GU×EG(エンジニアド ガーメンツ)初コラボ決定!高価格帯の哲学を「GU価格」で実現
ニュース要約: カジュアル衣料のジーユーは、NY発「エンジニアド ガーメンツ」との初の協業コレクションを12月5日に発売。通常高価格帯のEGのデザイン哲学を、2,990円から9,990円のGU価格で提供する。ミリタリーやワークウェアを再解釈した「Manhattanism」コレクションは、ファストリ戦略の深化を示す試みとして注目を集めている。
ジーユー、NY発「エンジニアド ガーメンツ」と初の協業
2025年12月5日発売、高価格帯ブランドの哲学を「GU価格」で再構築
【東京=経済部】
カジュアル衣料大手のジーユー(GU)は、ニューヨークを拠点とする人気ファッションブランド、エンジニアド ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS、以下EG)との初のコラボレーションコレクションを、2025年12月5日(金)に全国の店舗およびオンラインストアで発売すると発表した。今回の協業は、EGが持つ精緻な「ものづくり」の哲学と、ジーユーが掲げる「YOUR FREEDOM」のブランドメッセージが共鳴した結果であり、通常高価格帯で展開されるEGの世界観を、2,990円から9,990円という「GU価格」で消費者に提供する戦略的な試みとして、市場の注目を集めている。
ファストリ戦略の深化:ユニクロに続くEGとの連携
今回の「gu エンジニ アード ガーメンツ」コラボレーションは、ファーストリテイリンググループにおけるブランド戦略の深化を象徴している。すでに姉妹ブランドであるユニクロ(UNIQLO)は、過去にEGとの協業実績があり、高い人気を博してきた。それに対し、よりトレンド性と自由な着こなしを提案するジーユーがEGとタッグを組むことで、EGが持つミリタリーや古着をベースとした重層的なデザインを、さらに幅広い客層、特に若年層に向けて展開することが可能となる。
コレクションのテーマは「Manhattanism」。1970年代のニューヨークのムーブメントに着想を得ており、古着やワークウェア、ミリタリーといったアメリカ由来の要素を、EGのデザイナーである鈴木大器氏の視点を通じて再解釈し、遊び心あるディテールを加えて再構築している。
ディテールに宿るEGのこだわり:コスパを凌駕するデザイン性
今回展開されるのは、メンズウェア全5型。アイテム一つ一つに、EGらしいギミックとデザイン的こだわりが凝縮されている。
特に注目されるのは、主役級アウターの「パデッドシェルパーカ by EG」(9,990円)だ。中綿入りで高い保温性を持ちながら、背面に大きなポケットを配するEG特有の機能的なデザインが施されている。また、「ケーブルショールカラーカーディガン by EG」(4,990円)は、ざっくりとしたケーブル編みの温かみあるデザインに加え、肘部分に編み地で表現されたエルボーパッチ風のディテールがアクセントとなっている。
さらに、秋冬の定番アイテムである「ボアフリーススナップパーカ by EG」(4,990円)や、「ヘビーウェイトスウェットプルオーバー by EG」(2,990円)といったアイテムも、単なるベーシックウェアに留まらず、EG流のレイヤードとディテールへのこだわりが加わることで、高見えする洗練された印象を与えている。
この価格帯で、EGの世界観を体現するアイテムが手に入ることは、普段高価格帯のデザイナーズブランドに手が届かないファッション愛好家にとって、極めて魅力的な提案となる。
入手競争必至の販売戦略と先行情報
今回のコラボレーションは、その話題性から発売と同時に激しい入手競争が予想されている。ジーユーは、オンラインストアでの販売開始時刻を午前8時15分に設定し、購入制限を「1人1柄2点まで」と設けるなど、混乱を避けるための対策を講じている。
また、発売に先立ち、消費者の期待を高めるためのプロモーションも展開される。11月26日(水)からは、GU銀座店、GUマロニエゲート銀座2、GU渋谷店の3店舗限定で、本コレクションと連動したウィンドウ特別装飾を実施。さらに、12月1日(月)には、GUの「LIVE STATION」にて全アイテムの先行実物レビューが配信される予定だ。GUデザイナーが登壇し、初コレクションの「知られざる裏側」や商品開発のこだわりを紹介することで、デザインの深部に迫る情報提供を行う。
ファッション業界の動向:ハイブランドとファストリテールの融合
今回のGU×ENGINEERED GARMENTSの協業は、ファッション業界全体における「ハイ・アンド・ロー」の融合トレンドを改めて示すものだ。ファストリテーリンググループは、傘下のブランドを通じて、世界的なデザイナーやブランドのクリエイティブな視点を、手頃な価格で提供するビジネスモデルを確立している。
これにより、消費者はトレンドを追い求めるだけでなく、EGのような確固たる哲学を持つブランドの「ものづくり」を、日常のワードローブに取り入れることが可能となる。2025年秋冬のメンズファッションにおいて、この「Manhattanism」コレクションが、低価格ながらも品質とデザインに妥協しない、新たなスタイリング術を提案することは確実であり、市場の反応が今後のコラボレーション戦略の重要な指標となるだろう。