トッテナム、ホームでフラムに痛恨の敗戦 12年ぶり屈辱でトップ4争いから後退

トッテナム、ホームでフラムに痛恨の敗戦 12年ぶり屈辱、上位戦線から後退（トッテナム 対 フラム）

【ロンドン発：2025年11月30日 共同】 プレミアリーグ第13節、トッテナム・ホットスパー・スタジアムで行われたトッテナム 対 フラムの一戦は、ホームのトッテナムが1-2で敗れる波乱の結果となった。前半の守備の脆さが露呈し、開始わずか6分で2点のリードを許したことが響き、トッテナムは公式戦3連敗、リーグ戦では4試合連続未勝利（1分け3敗）という深刻なスランプに陥った。この歴史的な敗戦により、トッテナムは順位を10位に低迷させ、トップ4争いから大きく後退する危機に瀕している。

序盤の失態が響く、開始6分で0-2

試合は、トッテナムにとって悪夢のような立ち上がりとなった。フラムはアウェイながら積極的な攻撃を仕掛け、トッテナム守備陣の連携ミスを突いた。

前半4分、フラムはサムエル・チュクウェゼの鋭いアシストからケニー・テテがゴールを決め、あっさりと先制点を奪う。さらにその直後の6分、ジョシュア・キングのアシストを受けたハリー・ウィルソンが追加点を叩き込み、わずか6分間でスコアは0-2となった。フラムの素早い攻勢に対し、トッテナムは前線から中盤、最終ラインに至るまで組織的な対応ができず、前半を通じて有効なシュートを記録できない苦しい展開を強いられた。

後半に入り、トッテナムは巻き返しを図る。59分、ルーカス・ベルグバルのアシストからモハンメド・クドゥスが1点を返し、1-2と点差を縮めることに成功した。その後、トッテナムは猛攻を仕掛け、選手交代も駆使して同点ゴールを目指したが、フラムのゴールキーパー、ベルント・レノを中心とした堅守を崩すことはできず、そのまま試合終了のホイッスルを聞いた。

12年ぶりの屈辱、指揮官はファンの反応に言及

この日のトッテナム 対 フラム戦での敗北は、トッテナムにとって極めて重い歴史的な意味を持つ。トッテナムがホームでフラムに敗れたのは、実に12年ぶりのことであり、現在のチームの低迷ぶりを象徴する結果となった。

この敗戦により、トッテナムはプレミアリーグ順位表で10位に沈んでいる。リーグ上位はアーセナル、チェルシー、マンチェスター・シティが熾烈な争いを展開しており、トッテナムはこれらのクラブとの勝ち点差を広げられる一方であり、欧州チャンピオンズリーグ出場権獲得（トップ4）は早くも厳しい状況に追い込まれている。

試合後、フランク・トッテナム監督は記者会見で苦渋の表情を見せた。

「前半6分で2失点したのは非常に難しいことだった。今日はすべてが私たちに不利に回る流れだった」と監督は述べ、序盤の失点が戦術を狂わせた主要因だと分析した。特に2点目の失点については「（ヴィカーリオ）GKのミスだ。だが、それはサッカーではしばしば起こる」と説明し、守護神を擁護する姿勢を見せた。

一方で、監督は試合中のファンからの厳しい反応に対し、「私はファンの反応は理解しにくかった」とコメントし、チームが苦しんでいる状況下でのサポーターの振る舞いについて複雑な心境を覗かせた。

求められる即座の立て直し

トッテナムは直近5試合で3勝1分1敗と成績自体は決して絶望的なものではないものの、肝心な局面での連敗、そして歴史的なホームでの敗戦は、チームの士気と今後の戦いに暗い影を落としている。

勝利を収めたフラムは、この結果によって順位を13位から12位へ浮上させ、中位グループでの戦いを優位に進めている。

トッテナムがトップ4争いに再び加わるためには、この敗北から即座に立ち直り、連勝を重ねることが不可欠となる。次節は12月2日、アウェイでニューカッスルとのタフな一戦が控えている。短期間での守備組織の再構築と、精神的な立て直しが、現在のフランク・トッテナム監督に課せられた最大の課題である。