RADWIMPS 20周年トリビュートが示す「リスペクトの総決算」——米津、YOASOBI、Vaundyら豪華14組が紡ぐ新たな名曲たち

2025年11月19日、日本のロックシーンを長きにわたり牽引し続けてきたバンド、RADWIMPSのメジャーデビュー20周年を記念したトリビュートアルバム『Dear Jubilee -RADWIMPS TRIBUTE-』がリリースされました。発売直後からSNSを熱狂の渦に巻き込んでいる本作は、単なるカバーアルバムの枠を超え、現代のJ-POPシーンにおけるRADWIMPSの音楽的影響力の大きさを改めて浮き彫りにしています。

夢の競演が実現した「奇跡のラインナップ」

アルバムに参加したのは、現在の日本の音楽界を牽引する、まさに「オールスター」と呼ぶにふさわしい14組の豪華アーティストたちです。

ラインナップを眺めると、その幅広さに驚かされます。米津玄師、YOASOBI、Vaundyといった、サブスクリプション時代を象徴するトップランナーたちに加え、SEKAI NO OWARI、Mrs. GREEN APPLEといった同世代のバンド。さらには、宮本浩次氏やハナレグミといったベテラン勢、上白石萌音氏やDISH//といった俳優・アイドル畑まで多岐にわたります。

この多様性が示すのは、RADWIMPSの音楽がジャンルや世代を超えて、いかに多くの表現者に響いてきたかという事実です。特筆すべきは、参加アーティストの多くが特設サイトでRADWIMPSへの深いリスペクトを語っている点です。このトリビュートアルバムは、彼らの楽曲に対する愛と敬意の総決算と言えるでしょう。

楽曲選定の妙と新鮮なアレンジ

収録された14曲は、RADWIMPSの初期の名曲から、時代を象徴するヒット曲まで、バランス良く網羅されています。

中でも大きな話題を呼んでいるのが、米津玄師氏による初期の傑作「トレモロ」のカバーです。米津氏の繊細な声と独特のアレンジが加わることで、原曲が持つ切なさがさらに増幅され、ファンの間で高評価を得ています。また、ずっと真夜中でいいのに。の「有心論」、Vaundyの「前前前世」といった、各アーティストの色が強く出たカバーも聴きどころです。

特にSNSで熱狂的な支持を集めているのが、iri氏による「ふたりごと（一生に一度のワープ）」と、ピアニスト・角野隼斗氏による「すずめ」のピアノアレンジです。iri氏のソウルフルな歌声は、原曲の叙情的な世界観に新たなグルーヴを与え、そして角野氏による「すずめ」は、映画の感動を呼び起こすような、圧倒的な表現力で聴く者を魅了しています。

各アーティストの楽曲選定は、単にヒット曲を選ぶだけでなく、自身が特に影響を受けた曲、思い入れの深い曲を選んでいることが伺え、リスナーにとっても新鮮な発見と感動をもたらしています。

20周年イヤーの熱狂は続く

このトリビュートアルバムのリリースは、RADWIMPSのメジャーデビュー20周年というアニバーサリーイヤーにおける最大のトピックの一つです。

さらにこの盛り上がりを加速させるのが、アルバムのリリースに合わせて開催される『RADWIMPS 20th ANNIVERSARY LIVE TOUR』です。11月22日から24日にかけて横浜アリーナで行われるこの公演には、アルバム参加アーティストがゲストアクトとして登場する予定であり、23日にはVaundy、24日にはYOASOBIが出演を控えています。

トリビュートアルバムで新たに着色された名曲たちが、ライブの現場でどのような化学反応を起こすのか。アーティスト同士のリスペクトが交差するこの記念すべきツアーは、ファンならずとも注目せずにはいられません。

『Dear Jubilee -RADWIMPS TRIBUTE-』は、彼らが築き上げてきた音楽の普遍性と、未来への影響力を証明する金字塔と言えるでしょう。主要配信チャートでも好調なスタートを切っている模様で、現在進行形で日本の音楽シーンの歴史を塗り替える一作となりそうです。サブスクリプションサービスでも全曲配信されており、ぜひこの機会に、時代を超えて愛されるRADWIMPSの名曲の数々を、新たな解釈で楽しんでいただきたいものです。