【ブンデスリーガ】日本人対決が激化！伊藤洋輝が復帰アシスト、鈴木唯人2戦連発もバイエルンが怒涛の逆転勝利で首位独走

【ブンデスリーガ深層】日本人対決が彩った激戦：バイエルン、怒涛の逆転劇で首位独走へ

伊藤洋輝は復帰戦で劇的アシスト、鈴木唯人は2戦連続ゴールを記録

2025年11月23日

【ミュンヘン共同】ブンデスリーガは22日、第11節が行われ、アリアンツ・アレーナでは首位を走るバイエルン・ミュンヘンとフライブルクが激突した。この一戦は、バイエルンのDF伊藤洋輝が約8か月ぶりの公式戦復帰を果たし、フライブルクのFW鈴木唯人が2試合連続ゴールを決めるなど、日本人選手が両チームの命運を握る活躍を見せ、最終的にバイエルンが6-2で劇的な逆転勝利を収めた。

この勝利により、バイエルンミュンヘンはリーグ戦11戦負けなしを維持し、首位独走態勢をさらに強固なものとした。一方、フライブルクは連勝がストップしたものの、鈴木の躍動は今後の戦いに大きな期待を抱かせるものとなった。

鈴木唯人が先制、フライブルクが掴んだ一時的優位

試合は序盤から波乱の展開となった。アウェイのフライブルクは、前節で好調ぶりを見せつけた鈴木唯人が先発出場し、その期待に応える。前半12分、鈴木は相手守備陣の隙を突き、冷静にゴールネットを揺らして先制点を奪取。さらに17分にも追加点を奪い、フライブルクが0-2とバイエルンを相手にリードを広げるという、誰もが予想しなかった展開となった。

特に鈴木の先制点は、フライブルクの堅守速攻の戦術を体現するものであり、現地メディアも「ブンデスリーガの注目株」としてその成長を高く評価している。日本代表にとっても、2026年北米ワールドカップに向けた重要な戦力として、彼の継続的な活躍は朗報となる。

しかし、王者はこのままでは終わらない。バイエルンは22分にレナート・カールが1点を返し、前半を1点差で折り返す。ヴァンサン・コンパニ監督が敷く攻撃的ポジショナルプレーが後半に入り爆発力を発揮し始めた。

復帰の伊藤洋輝が魅せた「高精度ロングパス」

後半、バイエルンミュンヘンは怒涛のゴールラッシュを見せる。55分にダヨ・ウパメカノが同点弾を決めると、立て続けにハリー・ケーンらが得点を重ね、一気に6-2と試合をひっくり返した。この圧倒的な攻撃力の背景には、守備ラインの安定化が不可欠だった。

その安定化に貢献したのが、約8カ月間、右足中足骨の骨折で長期離脱していたDF伊藤洋輝の復帰だった。伊藤はチームが3点リードした後半38分（83分）、パヴロヴィッチに代わり左サイドバックとして投入された。実に238日ぶりの公式戦出場である。

守備固めとしての役割が期待された伊藤だったが、投入直後に驚くべき攻撃的貢献を見せる。84分、左サイドでボールを奪取した伊藤は、約40メートルに及ぶ「高精度ロングパス」を右サイドへ供給。この完璧なサイドチェンジを受けたFWミカエル・オリズがダメ押しとなる6点目を決め、伊藤は復帰戦でいきなりのアシストを記録した。

現地メディアも絶賛、「試運転成功」と重要戦力への期待

バイエルン 対 フライブルクの一戦は、日本人選手の活躍が際立ったことで、ドイツ国内でも大きな話題となった。

長期離脱明けながら即座に結果を出した伊藤洋輝に対し、ドイツ誌キッカーや現地スポーツメディアからは「試運転成功」「守備の安定化に貢献した」と絶賛の声が上がっている。バイエルンのスポーツディレクターも「伊藤はチームの重要な柱になる」と期待を寄せ、今後、主力DF陣に続く重要なローテーションの一角として、左サイドの戦力強化に繋がると見られている。

一方、鈴木唯人の2試合連続ゴールは、フライブルクの攻撃の核としての地位を確立しつつあることを示している。リードを守り切れなかった悔しさは残るものの、ブンデスリーガという最高峰の舞台で、若き日本人アタッカーが強豪バイエルン相手に結果を出した事実は重い。

結び：W杯へ向けた日本人選手の存在感

今回のバイエルン 対 フライブルクの激戦は、単なるリーグ戦の一試合に留まらない。ブンデスリーガのトップレベルで、伊藤洋輝と鈴木唯人という二人の日本人選手が攻守両面で決定的な役割を果たしたことは、欧州における日本人選手の評価を一層高めるものとなった。

特に、長期離脱から復帰した伊藤がすぐに結果を出し、鈴木が継続的な得点能力を示していることは、森保ジャパンにとって非常に大きな好材料だ。2026年北米W杯へ向け、この二人の「サムライブルー」の戦士が、ドイツの地でさらにその存在感を増していくことに、日本のサッカーファンは熱い視線を送っている。