【ラ・リーガ】久保建英アシストも実らず…ソシエダ、劇的同点から痛恨のアディショナルタイム被弾で2-3敗戦

【ラ・リーガ】レアル・ソシエダ、土壇場で力尽く 2-3敗戦 アディショナルタイム被弾の痛恨劇 久保建英は563日ぶりアシストも実らず CL圏争い正念場

劇的な展開の末、ホームで喫した痛恨の黒星

2025年11月30日（日本時間）、スペイン・ラ・リーガ第14節、レアル・ソシエダはホームのアノエタでビジャレアルと対戦し、2-3で敗北を喫した。一時0-2と大きくリードを許しながらも、後半に驚異的な粘りを見せ、試合終盤に同点に追いつく劇的な展開となったが、後半アディショナルタイムのラストプレーで決勝点を献上。ソシエダ 対 ビジャレアル戦は、選手やサポーターにとって、極めて心理的ダメージの大きい幕切れとなった。

この敗戦により、ソシエダはリーグ戦6試合ぶりの黒星となり、勝点16のまま暫定9位に留まることとなった。これにより、目標とするチャンピオンズリーグ（CL）出場権獲得ライン（上位4位）との差は広がり、シーズン後半に向けて厳しい状況に追い込まれている。

守備の脆さが露呈した前半、久保建英が攻撃の起爆剤に

試合は序盤からビジャレアルの鋭い攻撃に晒された。前半24分、ソシエダはディフェンスラインの連携ミスからペナルティエリア内に侵入を許し、FWアジョセ・ペレスのスライディングシュートで先制点を献上。さらに後半の立ち上がり57分にも、アルベルト・モレイロに追加点を奪われ、0-2と劣勢に立たされた。前半の守備の脆さが、試合の流れを決定づけた要因の一つであったことは否めない。

しかし、ソシエダはここから反撃を開始する。その起点となったのが、日本代表MF久保建英だ。

後半60分、右サイドでボールを受けた久保は、ディフェンダーを引き付けながら正確なラストパスを供給。これを受けたカルロス・ソレールが、ペナルティエリア外から豪快なミドルシュート（ゴラッソ）を突き刺し、1点を返した。久保にとっては、ラ・リーガで実に563日ぶりとなる待望のアシストであり、今季初のリーグ戦アシスト記録となった。久保の創造性溢れるプレーが、停滞していたソシエダの攻撃を活性化させた。

土壇場の同点劇と、時間管理の失敗

レアル・ソシエダはその後も猛攻を続け、試合終了間際の87分、アンデル・バレネチェアが直接フリーキックを鮮やかに決め、ついに2-2の同点に追いつく。アノエタの観客は熱狂に包まれ、このまま勝点1を確保するか、あるいは逆転勝利への期待が高まった。

だが、勝利への執念を見せたのはビジャレアルだった。同点に追いついた直後、ソシエダは時間管理とセットプレーの守備において集中力を欠き、アディショナルタイム5分、再びモレイロにミドルシュートを許す劇的な失点を喫した。0-2から2-2に追いついた粘りが、最後の最後で崩れ去るという、あまりにも痛ましい敗北となった。

イマノル監督の戦術とCL争いの展望

イマノル・アルグアシル監督率いるソシエダは、攻撃的で多層的なボールポゼッションを基軸とし、中央での数的優位を活かす戦術を特徴としている。ビジャレアル戦では、後半に守備を安定させるために5バックに切り替えるなど、状況に応じた戦術的修正を試みたが、最終的に勝ち切るための「仕組み」と粘り強さに課題が残った。

特に、久保の今季初アシストや、ソレール、バレネチェアといったキープレイヤーの決定力が発揮された点はポジティブだが、試合全体を通じて前線の動きがかみ合わない時間帯も散見されており、攻撃組織の統制を早急に図る必要がある。

この敗戦は、CL出場権争いにおいて極めて大きな痛手だ。首位との差が広がる中、ソシエダが欧州最高峰の舞台を目指すには、次節以降、この心理的ダメージを払拭し、久保建英の創造性を最大限に活かしつつ、終盤の集中力を保つ戦い方を確立することが喫緊の課題となる。