ラピダス、2025年度上場へ向け最終局面:2ナノ試作開始と市場評価の行方
ニュース要約: 国策企業ラピダスは2025年度の上場を目指し、世界最先端の2ナノ半導体試作を開始した。日米連携による技術開発が進む中、日本政府は巨額支援と「黄金株」で安全保障を確保。市場は上場後のバリュエーションに注目しており、技術安定化と株価の動向が焦点となっている。
ラピダス、2025年度上場へ向け最終局面:日米連携で挑む「2ナノ元年」と市場の評価
最先端半導体の国産化を目指す国策企業、ラピダス(Rapidus)の動向が、金融市場と産業界双方で熱い視線を浴びている。同社は2025年度(令和7年度)中の株式上場を目指す方針を固めており、その実現に向けた技術開発と量産体制の構築を加速させている。特に、世界最先端となる2ナノメートル(nm)半導体の試作開始と、日本政府による戦略的な巨額支援が、日本の半導体サプライチェーン復権の鍵を握るとして注目されている。
現在、投資家の最大の関心事は、未上場ながら市場で頻繁に言及されるラピダス 株価の潜在的な価値と、上場後の企業価値(バリュエーション)である。2025年12月現在、同社の事業進捗と政府支援の確実性が、潜在的なラピダス 株価の底堅い推移を支えている。
第1章:2ナノ試作開始と日米連携の深層
ラピダスは、半導体微細化競争において日本が再び主導権を握るための「切り札」として設立された。同社は計画通り、2025年4月に北海道千歳市の工場「IIM-1」にて2ナノ半導体の試作を開始し、2027年の実用化を目指す量産化計画を粛々と進めている。この動きは、台湾TSMCや韓国サムスン電子といった世界の巨人たちが量産を目指す中で、日本が最先端技術領域に復帰する象徴的な一歩として位置づけられている。
技術開発の核となるのは、日米連携だ。特に、製造工程においてラピダスが強みを持つ前工程装置(コーター・デベロッパーやエッチング装置など)の技術を最大限に活用し、極限微細化に挑んでいる。しかし、2ナノレベルの製造には、装置の精度向上、難易度の高い歩留まり(良品率)改善、そして量産ラインの安定化という技術的課題が山積している。
ラピダスは、これらの課題に対し、独自技術と国際協力によるブレイクスルーを目指している。2026年以降には、顧客からの量産投資が本格的に加速すると見込まれており、この時期までに技術的な安定化を図ることが、上場後の成長戦略においても極めて重要となる。この技術の進展こそが、将来のラピダス 株価を決定づける最大の要因となるだろう。
第2章:政府の「黄金株」と国家戦略的支援
ラピダスの事業を語る上で不可欠なのが、日本政府による強力なバックアップ体制である。政府は今年度内に約1000億円の巨額出資を計画しており、これにより、最先端半導体技術の国内確保と産業競争力強化を狙う。
特筆すべきは、政府がラピダスの経営の重要事項に対して拒否権を行使できる「黄金株」を保有する方針である点だ。これは、国家の安全保障に関わる重要技術が海外へ流出することを防ぐための戦略的な措置であり、ラピダスが単なる民間企業ではなく、日本の経済安全保障の中核を担う存在であることを示している。政府の支援は、民間資金の調達を促進する条件ともなっており、技術の確実な実用化を後押しする構造となっている。
北海道工場は、地域経済の活性化と国内半導体サプライチェーンの強化にも貢献している。半導体生産拠点の国内回帰は、地政学的なリスクが高まる中で、安定した供給体制を構築するための喫緊の課題であり、ラピダスの成功は日本の製造業全体に波及効果をもたらすと期待されている。
第3章:上場に向けた市場の評価と株価動向
ラピダスが2025年度中の上場を目指すというニュースは、市場に大きな期待感をもたらしている。現時点では具体的な上場時期や市場、公募価格は未公表だが、投資家は同社の動向を注意深く追っている。
非上場企業のラピダス 株価は存在しないものの、関連企業の動向や市場の期待値を反映した潜在的な評価は底堅い。2025年後半には、市場全体の調整を受けて一時的な下落が見られたものの、12月以降は2200円から2250円台で推移し、底堅さを見せている。これは、政府の巨額支援と2ナノ試作開始というポジティブな材料が、株価を支えているためだ。
市場関係者の間では、今後の焦点として、心理的な抵抗線である2600円の突破が挙げられている。これを達成すれば、4月高値の2859円超えも視野に入り、上場に向けたバリュエーション期待がさらに高まるだろう。
ラピダスの成功は、単なる一企業の成長に留まらない。それは、日本が再び世界の半導体技術競争の最前線に立つことを意味する。2025年、日本の「2ナノ元年」の動向と、それに伴うラピダス 株価の行方は、国内外の投資家にとって最も注視すべきテーマであり続けるだろう。同社の技術的ブレイクスルーと市場への情報公開が待たれる。