【キムタク売れ】980円フリースが市場を破壊!ワークマンが起こした「ギャップ萌え」現象
ニュース要約: 俳優の木村拓哉氏が着用したワークマンの「980円フリース」が瞬く間に完売し、フリマアプリで高額転売される異例の事態となっている。この「キムタク売れ」現象は、商品の機能性とトップスターの意外な組み合わせによる「ギャップ萌え」効果を生み出し、アパレル市場における消費心理の地殻変動を示唆している。
キムタク着用「980円フリース」が炙り出す消費心理とアパレル市場の地殻変動:ワークマンが掴んだ「ギャップ萌え」経済効果
【東京】
2025年11月、冬の装いを巡る日本のファッション市場に異例の熱狂が巻き起こった。発端は、俳優の木村拓哉氏(53)がテレビ番組で着用した、作業服大手ワークマンのフリースジャケットである。定価1,900円(セール時980円)という圧倒的な低価格帯の商品が、トップスターの着用を機に瞬く間に完売。フリマアプリでは定価の10倍を超える高額で転売される事態となり、その経済効果と社会的な反響は「キムタク売れ」として、アパレル業界の常識を覆す現象となっている。
スター効果で市場を席巻した「ダイヤフリース裏アルミ」
木村氏が着用したのは、ワークマンの「ダイヤフリース裏アルミジャケット」だ。この商品は、2025年11月20日に放送されたテレビ東京系の特番『秋山ロケの地図』で木村氏が自然体で着こなしていたことで一躍注目を集めた。もともと現場作業員向けに開発された製品でありながら、ポリエステル100%の軽量素材に加え、裏地に遠赤外線効果を持つアルミプリントが施されているため、薄手でありながら極めて高い保温性を誇る。この「安く、軽く、暖かい」という三拍子揃った機能性が、トップスターの着用という強烈なインパクトと結びつき、放送直後から全国の店舗やオンラインストアで在庫が払底した。
この現象は、単なるトレンドを超えた消費行動の変化を示唆している。SNS上では「キムタク ワークマン フリースは980円が9,800円に見える」「キムタクパワーでハイブランド級のオーラ」といった驚きの声が相次いだ。これは、商品の機能性やブランド名ではなく、「誰が着るか」によって価値が劇的に変わるという、現代のファッション消費における特異点を浮き彫りにしている。
「作業着」からの脱却:ワークマンのブランド戦略転換
ワークマンは近年、作業服としての実用性を保ちつつ、一般消費者向けのアパレル事業「ワークマンプラス」を展開し、ファッション市場への参入を加速させてきた。今回の「ワークマン キムタク」現象は、同社のブランドイメージ向上に決定的な影響を与えたと言える。
従来のワークマンは、ユニクロなどの競合他社がデザイン性やブランディングで優位に立つ中、機能性と価格競争力で差別化を図ってきた。しかし、木村氏というファッションアイコンが、最も安価な部類に入るフリースを着用したことで、「庶民派ブランド」というイメージが払拭され、一気に「高機能でコスパに優れたお洒落アイテム」へと格上げされた。「ギャップ萌え」とも評されるこのイメージ転換は、若年層やこれまで作業服に縁のなかった一般消費者層の購買意欲を強く刺激し、冬の防寒市場における同社の存在感を飛躍的に高める結果となった。
過熱する転売市場と入手の難易度
需要の爆発的な増加に対し、供給が追いつかない状況は、フリマアプリでの異常な高額転売を引き起こしている。定価1,900円またはセール価格980円のフリースが、一時的に7,000円から25,000円という高値で取引される事例も確認された。既にこのモデルは廃盤扱いとなっており、公式からの再販発表がないため、入手難易度は極めて高い状況が続いている。
この転売市場の加熱は、木村氏の影響力が一時的なトレンドを超え、一種の「投資対象」として商品を捉える消費行動にまで波及していることを示す。ワークマン側は模倣品や高額転売に対する注意喚起を行いつつ、後継モデルや類似モデルの供給体制を強化することで、この特需を恒久的な売上増に繋げようと試みている。
「キムタク売れ」が示す未来のマーケティング
今回のキムタク ワークマン フリース騒動は、単なる一過性のブームとして片付けられない、重要な示唆を多く含んでいる。
一つは、マスマーケティングにおいて、トップスターの影響力がデジタル時代においても健在であること。そしてもう一つは、低価格帯の製品であっても、確かな機能性(裏アルミによる保温性など)と、意外性のある着用者(キムタク)が組み合わさることで、高級ブランド品に劣らない価値と話題性を生み出すという点だ。
ワークマンが築き上げた「高機能・低価格」という土台と、木村氏が持つ「ファッションの基準を変える力」が相乗効果を生んだこの現象は、今後のアパレル企業が、コストパフォーマンスとブランディングをいかに融合させるべきか、新たなマーケティング戦略の青写真を示している。(了)