箕面大滝の老舗茶店が全焼：名物「もみじの天ぷら」の拠点喪失、紅葉観光に大打撃

【独自】紅葉名所、箕面大滝の老舗茶店が全焼　名物「もみじの天ぷら」の拠点喪失、観光文化財と地域経済に深刻な打撃

― 紅葉シーズン直撃、滝道一部閉鎖で観光戦略の再構築急務 ―

2025年11月25日 大阪・箕面

2025年11月24日深夜、大阪府箕面市の観光名所である<箕面大滝>の至近に位置する茶店で大規模な火災が発生し、木造2階建ての店舗が全焼した。この<箕面 火事>は、秋の紅葉シーズン最盛期を直撃。地域を代表する名物「<もみじの天ぷら>」の製造・販売を担う拠点が失われたことで、箕面市の観光文化財と地域経済に深刻な打撃を与えている。

箕面大滝のシンボル焼失：文化と経済への衝撃

火災が発生したのは24日午後11時頃。出火したのは、日本の滝百選にも選ばれる<箕面の滝>のすぐそばにある茶店「楓来坊」と見られている。消防車約20台が出動し消火活動にあたったが、火勢が強く、鎮火まで約11時間を要し、店舗は全焼した。周辺の紅葉の木々の一部にも延焼が確認された。幸い、けが人は出ていない。

全焼した店舗は、観光客が<箕面の滝>を訪れる際の休憩所であり、名物の「もみじ天ぷら」を提供する老舗として知られていた。「もみじの天ぷら」は、専用に栽培されたモミジの葉を丁寧に揚げた伝統の味であり、近年は海外からの訪問者にとっても「体験型観光」の象徴として高い人気を誇っていた。

関係者によると、店舗は閉店時に施錠と火の始末を確認済みであり、ストーブなども使用していなかったという。警察は、失火や放火などあらゆる可能性を視野に入れ、出火原因の特定を急いでいる。

紅葉狩り直撃：滝道、一部立ち入り禁止に

今回の<箕面の滝 火事>による影響は、地域経済だけでなく、紅葉狩りの観光体験にも及んでいる。

火災現場が近接しているため、現在（25日時点）、滝前エリアは立ち入り禁止措置が取られており、<箕面大滝>への直前アクセスが不可能となっている。滝道の一部区間も通行止めとなり、紅葉シーズンを心待ちにしていた観光客に大きな影響が出ている。

箕面公園の紅葉は例年よりやや遅れており、11月下旬から12月上旬にかけて最も見頃を迎える予定だ。箕面市観光協会は、滝道沿いの他の約10軒の店舗では引き続き「もみじの天ぷら」の販売を継続しているとし、紅葉狩り自体は可能であることを周知している。

しかし、観光客の多くが目的地としていた滝前エリアが閉鎖されたことで、観光客の動線が短縮され、周辺の土産物店や飲食店への波及効果の減少が懸念される。特に、伝統的な製造工程を経る「もみじの天ぷら」の供給体制が揺らいだことは、地域ブランドの維持という観点からも看過できない打撃だ。

復興への課題：伝統の味の再生と防火体制の強化

「もみじの天ぷら」は、単なる土産物ではなく、箕面の歴史と文化を体現する地域資源である。その製造は手作業に依存する部分が大きく、今回全焼した店舗の再建には、建物の復旧に加え、伝統の技術を継承し、製造体制を再構築する長期的な計画が不可欠となる。

箕面市観光協会は、火災の影響を最小限に抑えるため、代替観光ルートの提案や、滝道以外の紅葉スポットのPRを強化している。しかし、観光客の呼び戻しと、地域資源のブランド価値を守るためには、官民一体となった復興支援と、積極的な情報発信が求められる。

また、今回の火災は、自然公園内に存在する木造観光施設における防火対策の甘さを浮き彫りにした。貴重な自然環境への延焼を防ぐための緊急対応体制の整備、火災感知器や自動消火設備の強化、そして観光客や地域住民への防火意識の徹底的な啓発が、今後の喫緊の課題となる。

<箕面 火事>がもたらした損失は計り知れないが、地域を支えてきた文化と伝統の火を絶やさぬよう、早期の復旧と再生に向けた連携が強く望まれている。