【二本松市長選】現職・三保恵一氏が5選達成 8年ぶり激戦、「安定」選択の背景
ニュース要約: 2025年11月30日投開票の福島県二本松市長選挙は、現職の三保恵一氏(76)が新人2氏を破り、見事5選を果たした。8年ぶりの激戦で、三保氏は12,099票を獲得し、約1,600票差で勝利。市民は長期市政の実績と「安定」を選択した形だ。一方で、投票率は54.87%と大幅に低下。5期目となる三保市政には、人口減少対策など喫緊の課題への革新的な取り組みが求められる。
二本松市長選挙、現職三保氏が5選 「安定」選択、8年ぶり激戦制す
【二本松】 2025年11月30日に投開票が行われた福島県二本松市長選挙は、任期満了に伴うもので、現職の三保恵一氏(76)が無所属で立候補し、新人2氏を破って5回目の当選を果たした。前回2021年は無投票だったため、8年ぶりの選挙戦となったが、有権者は長期市政の実績と安定性を選択した形だ。一方で、投票率は前回を大幅に下回り、市民の関心のあり方が問われる結果となった。
安定と継続性を選んだ市民
今回の二本松市長選挙は、現職の三保氏に対し、新人で隠津島神社禰宜の安部章匡氏(44)、同じく新人で宇宙関連企業経営者の高橋翔氏(37)の計3名が立候補し、激しい戦いを繰り広げた。
開票結果(確定)は以下の通りである。
| 候補者名 | 年齢 | 立場 | 得票数 |
|---|---|---|---|
| 三保 恵一 | 76 | 現職 | 12,099票 |
| 安部 章匡 | 44 | 新人 | 10,431票 |
| 高橋 翔 | 37 | 新人 | 682票 |
三保氏は1万2,099票を獲得し、次点の安部氏に約1,600票差で競り勝った。三保氏の当選は、2005年の合併後の二本松市長選挙としては通算5期目となる。
選挙戦の主要な争点は、深刻化する「人口減少対策」と「地域経済の活性化」であり、長期政権の評価が問われた。新人の安部氏と高橋氏は、若さを前面に出し、新しい視点からの政策転換を訴えた。特に安部氏は、三保氏に肉薄する得票を得ており、有権者の中に「変化」を求める声が根強く存在したことを示している。
しかし、結果として三保氏が勝利した最大の要因は、長年にわたる市政運営で培った強固な支持基盤と、高齢化の進む地域における「安定志向」の強さにあると分析される。三保氏は、これまで進めてきた子育て支援や企業誘致などの実績を強調し、市政の継続性を強くアピールした。
投票率低下の背景と課題
今回の二本松市長選挙の投票率は54.87%に留まった。これは、前回2017年の投票率66.24%と比較して11ポイント以上も大幅に低下している。
8年ぶりの選挙戦で、若手候補が挑んだにもかかわらず投票率が低迷した背景には、複数の要因が考えられる。一つには、前回が無投票であったため、有権者の間に選挙への関心自体が希薄化していた可能性。また、現職の地盤が盤石であるとの見方から、「結果は変わらない」という諦念が一部の有権者に広がった可能性も否定できない。
若手候補が提示した「宇宙関連産業」や「新しい経済」といった政策は、若年層や変革を求める層には響いたものの、地域全体の有権者の大多数を占める層には、具体的な生活の安定に直結する現職の実績が重視されたとみられる。
5期目市政に求められる難題
三保氏が5選を果たしたことで、二本松市は今後も安定した市政運営が期待される。しかし、三保市政が直面する課題は極めて重い。
二本松市は、福島県内でも特に人口減少が深刻であり、若者の定住促進と地域経済の再生は待ったなしの状況にある。三保氏が公約に掲げた「地域の継続性」を維持するためには、これまでの施策を継続するだけでなく、若手候補らが示したような新しい視点や産業を積極的に取り入れ、革新的な対策を打ち出す必要に迫られるだろう。
今回の選挙結果は、有権者が「変化」を求めつつも、最終的には「安定」を選択したという複雑な民意を映し出している。5期目となる三保市政には、この有権者の期待と不安を真正面から受け止め、人口減少社会における地域活力の維持という難題にどう立ち向かうのか、その手腕が厳しく問われることになる。