状況や混雑状況をX（旧Twitter）などで随時発信し、来場者に対し、徒歩での移動時間や混雑緩和への協力を呼びかけた。

地上展示で知る防空体制と技術力

飛行展示と並行して、午前8時から午後3時まで行われた地上展示も充実していた。

来場者は、F-2支援戦闘機のコックピット展示を通じて、普段目にすることのない最新鋭機の内部構造を間近に観察した。また、築城基地に配備されている西部高射群の防空体制を象徴する装備品として、地対空ミサイルシステムであるペトリオットや03式中距離地対空誘導弾といった防空火器が展示された。これは、日本の防衛システムがどのように構築されているかを国民に理解させる重要な機会となった。

家族連れ向けには、基地太鼓部による「昇龍太鼓」の演奏や、F-2を模した「キッズカー」の運行が人気を集め、防衛の現場を身近に感じられる工夫が凝らされていた。

築城基地航空祭は、単なる航空ショーを超え、国際情勢が緊迫する中で日本の安全保障を支える航空自衛隊の活動と技術力を、広く国民に紹介する場となった。最新鋭機の迫力と、隊員たちの献身的な努力に触れた来場者は、改めて国防の重要性を認識した一日となった。