「要塞」ニューカッスルが王者マンCを撃破！バーンズ2発で三連覇に黄信号

「要塞」ニューカッスル、王者を撃破　マンC、三連覇に黄信号――バーンズ2発、堅守速攻が機能

【ロンドン共同】 2025年11月23日。イングランド・プレミアリーグ第12節で波乱が起きた。22日にセント・ジェームズ・パークで行われたニューカッスル 対 マンcの一戦は、ホームのニューカッスルが2-1で勝利し、リーグ王者マンチェスターシティ（マンC）に今季4敗目を喫させた。ハーヴィー・バーンズ選手が劇的な2ゴールを挙げ、エディ・ハウ監督が築き上げた「堅守速攻」の戦術が、世界最高峰の攻撃陣を擁するマンCを打ち破る鍵となった。

この結果、マンチェスターシティは首位アーセナルとの勝ち点差が縮まる可能性が高まり、三連覇達成に向けた道のりに大きな影を落としている。一方、ニューカッスルは本拠地での公式戦連勝を「6」に伸ばし、欧州カップ戦出場権争いへ向けて重要な勢いを獲得した形だ。

膠着破った電光石火の攻防

試合は、ニューカッスルがホームの熱狂的な雰囲気の中で、徹底した守備ブロックを敷く展開で始まった。ペップ・グアルディオラ監督率いるマンチェスターシティは、得意とするポゼッションで試合を支配しようと試みたが、ニューカッスルの中盤での激しいプレッシングと組織的な守備の前に、効果的な攻撃の糸口を見つけられないまま前半を終えた。

均衡が破れたのは後半に入ってからである。64分、ニューカッスルの中盤がボールを激しく奪取し、即座に前線へフィード。このカウンターアタックから、ハーヴィー・バーンズが冷静にゴールネットを揺らし、先制点を奪った。

しかし、王者はすぐに反撃に出る。わずか4分後の68分、DFルベン・ディアスがヘディングで同点弾を叩き込み、試合は再び振り出しに戻った。この同点ゴールで、誰もがマンチェスターシティが流れを引き寄せるものと予想した。

だが、セント・ジェームズ・パークの「要塞」は崩れなかった。同点に追いつかれた直後の70分、CKのこぼれ球を再びバーンズが押し込み、ニューカッスルが勝ち越し点を奪取。この電光石火の攻防こそが、このニューカッスル 対 マンcの試合の決定的な瞬間となった。その後、マンCは猛攻を仕掛けたが、ニューカッスルの粘り強い守備とGKの好セーブの前に、最後までゴールを割ることはできなかった。

スター対決不発、光った「要塞」の結束力

今回のニューカッスル 対 マンc戦は、両チームのスター選手、マンCのアーリング・ハーランドとニューカッスルのアレクサンダー・イサクのストライカー対決も注目を集めた。だが、試合の勝敗を分けたのは両ストライカーではなく、ニューカッスルのバーンズの決定力と、チーム全体の献身的な守備戦術であった。

特に、マンチェスターシティのハーランドは、幾度かシュートチャンスを迎えたものの、ニューカッスルの堅守に阻まれ、得点には至らず。一方、イサクもこの試合では目立ったプレーは報じられていない。ニューカッスルは、特定の個人技に頼るのではなく、中盤でのボール奪取を徹底し、縦への速攻を効果的に繰り出すことで、欧州最強とも称されるマンCの攻撃を封じ込めることに成功した。

エディ・ハウ監督の戦術は極めて明確であった。マンCのポゼッションを許容しつつ、中央を固め、サイドのスペースを消す。そして、ミスを誘発した瞬間に一気にギアを上げ、少ない手数でゴールを奪う。この堅実な「要塞」戦術が、ホームでの連勝記録を伸ばす原動力となっている。

王者マンC、三連覇の重圧増大

マンチェスターシティにとって、この敗戦は単なる勝ち点3の喪失以上の意味を持つ。シーズン序盤から安定感を欠き、既に4敗目を喫したことは、リーグ三連覇という偉業達成に向けて大きな懸念材料となる。

特に、同点に追いついた直後の失点は、王者に求められる精神的な強靭さの欠如を示唆する。ニューカッスルのような堅守速攻型のチームに対し、いかに攻撃のバリエーションを増やし、守備を崩すかが、グアルディオラ監督の喫緊の課題となる。

これまで、ニューカッスル 対 マンcの対戦はマンCが圧倒的な優位性を保ってきた歴史がある。しかし、今回の敗戦は、プレミアリーグのタイトルレースが、特定のビッグクラブだけのものではなくなったことを改めて示した。首位を走るアーセナルや、追随するリバプールなどとのポイント差が縮まる中、マンチェスターシティは、今後の過密日程を乗り切るため、早急なチームの立て直しが求められる。

このニューカッスルの戦術的勝利は、プレミアリーグの順位争いに新たな波乱をもたらし、欧州サッカー界の注目をさらに集めることになるだろう。