UEL 0-0ドローの深層:プルゼニ堅守、フライブルクを阻む。鈴木唯人奮闘と3年間の戦術進化
ニュース要約: UEL第5節、ヴィクトリア・プルゼニ対フライブルクは0-0の緊迫したドローに終わった。プルゼニの堅守がフライブルクの攻撃を完全に封じ、決勝T進出を狙うフライブルクは苦境に立たされた。日本人MF鈴木唯人は攻撃を牽引するも無得点。この結果は、両チームが3年間で遂げた戦術的進化と、欧州における日本人選手の存在感を浮き彫りにした。
【UEL深層】ヴィクトリア・プルゼニ 対 フライブルク、緊迫のドローが示す欧州の現在地:3年間の戦術進化と日本人選手の躍動
2025年11月28日(共同通信)
2025年11月27日、欧州サッカーの舞台、UEFAヨーロッパリーグ(UEL)リーグフェーズ第5節で、チェコの強豪ヴィクトリア・プルゼニとドイツ・ブンデスリーガのSCフライブルクが激突した。チェコのドーサン・アリーナで行われたこの一戦は、両者譲らぬ攻防の末、0-0のスコアレスドローに終わった。
この結果、フライブルクは順位を3位に落とし、決勝トーナメント進出へ向け予断を許さない状況となった。一方、国内リーグで圧倒的な強さを見せるヴィクトリア・プルゼニは、欧州の舞台でも強豪相手に無敗を継続。攻守両面で進化を遂げた両クラブの現在地が浮き彫りとなった。
緊迫のスコアレス:鈴木唯人奮闘もプルゼニの堅守崩せず
試合は、ドイツとチェコのサッカー文化を象徴するかのような、明確な戦術のぶつかり合いとなった。
フライブルクは、ジュリアン・シュライマー監督の下、ボール支配率で優位に立ち、組織的なパスワークでプルゼニの守備網を崩そうと試みた。特にこの試合で先発出場した日本代表MFの鈴木唯人は、中盤の攻撃的な位置で69分までプレーし、チームの攻撃を牽引しようと奮闘した。
しかし、ミロシュ・ラジッチ監督率いるプルゼニの守備ブロックは堅牢だった。彼らは自陣で強固な守備陣形を敷きつつ、ボールを奪うと即座に鋭いカウンターを発動。特にフライブルクの最終ラインの背後を執拗に狙う戦術が光り、再三にわたり決定機を創出。フライブルクは守備組織で対抗したものの、プルゼニの粘り強いディフェンスとGKの好セーブにより、最後までゴールを割ることはできなかった。このスコアレスドローは、欧州の舞台で「格上」相手に勝ち点1を死守したプルゼニの戦術的勝利とも言えるだろう。
リーグ戦成績の比較:国内での勢いを欧州に持ち込めるか
2025年秋のリーグ戦成績を比較すると、両チームの置かれた状況の違いが見て取れる。
SCフライブルクは、ブンデスリーガで現在7位(14節終了時点)と、欧州カップ出場圏内を維持する安定した成績だ。守備の組織力は高いが、リーグ戦での得点数(22点)は伸び悩んでいる。
対するヴィクトリア・プルゼニは、チェコ1.リーガで15節を終えて2位につけており、11勝2分2敗、34得点12失点という圧倒的な成績を残している。国内では爆発的な攻撃力と堅守を誇るが、欧州カップのグループステージでは、アタランタやフェネルバフチェといった強豪相手に勝ち点を伸ばしきれず、現在3位に位置している。
プルゼニは、第3節でセリエA首位のローマを2-1で下すなど、国内の好調を背景に、欧州でもその競争力を高めていることは明らかであり、今回のフライブルクとのドローもその実力の裏付けとなった。
2022年UELとの対比:戦術的進化と日本人選手の存在感
今回のヴィクトリア・プルゼニ 対 フライブルクの対戦は、両チームの3年間の戦術的進化を測る格好の機会となった。両チームは2022年のUELグループステージでも激突しており、当時はフライブルクが合計スコアで上回り、グループ突破を果たしている。
当時のフライブルクはクリスティアン・シュツライス監督の下、堅実なサッカーを展開していたが、2025年現在はシュライマー監督に代わり、より攻撃的でポゼッションを重視するスタイルへと進化。一方のプルゼニも、かつての堅守速攻に加え、ポゼッションを取り入れた攻撃的な陣形を採用し、戦術の幅を広げている。
そして、この欧州中堅クラブの激突において、日本人選手の存在感が年々増している点も特筆すべきだ。フライブルクの鈴木唯人が主力として定着したことは、欧州の舞台における日独間の人材交流の活発化を象徴している。
決勝T進出へ向けた次節展望
今回のドローにより、フライブルクは次節の結果が決勝トーナメント進出の鍵を握る。12月11日、ホームでオーストリアのザルツブルクと対戦する予定だが、ザルツブルクには日本代表MF北野颯太が所属しており、日本人選手同士の対決にも大きな注目が集まる。
一方のヴィクトリア・プルゼニは、アウェイでのパナシナイコス戦で勝利を目指す。UELのリーグフェーズは混戦を極めており、ヴィクトリア・プルゼニ 対 フライブルクの戦いの歴史は、今後も両クラブが欧州で生き残りをかける上での重要な指標となり続けるだろう。