スターフライヤーの高品質戦略が奏功:年末年始予約堅調、国際線再開と運賃体系刷新で次なる成長へ
ニュース要約: スターフライヤーは、高品質戦略と積極的な価格戦略で需要回復を牽引。年末年始の予約率は71.2%と堅調で、JCSIで連続1位を獲得するブランド力が支えとなっている。2026年度中の国際線再開や運賃体系の刷新を計画し、LCCとは一線を画す独自の成長路線を歩む。
スターフライヤー、高品質戦略で需要回復を牽引:年末年始予約は堅調、国際線再開へ布石
【北九州】 航空需要の回復が鮮明となる中、ユニークなビジネスモデルで知られる航空会社スターフライヤー(SFJ/9206)が、高品質なサービスと積極的な価格戦略を両立させ、業績回復の軌道を確固たるものとしている。2026年3月期通期業績予想では営業利益の大幅な伸長を見込む同社は、年末年始の需要期を前に、戦略的な運賃設定と中長期的な国際線再開計画を打ち出し、LCC(格安航空会社)とは一線を画す独自の市場ポジションを築きつつある。
回復基調の国内需要を捉える:年末年始の予約動向
日本国内の航空業界全体がコロナ禍からの回復を加速させる中、スターフライヤーの年末年始期間(2024年12月27日~2025年1月5日)の予約状況も堅調に推移している。提供座席数を前年比100.8%と微増させた上で、予約率は71.2%を確保。業界全体の国内線予約数が前年同期比9.6%増と活況を呈する中、同社は安定した需要を背景に、主要路線における顧客獲得に注力している。
特に注目されるのは、需要喚起を目的とした積極的な価格戦略だ。11月28日から12月4日までの7日間限定で実施されている「STAR LIMITED」特別セールでは、羽田~北九州線が片道8,400円から、羽田~福岡線が9,600円からといった競争力のある運賃が設定された。これは、帰省やレジャー需要が最も高まる時期を前に、質の高いサービスを手頃な価格で提供することで、顧客の囲い込みを図る狙いがある。さらに、航空券とホテルを組み合わせたダイナミックパッケージでも、最大15,000円OFFとなるクーポンを配布するなど、付帯サービスの拡充を通じて予約促進を図っている。
顧客満足度「連続1位」が支えるブランド力
スターフライヤーの最大の強みは、その卓越した顧客満足度にある。日本生産性本部が実施するJCSI(日本版顧客満足度指数)調査において、同社は長期にわたり国内航空部門の最高評価を維持し続けている。直近の調査でも、座席の快適さや機内環境、客室乗務員の質の高さなど、主要な項目で1位を獲得。LCCの低運賃競争とは異なり、「大手航空会社以上のサービス」を提供する独自の地位を確立している。
黒と白を基調としたシックな機体デザイン、全席レザーシート、広い座席間隔、そしてタリーズと共同開発したオリジナルブレンドコーヒーの無料提供など、細部にまでこだわったサービスが、顧客のロイヤリティを高める重要な要素となっている。2022年には定時到着率で世界1位(LCC部門)に認定されるなど、運航品質の高さも、顧客からの厚い信頼を裏付けている。
2026年へ向けた成長戦略:国際線再開と運賃体系刷新
足元の需要回復に加え、スターフライヤーは中長期的な成長戦略を具体化している。2026年3月期第1四半期には、営業損失を大幅に改善し、純利益9,800万円の黒字転換を達成。通期では営業利益21.5億円(前期比74.7%増)を見込んでおり、財務基盤の安定化が進んでいる。
今後の成長を支える柱の一つが、国際線の再開だ。2026年度中には、北九州空港発着の深夜早朝便を中心に国際定期便の再開を目指す。これは、北九州空港の24時間運用という地理的優位性を最大限に活用し、LCCとは異なる時間帯と路線展開で差別化を図る戦略だ。
国内線においても、需要を見据えた路線調整が進んでおり、新たに福岡-仙台線を開設し、好調なスタートを切っている。
さらに、2026年5月からは航空券予約・購入サービスを刷新し、運賃体系をリニューアルする予定だ。これにより、特典航空券の取り扱いを含め、より収益性と顧客利便性を両立させた独自の運賃構造を構築する方針だ。
スターフライヤーは、低価格競争に陥ることなく、「高品質」と「効率運航」を両立させる独自の路線を歩んでいる。国際線再開と運賃体系の刷新は、同社が次の成長ステージへと移行するための重要な試金石となるだろう。その動向は、今後の国内航空市場の競争環境を占う上でも注目に値する。