プレミアリーグ名門リバプールが中位低迷！守備再建へ冬の補強、CBグエイ獲得競争激化

【プレミアリーグ】名門リバプール、まさかの中位低迷の行方 守備再建へ「冬の補強」に活路か — 遠藤航の去就にも注目、CBグエイ獲得競争激化

（ロンドン発 2025年12月1日 共同通信）

イングランド・プレミアリーグの名門リバプール（リヴァプール）が、2025-26シーズンの中盤を迎え、かつてない低迷に苦しんでいる。ユルゲン・クロップ監督率いる「赤き軍団」は、現在おおむね12位から13位前後に位置し、獲得勝ち点も12～18点の間で推移。首位を快走するアーセナル（勝ち点29）や、マンチェスター・シティ、チェルシーら上位陣とは大きく差をつけられており、現時点で優勝争いから一歩後退している状況だ。

この低迷の最大の要因は、守備の不安定さにある。今季はDFイブラヒマ・コナテ選手の離脱や怪我の影響が響き、失点が重なる試合が目立っている。年末年始の過密日程を目前に控え、リバプールが巻き返しを図るためには、守備の立て直しと、来年1月の冬の移籍市場での適切な補強が最優先課題となっている。

深刻化する守備の課題と過密日程への対応

リバプールは、12月3日のサンダーランド戦（ホーム）から、年末年始にかけて極めて集中した過密日程に直面する。この期間は、プレミアリーグの試合に加え、欧州カップ戦も重なる可能性があり、選手たちの体力消耗は避けられない。

中位に沈む現状において、クロップ監督は戦術的な調整を迫られている。通常のフル出場によるハイプレス戦術の維持は難しく、主力選手の疲労管理を目的としたローテーション戦略の活用が鍵となる。また、攻撃的な組み立てに時間をかけられない中、コーナーキックやフリーキックといったセットプレーの精度向上が、苦しい状況での勝ち点確保に不可欠となる。

しかし、最も懸念されるのは、疲弊したディフェンスラインの統制だ。守備の堅牢性を高めなければ、過密日程の中でカウンターから失点を重ね、さらなる順位の下降を招きかねない。このため、クラブは「冬場に支出が必要」との判断に至っている。

守備再建の切り札 マルク・グエイ獲得競争

リバプールが1月の移籍市場で最優先するのは、守備陣、特にセンターバック（CB）の補強である。

その最有力候補として、クリスタル・パレス所属のイングランド代表DF、マルク・グエイ選手（25）が再び浮上している。リバプールは今夏もグエイ選手の獲得に動いたが、成立には至らなかった経緯がある。

現在、グエイ選手は2026年夏のフリー移籍が有力視されているが、リバプールは守備再建の緊急性を鑑み、1月市場での前倒し移籍を検討する可能性が報じられている。前倒し移籍の場合、約3500万ポンド（約65億円）の移籍金が発生する見込みだ。バイエルン・ミュンヘンなど他クラブとの争奪戦が激化する中、リバプールが、目先の戦力補強と財政的なリスクをどのように天秤にかけるのか、クラブの決断に注目が集まる。

センターバック以外にも、選手層の厚みに不安が残るサイドバックやボランチの補強も視野に入れられており、戦力の底上げが図られる見通しだ。

日本人選手の去就と新たな逸材

リバプールに所属する日本代表MF、遠藤航選手（34）の去就も、冬の移籍市場の焦点の一つとなっている。今季は出場機会が激減しており、遠藤航選手がチームを離れる可能性が高いと複数のメディアが予測している。

一方で、リバプールは将来を見据えた投資も進めている。日本の20歳の若手有望株（イチハラ選手と報じられている）が、リバプールを含む欧州複数クラブから強い関心を集めており、今冬の移籍市場で欧州移籍が実現する可能性も否定できない状況だ。リバプールがこの逸材獲得に成功すれば、遠藤航選手退団後の日本人選手枠を巡る動向としても大きな注目を集めることになる。

名門リバプール（リヴァプール）が、現在の低迷を乗り越え、再びプレミアリーグのトップ争いに復帰できるかは、年末年始の過密日程の戦術的運用と、マルク・グエイ選手を筆頭とした1月の移籍市場での守備補強の成否に懸かっている。（了）