セブンイレブン初の「揚げ物半額」戦略が炸裂！春巻き約60円で在庫切れ続出

セブン-イレブン、初の「揚げ物日替わり半額セール」で集客強化 年末商戦に向けた戦略と消費者の反応

（2025年11月28日、東京）

国内最大手のコンビニエンスストア（CVS）であるセブン-イレブン・ジャパンが、年末商戦の本格化を前に、異例の価格戦略を打ち出し、市場の注目を集めている。同社は11月27日（木）から30日（日）までの4日間限定で、「揚げ物日替わり半額セール」を実施。日々の食卓やおつまみとして人気の揚げ物を、通常価格の半額で提供するという、セブン-イレブンとしては初の試みとなるブラックフライデー連動企画だ。

この大胆な「セブンイレブン 揚げ物 半額」戦略は、物価高騰が続く中で消費者の節約志向が高まるなか、「手軽さ」と「お得感」を両立させることで、来店頻度と客単価の向上を狙う戦略的な一手と見られる。

日替わりで人気商品が半額に、特に「春巻き」に熱視線

今回のセブンイレブン 揚げ物 セールは、対象商品を日替わりで設定することで、期間中の継続的な来店を促す設計となっている。

特に注目されるのは、対象商品のラインナップと割引率の大きさだ。初日27日には「北海道じゃがいもの牛肉コロッケ」（通常108円→54円）が提供され、早速SNS上で「安すぎる」「夕食のおかずに最適」と話題を呼んだ。

そして、本日28日（金）と週末最終日の30日（日）には、隠れた人気商品である「五目春巻」（通常約121円→約60円）が半額で登場する。皮のパリッとした食感と、具材のバランスの良さで知られるセブン 春巻きが約60円という価格で提供されるため、「これは買い占めるしかない」「コスパ最強」といった好意的なコメントが相次ぎ、消費者の熱狂ぶりがうかがえる。

さらに、週末の需要を見越した29日（土）には、ボリューム満点の「揚げ鶏」（通常約241円→約120円）が半額となる。ジューシーな鶏肉にスパイスが効いた味付けで人気の高いこの商品も、セブンイレブン 半額の対象となることで、週末の集客に大きな影響を与えることが予想されている。

CVSの利便性を活かしたFF強化戦略

セブン-イレブンが今回、店内調理品（ファストフード、FF）の中核である揚げ物セールを大規模に展開する背景には、CVSの「生活導線に寄り添う」という利便性を最大限に活かす狙いがある。

揚げ物は、夕食の「あと一品」や、小腹を満たす軽食、あるいは晩酌のおつまみとして、少量かつ手軽に購入できる点が強みだ。セブン-イレブンは、この機会に低価格で提供することで、普段CVSで揚げ物を購入しない層にもアプローチし、リピーター化を促したい考えだ。

また、今回のセールは、米国の大型商戦「ブラックフライデー」に合わせた限定企画という位置づけだ。同社は、大幅割引の既存人気商品と並行して、黒い見た目の「黒いすき焼き春巻き」や「ブラックメロンパン」といった限定商品を展開することで、話題性の創出にも成功している。季節のイベントと連動した多角的な戦略で、多様な消費者のニーズに応えようとしている。

在庫切れへの懸念と市場の反応

この「揚げ物日替わり半額セール」は、消費者行動に即効的な影響を与えている。SNSや口コミでの情報共有により、セール開始直後から多くの店舗で揚げ物コーナーが混雑し、特に夕方の時間帯には在庫切れとなるケースも発生している模様だ。

店舗サイドでは、日替わりの対象商品が店内調理品であるため、在庫管理や揚げたての提供体制維持に追われている状況だ。セブン-イレブン側は、店舗により取り扱い商品や販売開始時間が異なる場合があるとしており、消費者には早めの購入を推奨している。

今回のセブン-イレブンの大胆な価格設定と、それに対する消費者の強い反応は、今後のCVS業界におけるFF戦略、特に「出来立て」の利便性を訴求する販売手法に、新たな方向性を示す可能性を秘めている。競争が激化する小売市場において、CVS各社がどのような集客策を打ち出すか、年末商戦に向けた動向が注目される。（経済部記者）