森保ジャパン100試合目 ボリビア戦スタメン深層:久保・南野軸、守備と攻撃の「連動」を追求
ニュース要約: 2025年11月18日、森保監督の代表指揮100試合目となるボリビア戦のスタメンが発表された。前戦から7人変更し、久保建英、南野拓実らを軸に、守備の安定と攻撃の「連動」を追求する実験的な布陣を採用。W杯に向けた戦力見極めと、フィジカルに勝るボリビアをいかに崩すか、森保ジャパンの新たな挑戦を占う一戦となる。
【深度分析】森保ジャパン、代表100試合目の節目へ―― ボリビア戦スタメンに垣間見る「新たな守備と攻撃の連動」の狙い
2025年11月18日、サッカー日本代表は国立競技場にてキリンチャレンジカップ2025でボリビア代表と対戦する。FIFAワールドカップ北中米大会への出場権を既に手中に収めた森保ジャパンにとって、この南米の難敵との一戦は、本大会に向けた戦術の深化と新戦力の見極めを図る、極めて重要な試金石となる。
森保一監督は、このボリビア戦が自身にとって代表監督として指揮を執る100試合目という節目の試合となる。指揮官は、勝利はもちろんのこと、チームの完成度を高めるための実験的な布陣を採用した。
第1章:ガーナ戦から7人変更、守備の安定と攻撃の連動を追求
試合に先立って発表された日本代表のスターティングメンバーは、前回のガーナ戦から大幅に7人が入れ替わる大胆なものとなった。
特に注目すべきは守備陣だ。GKには早川友基選手が2試合連続で起用され、DFラインは菅原由勢選手、谷口彰悟選手、板倉滉選手、瀬古歩夢選手という構成。谷口選手と板倉選手を中心に、守備の安定化を図りつつ、サイドバックの菅原選手と瀬古選手が攻撃に厚みを持たせる役割を担うと見られる。
中盤では、キャプテンの遠藤航選手がアンカーとして君臨する中、南野拓実選手、鎌田大地選手が並び、高い位置でのボール奪取と素早い攻撃への切り替えを担う。そして、前線には久保建英選手が2試合連続で先発。怪我で欠場となった三笘薫選手や伊東純也選手の穴を埋めるべく、南野選手や前田大然選手らと共に攻撃の核となることが期待される。
この布陣は、守備の連動性を高めると同時に、久保選手や南野選手といった創造性豊かなアタッカーを軸に、ボリビアのハードなプレスをいかに潜り抜けるか、森保監督の狙いが透けて見える。
第2章:FIFAランク76位の実力――高地戦を離れたボリビアの脅威は
対戦相手のボリビア代表は、最新のFIFAランキングで76位(日本は19位)と、数字上は格下に見えるかもしれない。しかし、彼らの実力はランク以上の警戒が必要だ。
ボリビアは南米サッカー連盟(CONMEBOL)に属し、通常、ホームゲームでは標高4000mを超える高地(エルアルトなど)を主戦場とする。この「高地アドバンテージ」は、相手の体力を極端に奪う強力な武器であり、事実、彼らはW杯南米予選で強豪ブラジルを1-0で破るなど、ホームでは驚異的な勝負強さを見せつけた。
しかし、今回の試合は日本での開催であり、ボリビアの最大の武器である高地条件は消える。アウェーでの成績が振るわないボリビアにとって、日本でのゲームは組織力と攻撃力を試される試練となるだろう。彼らは高い身体能力とハードな守備をベースとするため、日本としては、素早いパス回しとサイドチェンジで相手のプレスを回避し、組織的な攻撃で崩す戦略が求められる。
第3章:「連動」と「決定力」が勝利の鍵
日本代表がボリビア戦で確実に勝利を収めるためには、二つの要素が不可欠となる。一つは「連動した守備」、もう一つは「決定力」だ。
ボリビアのフィジカル勝負に付き合わず、中盤の遠藤、鎌田両選手を中心に、ボールを失った際の素早い切り替えとプレスで相手の攻撃の芽を摘むことが重要となる。特に、久保選手や南野選手、鎌田選手といった創造性を持つ選手たちが、中盤でのボール奪取からいかに素早くゴールに結びつけるかがポイントだ。
また、今回は負傷者がいる中で、GK早川選手やDF瀬古選手といった新戦力、あるいは若手選手の活躍にも期待が集まる。ガーナ戦でデビューを飾った北野颯太選手や後藤啓介選手ら、次世代を担う選手たちが、この国際親善試合という舞台でどれだけ実力を発揮できるか。彼らのパフォーマンスは、森保監督が目指す「次のW杯に向けた戦力層の厚さ」を測る重要な指標となる。
森保監督の代表戦100試合目という節目を、勝利と戦術的な手応えという二つの実りある結果で飾れるか。国立競技場での一戦は、今後の日本代表の未来を占う上で、決して見逃せない戦いとなるだろう。(了)