【鉄腕DASH】社会的資産30年:DASH島サバニ造船と25年目の米作りが迎える歴史的完結
ニュース要約: 放送開始約30年の『ザ!鉄腕!DASH!!』が、DASH島でのサバニ造船とDASH村25年目の米作りを完結させる。TOKIOを中心に地域活性化や環境保全に貢献してきた同番組は、合鴨農法導入など持続可能な農業への挑戦を続け、世代を超えた技術継承を行う「社会的資産」として新たな節目を迎える。
30年の蓄積が支える「社会的資産」 鉄腕DASH、DASH島・村で迎える新たな節目
世代を超えた挑戦、サバニ造船と25年目の米作りが完結へ
長寿番組『ザ!鉄腕!DASH!!』が、放送開始から約30年という歴史の中で、新たな節目を迎えつつある。TOKIOのメンバーが中心となり、無人島の開拓や農業、環境再生に挑む同番組は、単なるバラエティの枠を超え、日本の地域活性化や環境保全に貢献する「社会的資産」としての地位を確立している。
現在、番組の二大柱である「DASH島」と「DASH村」のプロジェクトが、歴史的な完結編を迎えようとしている。11月30日に予定される次回放送では、約11ヶ月間にわたり取り組んできたDASH島のサバニ造船計画が最終章を迎える見通しだ。城島茂、松岡昌宏、森本慎太郎(SixTONES)らが、番組史上初となる本格的な木造帆船「サバニ」を完成させ、航海の安全を祈願し海原へ漕ぎ出す。老朽化した「ディーノ号」に代わる新たな相棒の誕生は、DASH島の開拓史における大きな転換点となる。
同時に、福島県浪江町の「福島DASH村」では、25年目を迎えた米作りが完結編を迎える。220日間にわたる激闘の末に収穫された米は、城島、松岡らベテランと若手メンバーによる「令和のスパルタ餅つき」で、実りの秋を祝う収穫祭を彩る。若手メンバーの参加は、番組の継続性と、TOKIOが長年培ってきた技術と精神を次世代に継承する重要な役割を担っている。
持続可能な農業への挑戦:合鴨農法の導入
今年のDASH村の米作りは、単に収穫量を追うだけでなく、持続可能な農業への挑戦という点で特筆される。25年目の節目として、番組は初めて合鴨農法を導入した。田んぼにアヒルを放し、雑草や害虫を自然に駆除するこの手法は、化学肥料や農薬に頼らない有機栽培を目指すものであり、環境への配慮を重視する番組の姿勢を改めて示した。
また、2025年秋の収穫祭では、地元住民や長年のファンが集い、福島の復興を応援するメッセージが発信された。東日本大震災後、旧DASH村が警戒区域となった後も、TOKIOが福島県産農産物振興のイメージキャラクターを務めるなど、番組が地域支援の象徴として果たしてきた役割は計り知れない。
「鉄腕ダッシュ」が築いた信頼と社会的貢献
『ザ!鉄腕!DASH!!』が、これほど大規模で長期にわたるプロジェクトを成功させられる背景には、番組が30年近くかけて培ってきた強固なブランド力と、行政や専門家からの信頼がある。
特に、環境保全への貢献は公的に評価されている。「DASH海岸」企画では、東京湾の入り江で渚の再生に取り組み、その成果が認められ、国土交通省関東地方整備局から「港湾空港功労(振興発展)者表彰」を受賞した。都市における自然との共存を目指す「新宿DASH」も、大都会の屋上にビオトープを創出し、人と自然が共存できる都市の実現を模索している。
番組は開始当初の「人間の限界」に挑む体力勝負から、2000年代以降、農漁業や環境再生といった長期的な社会貢献型の企画へと軸足をシフトさせた。この戦略転換が、スポンサーや地元自治体との協力関係を強固にし、「数年がかりで成果を出す企画」が視聴者の期待を裏切ることなく成立する好循環を生み出した。
TOKIOのメンバーは、単なるタレントではなく、農業技術や環境再生の専門家としての側面も持つ。城島茂、松岡昌宏らのリーダーシップのもと、森本慎太郎、藤原丈一郎(なにわ男子)ら若手メンバーが積極的に参加することで、番組は安定した視聴率を保ちながら、持続可能な地域振興と環境保全のモデルケースとして、今後もその社会的責任を果たしていくことだろう。
(日本経済新聞社 文化・社会部 報道特別班)