【ヨハネスブルグG20】メローニ首相、アフリカ戦略「マッテイ・プラン」の全貌を公開:移民・エネルギーの新たな軸
ニュース要約: イタリアのメローニ首相はヨハネスブルグG20で、アフリカ外交の戦略「マッテイ・プラン」を提示した。これは、エネルギー安全保障と不法移民問題の根本解決を目指すもので、アフリカでの経済機会創出を重視する。日本との協力強化や、移民対策の実効性を高める外交成果も示し、イタリアの国際的地位向上を印象づけた。
メローニ首相、ヨハネスブルグで示す「マッテイ・プラン」の全貌:アフリカ外交と移民問題の新たな軸
【ヨハネスブルグ発 2025年11月23日 共同】 イタリアのジョルジャ・メローニ首相は、2025年11月22日に南アフリカ共和国のヨハネスブルグで開催されたG20サミットに出席し、国際社会に向けてイタリアのアフリカ外交における戦略的な方針を明確に打ち出した。特に、エネルギー安全保障と不法移民問題の根本解決を目指す「マッテイ・プラン」の推進が焦点となり、グローバルサウス諸国との連携強化を通じて、イタリアの国際的な存在感を高める重要な機会となった。
アフリカ外交の核心「マッテイ・プラン」の射程
メローニ政権は、2022年末の就任以来、長年の懸案である不法移民問題とエネルギー自立の実現を両立させる外交戦略として、「マッテイ・プラン」を掲げている。これは、イタリアの国営エネルギー企業ENIの創業者にちなんで名付けられ、従来の援助とは一線を画す「共生」の哲学に基づく。
ヨハネスブルグでのG20サミットのテーマ「誰一人取り残さない包摂的で持続的な経済成長」の下、メローニ首相は、アフリカ諸国とのエネルギー協力強化を強く訴えた。イタリアをアフリカから欧州へのエネルギー供給拠点とする構想は、ロシア依存からの脱却を目指す欧州全体のエネルギー安全保障に直結する。
同時に、このプランは不法移民問題への「出発地国での機会創出」という根本的なアプローチを重視している。貧困や紛争が移民の動機となっている現状に対し、教育、医療、農業、インフラなど多分野での協力を拡大することで、アフリカ諸国の経済発展を支援し、結果的に不法移民の流出を抑制することを目指す。これは、欧州が直面する移民危機に対し、イタリアが「内輪の問題」ではなく「グローバルな課題」として解決に乗り出す姿勢を示すものだ。
日本との「ハグ」が象徴する協力関係の強化
ヨハネスブルグのG20サミットは、国際的な連帯を示す場でもあった。メローニ首相は、日本・高市早苗首相と初対面し、親密なハグを交わす場面がSNSでも大きな話題となった。この象徴的な瞬間は、日伊両国間の協力関係の強化を内外にアピールする出来事となった。
両首脳は、ウクライナ支援や経済安全保障、先端技術・エネルギー分野での連携を確認したと見られる。イタリアはG7の一員として、また、グローバルサウスとの連携を深める欧州の主要国として、アジアの主要国である日本との協調を深めることで、国際的な課題解決における影響力の拡大を図る狙いがある。
移民対策の実効性を高める外交成果
メローニ首相の外交努力は、移民対策において具体的な成果を生み出しつつある。ヨハネスブルグでの会談前後、イタリアは北アフリカ諸国との連携を強化し、特にチュニジアとの間で移民の取り締まりや管理に関する協定を締結するなど、移民流入抑制に向けた実効的な一歩を踏み出した。
メローニ首相は、G20の場でも、開発支援と移民管理を不可分一体のものとして捉える必要性を訴え、アフリカへの投資を通じて経済機会を創出することが、人々が危険なルートで欧州へ移動する動機を減らす最良の策であると強調した。これは、単なる国境警備強化に留まらない、持続可能な解決策を模索するイタリアの強い意志の表れと言える。
さらに、メローニ首相は2023年12月のCOP28においても、アフリカ諸国に対し40億ユーロの気候基金を表明しており、気候変動対策と経済発展を支援することで、グローバルサウスへの影響力を着実に高めている。
G7議長国としての展望
メローニ政権の外交は、欧州の枠を超え、グローバルサウス諸国との関係強化に深く注力することで、イタリアの国際的地位を押し上げている。ヨハネスブルグでのG20サミットは、イタリアがエネルギー、移民、経済協力といった分野で、国際的な連携を主導できる立場にあることを示唆した。
メローニ首相は、今後、G7議長国としての役割も担う中で、「マッテイ・プラン」を国際的な開発協力のモデルケースとして提示し、アフリカへの投資や開発支援をG7の主要アジェンダに据えることが予想される。メローニ首相の強力なリーダーシップの下、イタリア外交は、伝統的な欧州の内政問題から、グローバルな課題解決のフロントランナーへと軸足を移しつつある。国際社会は、イタリアが今後、グローバルな安全保障と経済の安定にどのような貢献を果たしていくのか、その動向を注視している。