SGチャレンジカップin福岡：難水面が翻弄！グランプリ出場権を懸けた「得点率争い」の行方

【競艇戦線2025】SGチャレンジカップ終盤戦：難水面が翻弄する「福岡得点率」争い、グランプリ出場権を懸けた最後の勝負駆け

2025年11月29日 ボートレース福岡発

年末のボートレース界最大の祭典、SGグランプリ（賞金王決定戦）への出場権をかけた最後の「勝負駆け」となるSG第28回チャレンジカップが、ボートレース福岡にて熱戦を展開している。11月30日の最終日を目前に控え、予選を通過し準優勝戦へ駒を進めるための「福岡得点率」争いは熾烈を極めている。特に、福岡特有の難水面が選手たちの明暗を分け、賞金ランキングの順位を大きく変動させる要因となっている。

グランプリ2nd発進へ、賞金ランク上位陣の攻防

今大会は、賞金ランキング上位34名が集結し、住之江グランプリの出場権（賞金ランク18位以内）、そして重要な初日免除となる2ndステージ発進権（同6位以内）を狙う最終決戦の場だ。

現時点で賞金トップの佐藤隆太郎選手がF休みの影響で不在の中、池田浩二選手（2位）、茅原悠紀選手（3位）らが2nd発進の座を固めようと奮闘している。しかし、背後からは井口佳典選手や馬場貴也選手といった勢いのある実力者が猛追しており、わずか数万円の差で順位が入れ替わる可能性を秘めている。

特に注目されるのは、直前のG1で優勝し勢いに乗る井口佳典選手（三重）。現在、賞金ランク23位ながら連勝を決めて上位浮上の兆しを見せており、5年ぶりとなるグランプリ出場へ執念を燃やす。ボートレース福岡は井口選手にとって通算勝率7.85を誇る「ドル箱水面」であり、相性の良さが年末の大一番への切符を引き寄せるか注目が集まる。

難水面「福岡」が試す、得点率の安定性

予選突破の鍵を握るのが、無事故完走と安定した着順が求められる福岡得点率だ。今大会、予選道中でトップを快走するのは馬場貴也選手（滋賀）。彼は3連勝を含む好成績で得点率を急上昇させており、モーターの仕上がりも「90点相当」と高評価。福岡の難水面にもかかわらず、その卓越した舟足と安定した操縦技術で、賞金1億円突破の実力を遺憾なく発揮している。

一方、ボートレース福岡が「全国屈指の難水面」と呼ばれるゆえんは、那珂川河口という地理的特性にある。潮位差が大きく、満潮時には海水と淡水がぶつかり合うことで1マーク付近に複雑な「うねり」が発生する。このうねりの影響で、満潮時はインコースが苦戦を強いられ、差しや捲りが決まりやすい変動の激しい水面へと変貌する。逆に干潮時は静水面に近くなり、イン有利の展開に戻る傾向がある。

選手たちはこの潮の干満と、追い風2〜4メートルの風向きを読み切り、刻々と変わる水面コンディションに対応しなければならない。この複雑な環境下で、いかに安定した成績を残せるかが、福岡得点率を維持し、準優勝戦進出を果たすための絶対条件となる。

地元勢の意地と経験値

地元福岡支部からも仲谷颯仁選手をはじめとする5名が参戦しており、九州旋風の中心として活躍が期待されている。SG初出場で初優勝、そしてグランプリ出場という大きな目標を掲げる仲谷選手に対し、地元水面での経験値が光るのがベテラン篠崎元志選手だ。

篠崎選手は、ボートレース福岡で過去7度の優出、3度の優勝実績を持つ「水面を知り尽くした」存在。難水面でのターン技術や展開を読む巧みさは、潮と風に翻弄される得点率争いにおいて大きなアドバンテージとなる。

11月30日の最終日まで、このボートレース福岡でのチャレンジカップの結果が、今年の賞金ランキングを確定させ、グランプリ出場選手18名を決定づける。選手たちは、年末の大舞台への切符を掴むべく、一瞬たりとも気の抜けない最後の勝負に臨んでいる。この激闘の行方は、ボートレースファンの視線を釘付けにしている。