ローソン「盛りすぎチャレンジ」秋の陣、50%増量で再来！企業戦略と消費者心理

物価高騰下で再び！ローソン「盛りすぎチャレンジ」秋の陣、異例の追加開催が示す戦略と消費者心理

【2025年11月14日 記者：田中 悠馬】

全国の消費者がその動向に注目するローソンの「盛りすぎチャレンジ」が、この秋、再び実施されることが決定した。創業50周年を記念する「マチのハッピー大作戦」の一環として、来る11月18日（火）から2週間にわたり、価格を据え置いたまま対象商品の内容量を約50%増量するという、異例の「感謝の追加開催」が全国のローソン店舗で展開される。

物価上昇が生活を圧迫する昨今、消費者は「お得感」と「価値」に対して極めて敏感になっている。ローソンが仕掛けるこの大胆な「コスパ戦略」は、単なる販売促進に留まらず、現代社会における消費者心理と深く結びついたマーケティング現象として、大きな注目を集めている。

購買意欲を刺激する「視覚的なお得感」

ローソンの「盛りすぎチャレンジ」が成功を収めている最大の要因は、その圧倒的な「視覚的インパクト」にある。商品パッケージには「50％増量」の文字が踊り、従来品と比較した際の一目瞭然のボリューム感は、消費者に即座に「得をした」という感覚を与える。

過去6回の開催を通じて、このキャンペーンはすでに「社会現象」の域に達している。特に「盛りすぎ！」というユニークなネーミングと、期間限定という特別感が相まって、購入者はSNSでそのボリュームをシェアし、話題性を拡散する「エンタメ体験」を求めている。マーケティングの専門家は、これを「パッと見てすぐわかるお得感」「今しか手に入らない特別感」「友達に話したくなる面白さ」の三位一体の成功と分析している。

待望の「秋の陣」— 人気商品11品が再登場

今回の「盛りすぎチャレンジ 2025秋」は、今年6月に過去最大規模（計41品）で実施された創業祭の好評を受けての追加開催という位置付けだ。11月18日からは、過去のキャンペーンで特に人気を博したおにぎり、スイーツ、調理パン、調理麺など、計11品が順次店頭に並ぶ予定となっている。

特にスイーツ部門では、企画トップクラスの人気を誇る「盛りすぎ！プレミアムロールケーキ」の再登場が予想され、大きな話題となりそうだ。また、調理麺では、総重量が550g近くにもなる圧倒的なボリュームの「盛りすぎ！ソース焼そば」など、胃袋を刺激するラインナップが目白押しである。

この「価格据え置きで50%増量」を実現するためには、ローソン側の並々ならぬ「企業努力」が不可欠だ。

サプライチェーンが直面する高負荷と使命感

通常の商品製造ラインや物流システムにおいて、内容量を50%も増加させるというのは、想像を絶する負荷がかかる。キャンペーンの裏側では、原材料の大量調達、製造工程における生産能力の向上、さらには増量に対応するための包装設計の見直しなど、サプライチェーン全体が極めてタイトな調整を強いられている。

ローソン幹部も「これほどの影響は想定外だった」と語るほど、製造・物流体制は高負荷状態にある。しかし、この困難な挑戦を継続する背景には、「物価高騰の中でも、お客様に『ハッピー』と『お得』を届けたい」という、創業50周年を迎えた企業の強い使命感が垣間見える。

「盛りすぎチャレンジ」は、単に商品を売るだけでなく、不透明な経済状況の中で消費者に希望と活力を与える、ローソンならではの戦略的な「価値提供」となっている。期間限定かつ数量限定の商品も多いため、この「秋の陣」に参加したい消費者は、早めのローソン訪問が必須となりそうだ。